Editor's Page~随想

by Sachiko fujisawa

11月3日
 最近話題になっている、「みんなのためのルールブック」という本がある。全米最優秀教師として表彰されたロン・クラークというアメリカの先生が書いたもので、実はまだ読んでいないのだが、新聞やテレビの紹介では、「えーっ、こんなあたりまえのことを!」と思うようなことが書いてある本である。たまたま今日の新聞に広告が出ていた。

 たとえば、ルール1:大人の質問には礼儀正しく答えよう。ルール5:勝っても自慢しない、負けても怒ったりしない。ルール7:くちをふさいでせきやくしゃみをしよう。ルール32:だれかとぶつかったらあやまろう。・・・って

 こういうルールを教えることで、この先生は荒れて勉強する気も全然ない、どうしようもなかった子どもたちを見違えるように変えたのだそうである。もちろんルールを押し付けるだけでは変わらなかっただろう。テレビで見たところでは、若くてとても熱心な先生で、こんな先生が自分のことを真剣に心配してくれたら、子供も変わってくるだろうと思わせる人だった。

 なぜこの本のことを思い出したかというと、今日の一年生の英語クラスでのできごとである。
テキストのアクティビティー言われる問題をやっているときのこと。このクラスには、数ヶ月遅れて入った生徒がいて、文字を読むということにおいて、少しまだ遅れている。もともとの友人同士で遠慮がないという理由もあるかもしれないが、その子が間違えたり、わからなかったりすると、全員でわからないことを責めるような発言をし始めたのだ。
その場で、後から入ったのだから、そんなことを言ったらかわいそうということ、本人には頑張って覚えようねということを言ったのだが、あまりに声高に非難するような状況になったので驚いた。
そこでこのルールブックのことを思い出したというわけである。
子どもたちにとって、これはやはり教えないと知らないことなのだ。

 簡潔にルールと言う形でそういう状況が起こるたびに「ルール5:勝っても自慢しない、負けても怒ったりしない」と唱え続けたら、それはそれで効果があるものかもしれない。

 いづれにしろ、昔(これは曖昧な言葉だが)は親に教えられたのか忘れるほどあたりまえなことを、口に出して、言い続けなくてはいけないと感じさせられた出来事だった。

 皆さんもいかがでしょう?
草思社の本(出版社の回し者ではないです)
こども版「みんなのためのルールブック」
大人のためには「あたりまえだけど、とても大切なこと」

英語版も読んでみたいと思っている。
11月7日(日)
 大府西中学校の合唱祭を見に行った。
音楽教室の生徒で、今年も伴奏をする子が何人かいたからだ。毎年誰かは伴奏を引き受けてくるので、応援に行く。

クラスでただひとり、自分が間違えたら賞がとれないかもしれない・・友達関係中心で生きている中学生にとってはとても大きなことであろうプレッシャーの中、一生懸命演奏する姿には感動する。
この間合唱曲の練習だけするので、テキストはちっとも進まないのだが、それ以上の大きなものを得られる機会になると思うので、小学校の高学年くらいから、中学になったらねえ・・・と合唱祭の話をし、是非伴奏を引き受けてくるようにとたきつけている。
今年も舞台に上がったときから、こちらのほうがドキドキだったが、立派に役割を果たしていた。

 次の金曜日と来週土曜日には、北中に大府中の合唱祭もあり、そこでも頑張る生徒がいるので、その素敵な時の目撃者になりに行こうと思っている。
11月9日(火)
 今日はおもしろい体験をした。
在住のブラジル人のジャーナリストに取材を受けたのである。

 実は1994年から市内在住の外国人のための情報紙を国際交流協会のボランティア仲間で発行している。
市の広報紙は全て日本語だから、日本語のわからない人に情報が行かないのは不公平だ、休日の医者の情報も必要だよね?などという仲間が数人集まって、国際交流協会の翻訳ボランティアの協力の下、まず英語版とポルトガル語版を作り、市内の会社などを回って置かせてくれるところを探すところからスタートした。
 以来、ボランティアがたった二人の時もあったり、A4たった1ページの時もあったりしながら、とにかく絶やさずに・・と思い続けてきた。今では、スペイン語、中国語、日本語ふりがな版の5種類をトータル1000部程度発行している。
この活動を通じていろいろな出会いがあり、自分自身が成長させられることが多かったと思っている。

 今回ブラジル人向けの雑誌に日本人でこういうボランティア活動をしている人がいるということで載る事になるそうであるが、いろいろ話をし、今後の私たちの情報紙に参考になる提言も聞くことができた。
それにしても、通訳をしてくれた方も、その記事を書くという方も、素敵な女性で、感激した。
国籍とか関係なく、しっかりした考えを持って前向きに生きている人たちに出会うのは楽しい。
そういう出会いあるからこのボランティアはやめられないと、改めて思った。

 雑誌はすべてポルトガル語で、定期購読する人に送られるものだということなので、目に触れることはないと思うが、まだまだがんばらなくっちゃ!と思わせてくれる出会いだった。
11月12日(金)
 大府北中の合唱祭に行った。1,2年6クラスずつ3年5クラスと結構な人数。それでも各学年課題曲と自由曲と2曲ずつ発表。プログラムつくり進行からまですべて生徒の手で行われていたが、なかなかスムーズな流れだった。遅れて行ったため、3年生の部しか聞けなかったが、歌もピアノ伴奏もレベルが高かった。
 その中で我が教室の生徒が自由曲を伴奏した組が最優秀賞!!やったー!クラスの一体感、高音の美しさなど目立つものがあったが、盛り上がりはかなりのテンポで、よく乱れずに頑張ったと思う。いつもはそーっと帰るのだが、感動のあまり、出口で彼を待ち受けて、「やったー!!」とハイタッチ。

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