![]() |
「天国と地獄」 黒澤明 天才の計算し尽くした作品に酔いしれてほしい。 黒澤作品では一番好きですね。 「誘拐」を題材にした現代劇ということで、興味も深かったのかも知れません。 被害者家族、犯人、警察陣と巧みに使い分けてのストーリー展開はもちろん テンポにスピード感も究極に近いです。トリックの面でも、誘拐する子供を 間違えたり、犯人との取引に特急電車を使うなど、アイデアのセンスも超一級。 全体にサスペンス調の色が濃い中、 しっかりヒューマニズムも捉えているんですね。 |
![]() |
「太陽を盗んだ男」 長谷川和彦 日本映画の最後の大作? 現役教師がプルとニュウムを盗み、原子爆弾を作ってしまう。 爆弾を作る過程も面白さがあり、作った爆弾で日本政府に次々に要求していく 内容も面白い。この作品全体に流れるのは重犯罪の中でも重苦しさが無い、 だが犯人の孤独さも、クライマックスに連れて浮き彫りになっていく点も上手さ を感じる。この作品を最後に日本映画はエンターテイメントを感じる エネルギッシュな作品に出会っていない気がする。 |
![]() |
「家族ゲーム」 森田芳光 80年代「森田」の新しき挑戦! 80年代ってのは、自分とって最も邦画を教えてくれた年代だったと思う。 そんな中で、デビュー作、日活を経て「言葉」を意識させる映画監督に出会う。 それが、森田芳光であった。ストーリーは謎めいた家庭教師を中心に、 現在の「家族」を若干冷めた視線でいて、洒落たセンスで見せる。 松田優作のイメージを覆した作品と称された様だが、 私にとって、松田優作が待っていた作品と思う方のが強い。 |
![]() |
「砂の器」 野村芳太郎 運命な音楽と執念の刑事「丹波氏」の語り口に翻弄。 一言で言えば、執念を感じる作品。 それは、たぶん刑事役の「丹波哲郎」の印象なんだと、 殺人事件の被害者の身元すら掴めない冒頭から、 細い糸を手繰るような展開。事件の絡む人々の宿命 重く思われがちな作品かも知れないが、何度観ても、 そして芥川氏の音楽を聴くだけでも、素晴らしく蘇る名作。 特に、クライマックスでの「丹波哲郎」の語り口が素晴らしく良かった。 |
![]() |
「復讐するは我にあり」 今村昌平 「今平」渾身の復活作、今平だから出来た作品! 実在した連続殺人鬼の逃亡劇を再現した映画。 行く先々で繰り返す残虐なシーンと役者のリアル感は「恐怖」に近い ただ、今村監督曰く、この実在した犯人の頭の良さに、妙なおかしさを 映像化してみたかったらしい。(特典映像で語っていました) とにかく、緒形拳、三国連太郎が演じる「親子の葛藤」に倍賞美津子、清川虹子、 ミヤコ蝶々らのド迫力な演技力は凄いの一言。 そして、ラストシーンには、今村監督の「こだわり」も見えた思いが強いし。 後の監督作品にリンクしていった気がしました。 私の中では、今村作品の最高傑作である。 |
![]() |
「野獣死すべし」 村川透 「優作」の野心作を認めた「角川」の太っ腹。 入念に計画された銀行襲撃をベースに、原作に無い主演「伊達」を作り出した 優作の狂気的な演技は、「愛」の無い哀しき人間ではなく 「愛」を伝えられない哀しい人間じゃないかと・・・今でもこの映画を観ると思います。 松田優作、村川透、丸山昇一のトリオと、この作品を世に送り出した角川春樹 それは、私の中では「伝説」に近い角川映画の一本になりました。 この作品も80年代の中でも充分過ぎるほどの傑作 |
![]() |
「KAMIKAZE TAXI」 原田眞人 いろんなテーマが散りばめられた、原田監督の傑作誕生 この作品は、期待する中、公開当時観たかった。 まさか、「復讐の天使」と題名を替えてレンタルショップに登場してるとは・・・ それも、前・後篇の二巻組、合わせると3時間オーバーの超大作。 内容は、日系人、ヤクザ、政治家が交錯するロードムービー アクションのセンスに、台詞の活きの良さ、原田監督の絶品モノ。 デレクターズ版より、登場人物らがインタビュー形式で、語りを入れたり、 自己開発セミナー取り入れたシーンなどが入った。 「復讐の天使」二巻組を薦めたい。 |
![]() |
「赤ひげ」 黒澤明 黄金コンビの最終章は、ヒューマニズムの頂点だった。 黒澤、三船の黄金コンビの最終章となった作品はまさしくヒューマニズム。 医師「赤ひげ」とその助手「保本」を軸に、さまざまな患者の人間模様を見せる。 人間の暖かさ、哀しさを詰め込み黒澤監督が矛盾する現在に訴えたかった メッセージ色も強く感じる作品。 観た後、また人が優しくなれる気持ちがする傑作。 |
![]() |
「転校生」 大林宣彦 この作品で、故郷の大切さを思った。 男の子と女の子が入れ替わってしまったら・・・ ノスタルジックな尾道を背景に描く青春コメディとでも言った方いいのか? この映画の好きな所は、舞台になっている、尾道のエキストラが実に自然で 違和感無く映画に溶け込んでいる点です。 それから、大林監督の独特で斬新な感覚。モノクロ〜カラーといった流れから、 主演の青年が撮影する8ミリ映像、音楽にクラシックを取り入れるなど、 大林宣彦の魅力が詰まった作品です。 |