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2018・7



 
2018年路線価! 全国平均で3年連続上昇!

   都市圏オフィス需要で路線価上昇!
     銀座は過去最高を更新中
    訪日客効果で地方二極分化?

 今月2日、全国の国税局・税務署で2018年分の路線価が発表されました。全国平均は0.7%のプラスとなり、3年連続の上昇に。一方で、贈与税や相続税への影響も気になるところです。

【路線価、今年の傾向は】


全国平均、上昇は3年連続!
 全国平均はリーマン・ショック以来8年ぶりにプラスに転じた昨年(0.4%上昇)に続き、3年連続の上昇で、伸び率も拡大しています。4月発表の公示地価の全国平均も3年連続の上昇となっており、地価の上昇傾向が顕著に。

<路線価とは?>
 国税庁が毎年7月に公表し、その年の相続税や贈与税の算定基礎となる主要道路に面した土地の1㎡あたりの標準価格(1月1日時点)で、今年の調査地点は約33万1,000ヵ所。国土交通省の「公示地価」(約2万6,000ヵ所、1月1日時点)より対象地点が多く、土地相場を細かく把握できる。公示地価の8割をめどに売買実例も参考に算出される。





2011年変動率の算出が変更に
 実は路線価の平均変動率の産出方法は2011年に変更されています。以前は標準宅地の価格を合計して平均を出す「加重平均法」でしたが、変更後は公示地価と同じく、各地点の変動率の「単純平均法」に。そのため、従来よりも変動率が小さめになるため、2010年以前と比較する時は注意が必要です。






沖縄が初の5%台でトップ!
 都道府県別でみると、東京、大阪、愛知などで上昇し、前年比5県増の18都道府県が上昇。不動産売買が活発化し、都心部を中心に上昇傾向が広がっています。上昇率トップの沖縄県は現在の統計方法となった10年以降、初めての5%台に。





最高路線価上位15位変動なし!
 
昨年、横浜が名古屋を抜き、3位と4位が逆転しましたが、今年は15位まで変動ありません。

<都道府県庁所在都市の最高路線価>  1㎡当たり
順位 所 在 地 価格(前年)
1(1) 東京都中央区銀座5丁目中央通り(鳩居堂前) 4,432万円
(+9.9%)
2(2) 大阪市北区角田御堂筋 1,256万円
(+6.8%)
3(3) 横浜市西区南幸1丁目横浜駅西口バスターミナル前通り 1,024万円
(+13.3%)
4(4) 名古屋市中村区名駅1丁目名駅通り 1,000万円
(+13.6%)
5(5) 福岡市中央区天神2丁目渡辺通り 700万円
(+11.1%)







はがき1枚分で65万円超!
 路線価日本一は33年連続で、今年も東京銀座「鳩居堂前」でした。同じく銀座の「三越銀座店」と16年9月開業の「GINZA PLACE」も同額でトップ。はがき1枚分の土地が約65万6,000円となる計算です。

<大型開発一巡で上昇率は縮小>
 鳩居堂の路線価は訪日客の増加や大型再開発を背景に14年から上昇に転じた。17年にはバブル期1992年のピーク(3,650万円)を抜き、18年には2年連続の最高額更新となったが、大型再開発が一巡するなどして、上昇率は17年の26.0%から9.9%に縮小した。
 















【二極分化のそれぞれ事情】


オフィス需要が地価牽引
 大都市圏でオフィス需要が地価を牽引しています。好調な企業業績を背景に、オフィスの移転・拡張の需要が高く、国内外の投資マネーの流入も続いています。

<不動産取引、過去3番目の水準>
 不動産シンクタンクによると、17年度の上場企業などによる不動産売買額(公表ベース)は約5兆円と16年比で約2割増加し、過去3番目の高水準だった。大型オフィスビルや賃貸住宅の売買が活発で、中国系不動産ファンドなど外資系による購入も目立ったとか。





平均賃料53ヵ月連続上昇!
 オフィス仲介大手によると、都心5区(千代田区、中央、港、新宿、渋谷)の5月の平均募集賃料は3.3㎡あたり2万19円。53ヵ月連続の上昇で、09年7月以来初の2万円台に。空室率は2.68%で需要均衡目安の5%を大きく下回っており、企業が転居した後の空室も、残った企業の増床ですぐ埋まるケースが多いとか。





都心部と地方都市の二極分化
 都心部の不動産価格の上昇は実需に基づいたものでバブルではないとの専門家の声もあり、人口減少の続く地方都市との二極文化はより鮮明に。都道府県別にみても、秋田県が▲2.3%など、29県でマイナスになっています。





那覇「国際通り」10.4%アップ
 都道府県別トップの沖縄県はアジアを中心とした訪日客効果が顕著です。観光客が昨年初めてハワイを上回り、移住などで人口が増加。那覇市中心地はホテルの建設ラッシュに沸き、米軍基地の跡地利用も活況を促し、「基地経済」を脱しつつあります。






ニセコ地区88%アップ!
 世界的なスキーリゾート地の北海道ニセコ地区は人口約1万5,000人の俱知安町に昨年、延べ43万3,000人の外国人が宿泊。同町の「道道ニセコ高原比羅夫線通り」の路線価は88.2%アップで4年連続全国一の上昇に。北海道全体の路線価は1.1%の上昇ですが、人口減少が進む地域は依然、下落傾向のまま。

<1億円超のコンドミニアムが人気>
 東急リゾートは17年末にニセコ地区での不動産売買仲介を手掛ける営業拠点を開設。スキー場に近い1億円超のコンドミニアムが人気で、シンガポール、香港、台湾などの富裕層による購入検討が多いという。






最高路線価は上昇傾向でも・・・
 都道府県県庁所在地の最高路線価は、昨年より6都市増の33都市が上昇し、路線価全体を押し上げています。唯一、下落した水戸市は商業施設撤退が影響して▲2.1%に。最高路線価が上昇している一方で、県内平均が下落している県もあります。

県名 最高路線価 県内平均路線価
所在地 前年比
兵庫 三宮センター街 22.5% ▲0.4%
石川 金沢駅東広場通り 7.8% ▲0.1%
奈良 近鉄奈良駅付近 5.4% ▲0.6%
岐阜 岐阜駅付近 4.5% ▲0.7%
山梨 甲府駅前通り 3.9% ▲1.4%






同じ県内でも二極分化進?
 これまでは大都市と地方の二極分化が目立ちましたが、同じ県内でも中心部や訪日客の恩恵を受ける地域と、観光資源が乏しく過疎化が進む地域との二極分化が鮮明に。

<大都市でも今後格差が>
 専門家は「東京や大阪などの大都市でも地域によって地価が二極分化する傾向がある。過疎化の進む地方ではさらに顕著だ」と分析している。












【どうなる?地価と相続税】


2020年問題だけじゃない?
 
「バブル化した不動産は2020年の五輪後にはじけるのでは?」との声を聞くことが多くなりました。20年までにオフィスビルが大量供給され、五輪後の需要減少等から「2020年問題」が危惧されていますが、実は2022年問題もささやかれています。

<生産緑地の2022年問題>
 固定資産税や相続税の恩恵を受けている「生産緑地」は、施行30年経過の2022年に期限がきて、行政へ買取り申し出が可能になるが、財政難の行政が買取れない土地が市場に大量流入する可能性があり、需給バランスが崩れて都市部の地価下落要因になると懸念されている。



自社株贈与を検討する方へ
 路線価は贈与税の算定の基礎になるので、路線価の発表を見てから、今年の贈与を検討する人、事業承継で自社株を後継者に贈与する株数を決定する経営者もいます。昨年から自社株の類似業種比準価格の計算方式が改正になったこともあり、今回の路線価発表を機に株価を再試算することをお勧めします。




基礎控除縮小で課税割合アップ!
 2015年の改正により、相続税の課税割合は4%台から急増して16年は8.1%に。東京国税局だけでみると12.8%です。

<改正前と比較すると>
  2014年 2016年
被相続人数 127万3,004人 130万7,748人
申告書提出
被相続人数 (*)
5万6,239人
(1万6,895人)
10万5,880人
(3万1,011人)
課税割合 4.4% 8.1%
課税価格 11兆4,766億円 14兆7,813億円
税   額 1兆3,908億円 1兆8,681億円
被相続人1人当たり
課税価格
2億407億円 1億3,960億円
被相続人1人当たり
税   額
2,473万円 1,764万円
*上段は相続税額のある申告、下段は相続税額のない申告




ゼロ申告に影響が出る?
 
2016年では相続税額がない申告書の提出が全体の3割の約3万件あります。特例を利用するには税額がゼロでも申告が必要なためで、代表的なものには「小規模宅地等の特例」があります。一定要件を満たせば、自宅や事業用地の評価減ができるもので、相続税節税への関心の高まりから注目されていました。ところが、この特例の適用条件が今年から厳しくなります。

<小規模宅地等の特例とは>
故人が住んでいた
自宅土地
賃貸アパートや
駐車場の土地
土地の評価減 330㎡まで80%減 200㎡まで50%減
相続人の条件 故人の配偶者 故人の親族  
同居親族
別居親族(家なき子)*
適用状況
(2015年)
件数 6万7,325件
申告全体の50.6%
2万3,819件
同17.9%
減額 1兆354億円 2,127億円
*故人に配偶者、同居していた法定相続人がいない場合に限る



「家なき子」になるために?
 「家なき子」として80%の評価減をとるために、自宅に住んだまま名義を子や同族会社に移すなどの対策は、自宅を持っているのと変わらないと問題視されていましたが、今回の条件の厳格化により対策効果が封じられたことに。

<家なき子や事業の要件が厳しくなった>
  「家なき子」と認められるには 賃貸アパートや駐車場で
特例を使うには
これまで 相続前3年間、自分が配偶者の家に住んでいない 相続直前に貸付事業をしている
今年4月以降 相続前3年間、自分が配偶者、3親等以内親族、特定関係法人が所有する家、自分が過去に所有した家にすんでない 相続まで3年超にわたり貸付事業をしている
(事業的規模なら直前でも可)





こんな節税対策は要注意!
 「家なき子」になるため、自分の持ち家を子に贈与したり、同族会社に売却した人、親に買ってもらった親名義のの家に住んでいる人も適用がなくなります。せっかくの節税対策が無駄になり、都心の一等地なら路線価アップもあって、数千万円単位で税額が増えるケースも。

<親と同居が増えそう?>
 改正を機に親と同居を考える人も出てきそう。ただし、家族を持ち家に残して自分だけが親と同居する場合は要注意。住民票を移すなど形式を整えても実態が判断されるため、認められない可能性も。



付け焼刃の対策に網が!
 賃貸アパートや駐車場の減額特例も適用条件が厳しくなりました。事業的規模でない限り、相続直前に地価の高い賃貸アパートや駐車場を買って、特例で申告し、すぐ売却するような節税対策は見直しを余儀なくされています。











       
消費税悪質還付と無申告摘発に重点!-2017年度査察実績
10億円以上の大口案件ゼロ
 2017年度に全国の国税局が実施した強制調査(いわゆるマル査)は174件で、1971年以後最少でした。前年以前に調査に着手した案件処理についても163件と、前年の193件より大きく減少しています。
 告発分の脱税額合計は100億円(前年127億円)で、内訳は法人税56億円、消費税17億円、所得税19億円等。こちらも前年より大きく減少しました。
 今回脱税規模が10億円以上の大口案件はなく、最も大きいものが消費税の不正還付事案の3億300万円でした。

許すな!消費税の不正還付
 消費税の不正還付は、国庫金の搾取といえる悪質な犯罪!ということで、査察は12件(前年11件)と重点的に実施されました。化粧品輸出業者A社は、取引事実が無いにもかかわらず、国内業者からの架空仕入(課税仕入)と国外業者への輸出売上(免税売上)を計上して、不正に多額の消費税の還付を受けていました。



無申告事案も重点チェック!
 税逃れは、いわゆる「脱税」「故意の無申告」そして「単純無申告」の大きく3種類に分かれます。ちなみに「無申告」は、2011年の法改正で「故意の無申告」と「単純な無申告」に明確に区別されています。無申告事案は昨年の17件より増加し、21件実施し、うち8件が、「単純無申告」案件でした。
 所得隠しなどの不正行為はなく、悪質性は低いとされますが、経営しながら税金の申告が不要と思い込んでいる状況には、疑問が残ります。

【2017年査察の重点取組事案】
区    分 2013 2014 2015 2016 2017
消費税受還付事案 11 12
無申告ほ税事案 14 11 13 17 21
国際事案 16 21 28 21 15
太陽光発電関連事案 10
震災復興関連事案 12




外国税務当局からの情報も活用
 国際課税取引については、外国税務当局との情報交換制度で入手できる情報を活用して行われます。工業製品のデザイン等を行うC社は、国外の外注先に対する外注工賃(不課税取引)を、国内の不正加担先に対する外注工賃(課税取引)に仮装して、不正に多額の消費税を免れるとともに、消費税の還付まで受けていました。