--no.12817--2013年10月11日(金曜、13時42分、--

午前は中国語を少し・・だから、此頁の作成が遅れた。
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新しい、教本に入る。
江戸後半の本らしい。
怪談だ。
内容は今後の楽しみだ。
例のごとく、岩瀬文庫だ。
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前文を読むと、武士で無く公家の作者とも思える。
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北条氏規を少し調べた、生誕 天文14年(1545年)死没 慶長5年2月8日(1600年3月22日)
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もう少し古い人だと勘違いした。
が。天文は読みはどちらでも良いらしい。
天文(てんぶん、てんもん)は、日本の元号の一つ。享禄の後、弘治の前。
1532年から1555年までの期間を指す。
これに依ると、天文14年生まれが、天文の頃という書き出しだと、
そのまま信じれば、10才までだ。
読むと彼は子供では無い当主だ。まあ良いか???
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北条氏は江戸時代少しは残ったか
残れば差し障りは無いか???
以後、乞うご期待。
~======d20131010怪談.mem========
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頬杖に 一日 まず 春の花
 頬杖 妖怪 見るなり
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徒然のあまり、世に、専行 古昔の
野史書を見るに、都、漢土の小説
本邦の故事也、今、僕、箸狂話、ハ
西東の終り、見盡くしたる、閑人、あるは
寒国を避けて、江都へ、出る健男の
語まで、少しも、洩ず、草の漂斗
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筆の歩、上審、書綴り、深く故箱
に、埋しを、南総館の求、応じ
土を払、然而、採草の春、女房の
すだくなる、古、御所の破几帳とは
吊づけはべる、流霞窓、主人書く
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野史種、百章、怪譚、破几帳 総目録
  巻之壱
榛吊山
古寺

其の二
埜槌
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巻之二
任侠、うすめに逢う
猟師、難に逢う
江州の幽霊
古園の怪
 巻之三
諸星、深山に怪を見る
那須埜の怪物
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妖怪屋敷
女の髪の怪
古物の怪
 巻之四
相撲人、綾川
荒波婆
古城
滝の原の神体
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巻之五
仇なる伽羅
大蛇
信州之一家
 以上
 目録畢
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巻之一 榛吊山
天文の頃、武州甘縄の城主、北条左衛門大夫氏矩ハ
武吊関の東に轟き諸人、鬼神と給す、同国川越之
夜軍に、上杉憲政を破つて、嬰児の夜啼も黄八幡、来
といへは、止まるとなん、此、魏の張遼が、江東の兵をやぶりしに
同じ、氏矩、ひと勢、軍労を休めんと、上毛の榛吊山へ
参詣の折から、境内に大なる池あり、水上、緑にして
清きと、碧玉に向かうがごとし
             浪風をむかへ岸に蟇
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数千万の郡魚、所を得て、浮み遊ぶありさま、筆に
盡くしがたし、氏矩見たまひ、「あな、帯びただしき魚かな、近き
うち此の處に遊猟せん《とて、其日ハ、帰られける、其
夜、氏矩ともしびにむかひ兵書を読みて、追わしける
に、翁一人、忽然とあらわれ「いかに、氏矩、我家山に遊び
近日、池水に漁せんとはかる《「かの池ハ、昔より我が住居
する處なり、《「必ず同事なかれ《「もし、諌めを用いずは
爾の災ひ、遠かるまじ《と、いひける。氏矩笑いて、扨は、翁こそ
池の主と見えたり、尤の仰せ也、 此の事ふッと思ひとどまる
べし《「心にかけたまふな《ありければ、翁、うれしげにも必ずしも
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詞を違えたまふな《と云い終わりて、二足三足行く処を「見たり也《
と大喝、一声、まくら刀をとりて、切り付れば、翁心得たり《と
ふりかえりし、顏色千歳之蛇のごとく。氏矩二の太刀を上る
時、たちまち、一条の光り物となり、窓前へ飛び出たり、続いて
追わんとしたりしが、いかがハせん、是、南かの一夢なり
氏矩、目覚めて、惣身に汗して、悪夢をいかり、夜明る
と、その儘、漁舟を用意して、舟ごとに、石火矢を架へ
みずから、緋おどしの鎧に鍬形の兜を着て長太刀
をかひこみ、岸の磐石に登りて、下知すもれは、近臣並
寺僧、殺生禁断の池なるよしを、諌めけれども、氏矩
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