--no.12766--2013年10月0四日(金曜、07時00分、--

木曜日午後は亀崎古文書。
この日で読了。
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草津温泉を紹介する。随筆。どちらとしても成功している。
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最後の辺りを読んで、草津へ行くと古今、今昔、比較出来て面白い。
だが、之をよんで、9月の草津行きを思い出せた。
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読了だから、まとめなければならないが、まだだ。
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何をさばかり、なげきたまふといふを
=========d20131003草津繁盛.mem======================= =
   「ただむむ《といひてゆくを、一人のしひて
とふ、その先生といふ人、「さればよ、わかかうせち(講説)するを、ひときかば猶、かれに似たる
べし、まめ蔵かうせつ、こそはずかしけれ、《とていくもあり また三人ばかり、こハ、
壺廻の為に、またなきマロウドとみえたるが三人して、 かたらひつつ、「こよ
ひは、例の壺廻りどもの、いまだ、かぎつけざるよ、 のがれはてむものを《などいふほどに
右のよぎ道より、ひとりの男の、かの三人を見る則に、 こし折、かがめ、もろ手すりつつ
「いずこにや、はずし給ひけん《といとも、くやしくたずね わびそえりき、「なさけ
なき君たちにはべる《といふを、三人打わらひて「いでそよ、さこそ、いましハ、はなひ
のしつらめ、いまもいまとて《などそぞめきあひつつ、 かの男子にひかれてゆく
めり、あるはまだよをしらぬ女子の「えだ豆。。。《とよぶこえ いとろうたし
わかき男子の「いかにぞや、豆うらむかや、かひてむ《と云を 女子の「はかりまゐらせん《
小きぜにハ、はべらず、つりはさつにはべる《といふ この郷二十四文   
   の札、通用す、男子「いないな、そのまめには
あらず、いましが、みにあるかたなり《といふをよをしらぬ 女子のはらだだし
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けに「しらずはべる《といひすてて、ゆくもあり
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いろくろき十まり、二つ三つばかりの
おのこ、白玉、々、と、よぶこえいとたかし、まろうどのくろ玉わく子が、白玉、々ハ、ふ
さわしからず、《などいひあへり、かかる郷のならひ、つねにもだある 人さへ、口さが
なく成て、「たわれごといひあへるものなりけり、かくゆきかふ人のあしのと は、い
で湯にひびきあひ、ともし火のひろば、ゆの池にかがやきつつ、 いとも、々 はへ、々
しきものなりけれ
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    立振舞
立ぶるまびハ、この郷をたつとて、うたげするをいふ、こは、人毎にするにも あら
ず、富めるもの、さらでも、身の品いやしからぬものなどの、 日数ありたるが、郷の
吊残をおしむとてすずわざ也、こは、この郷の夜なりといひ、伝へて、 やどの
長どもをはじめ、かのおとこ、おみなの壺廻どもにいたるまで、  こよひハ
いずこの、何番の壺の、立振舞なりとて、二階三階の軒に、  提灯といふもの
ここらものしつつ、かの台と、となへたるを、あまた、もてきて  ここにありなど
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ものいひ馴れたる限り、あき人まれ、まろうどまれ、まねきつどへて、  うたげする也
宿の長とも、あすは、馬をや、まいらせ、かごあふせはべらずや、ここ  立の時はいつばかり
に、などいふもあり、また,かく馴れまいらせては、あすのみわかれの  いと、かなしく
はべる、などいひ、あるはこむ年の夏も、かならず、ゆあみしたまへ、 まちこひはべる、な
どいふもあり、あるは、まろうどたちは、いずくの其の郷、すぎたまふ  こともあらば、
某とたづねたまへ、などいふもあり、長をはじめ、人どもにも  すべて、引出も
のなどし、あき人ともの、ものの値、などものしつつ、ややそのこと  はてて、ハ、まろう
ども、いたくえひしれつつ、おどりつうたひつ、などする也  されど、かりそめ
の、たびねながらに、日をかさねては、なれにし人々のわかれも  いとほしくおぼゆ
るものなめり、このうたげ、小夜更て、つどへる人々もあらけつつ  あと、しめやかに
なるべし、かのはぎのしろたま、あきのすすきなどの、別れがたきより  いふらんハ
これより後のことなるべし
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    広小路
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広小路といふハ、御座のゆのあたりより、まつのゆの所までをいふとぞ  その中に
湯の花の池とて、縦四十五間、横十八間のゆの池あり、そのめぐりに  くきぬきしたる
柵といふもの引まわして、人の近よざらず為とす、ここは、湯の花を  とる所也と
云、この池の中、たきになりて,八すじなり、おちて、末は川になりて  流に、二里ハ
かりがほどハ、ゆにて流るよしなり、車などもかけてあり、  ゆくるま、めずらし
さて、この池の湯けぶりハ、むら雲の山のかひよりおこりたつにことならず、  東側
の家より、西側のかたハこのけぶりの為にみえざるひのおほかり、はれたる  日つづ
けハ、けぶりすくなく、雨ふる日、また雨もよひのときハ、おほくたつこと也  さて、
この池の東西ともに、いへ立ならびたる中に、人つどへて、軍書  読むもあり
いとのしらべも、ここ節にて、何太夫など、文字ふつつかにしるしたるを  軒に
かけて、人つどへたるもあり、かのいとのおと、つづみのひびき、など、湯たきの おとに
打ちあひて、いともかしがましきこと也、たび人のここにきつきたるは、  馬に 
のり、かごにたすけられ、などして、引もキラづ、いりくるを、いでたつハ、 足
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かろらかに、
裾引あげなどして、かび、々しく、見ゆるを、宿主人、またを
こどもおくりゆくもあほし、五月の中バよりハ、一日に七八百人、千人までも きつき、
千人八百人なども、いでたつよしなれば、そのゆきき、いともしげかること也、ここにゆあみし
てあるは、大かた髪をときてのみあれば、郷人とゆあみ人ハ、一と目にして  わかれた
り、かくさま、々、なる中に、かの長やかなる箱を、肩にしたるが、打まじり、 花や
かによそひたる、うたひめどもの、たてぬきて、行くかふなど、げのも  世のうさと
夏のあつさは、さらにもいねず、家路をさへ、わするる所なりけり、 ものに見え
たる杣窟のここをして、さらにうき世の中とは、覚えず、夏の都とハいへ
ど、よわいをのぶる都とも、老いぞ、死ずの郷とも、たたえつべきハ、この 草津の郷な
りけり
   ゆあみしたるとしの九月十三夜、江戸にありて
 たれかいま、くさつの郷に、ゆあみして、あさまのたけの、月をみるらん
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