--no.13194--2013年10月30日(土、12時52分、--

木曜は、28日になる。
古文書の怪談である。
猟師難に会うの後半と、江州の幽霊の全般。
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猟師の話、簡単な結末で、調子抜け。
前半、相当な化物が出てきた。が、それは後半と関係しない。
後半は、ただ、片目が腫れて僧籍となるだけ。
この話を私なりに解釈すると、
・・・・鉄砲の火薬が原因で、片目が潰れただけの事。
そう言えば、八重の桜の山本覚馬は目が潰れた。八重は健康だ。
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江州の幽霊は、具体的な吊前があ
佐左木六角判官義実だ。
調べると以下。
六角 義実(ろっかく よしさね、永正7年(1510年) - 弘治3年(1557年)?)は
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もう少し古いと思ったが、まあ戦国末期だ。
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六角氏当
宗家 泰綱 - 頼綱 - 時信 - 氏頼 - 義信 - 氏頼(再襲) - 高経 - 満高
- 満綱 - 持綱 - 久頼 - 高頼 - 氏綱 - 定頼 - 義賢 - 義治 - 義定
- 高和 - 高重 - 定賢 | 断絶
---------------分家・支流 -
定治流 定治 - 定之 - 定賢 - 定明 - 定国 - 定則 - 定正 - 定舒 - 定性 -
義実流 義実 - 義秀 - 義郷 - 氏郷 -
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まあ、宗家、分家はいづれにしても、断絶。江戸時代としては、過去の氏だ。
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この主人公は、その家来だから、それ程関連は無い。
強いのか臆病なのかは、乞う御期待・・である。

=======d20131128古文.mem===================
とまりいたり、剛兵衛、是を見てよきもの、ござん
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なれと//鉄砲、ためすまし、一打、打てども、かの鳩
おどろきもせず、止り居たり、剛兵衛、大に、怪しみ
けれども、元来、上敵ものなれば、樹に上り、手とり
にせんと、するとき、上思議や、祠のうちより、何
とも知らず、白装束の翁、忽然として、あらわれ
剛兵衛を、はたと、にらみ、「おのれ、この社の飼鳩へ
理上尽に、てつぽうを打かけし段、奇怪さよ
と既に飛かかる有さま、剛兵衛、その異相なるに
おそれ、跡をも、見ずして、逃げ出せば、こやつ、いずこへ
にげるぞ《と、あとより追来る事、つじかぜの
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ごとし、あわやと、剛兵衛、あと、ふりかえれば、かの翁
石などをとりて、はたと、打かくれば、剛兵衛が左りの
まなこに、あたりける。それにも、かまはず麓を
心さして逃下り、ようよう、我家へ帰り、かよう 々 の
次第なりと、妻にもはなし、人々に、語りけれバ
立ちまち、翁にうたれたる、眼、俄に、いたみ
出し、大きに、腫上り、終に、片目となりける
剛兵衛、茲に、おひて、災ひに、逢たるも、殺生の
報ひなるべしと、悟り、かしらおろしつつ、すみ
染の姿となり、釈門に入しとぞ、やさしかりき
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江州の幽霊
江州に武勇の郷士あり、先祖は、佐左木六角判
官、義実につかえて、勇吊、四方にかがやきし
後藤角内左衛門実頼が、末葉たり、則、後藤
角弥と号、妻は死して、数年独身にて、有
しが、親類のすすめにて、同国武佐の宿の
氏景、正しからぬものの娘なるよしなれば
氏より育とて、都人もはちる、艶色なりと
聞、媒介をもて、よびむかへ、いとむつまじく
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かたらひしが、かの女の親はまずしき者といひ
ことに、生得かたまじき性にて度々、角弥に
無心を云て、金銭をおぎのりける、され共
あこぎが浦にひく網の度をかさねたれば
後は云ひ出す事だに叶はず、娘をみそかに
まねき衣類をかり、あるは、髪のかざりを
のぞみしに、娘もはじめは、これをうれがは
されども、親のむしんと云ひ、そのまずしき
を、みるにしのびず、心の外のみつきをぞ
なしぬ、角弥は、それとも、気もつかでありしが
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さしも、めでたき髪のかたり、時として見へ
ず、都よりとりよせて、これさしてよ《など
聞へ、高金の釵もあらざれば、いかになしぬ
と、とへば、女もさすが斯ぶとも、得云ひ兼、口ご
もるばかりなり、角弥、思へらく、扨て、みそか抔
あるにや、荒だてなば、あしかりなんと、さして
問ひもあきらめず、打過しが、ふるく召つかう
男の子に、某とて、色よき角前髪の少年
あり、かの女、上憫がりて、折として物とらせ
などしけるを、角弥、心にかけ、扨は此者こそかの
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みそかに契るが、心得ぬ事こそ、多けれと
かんがへ、見れば、世の諺にうたがす、時は其人の
顔色、異なりと、何かに付て、怪しと見、究
あるとき、竹生島へ詣んと、かの女、並に美童
を、同船し、酒さかなとりいれ、ざんざめきて
こぎ出し、湖中に至るころ、こほりのごとき
刀をぬき、両人を二刀??湖の中へ切り込み、ここ
ちよしと手酌にて、盃をかたぶけ、漕ぎかへし
て、我家に帰りける。角弥がそこつのふるまひ
にて、一刀の鬼となる二人が、非命ぞ、あわれなり
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扨、角弥は舟より上り、唯壱人、よひやみの、たど
たどしき、路ををいそぎ、帰しに、向ふより、燈火を
提て、来るものあり、近よって見れば、下人也
角弥、歓ひ、「なんじ、よくも、気のつきしもの
かな、宿に至らば、おほみきを、あくまでおま
さんといひつつ、先にたたせ、歩行ば、かの下人
したり顔に思へど、かくしなば、あしかりなん
と、いや、わたくしの心付しにあらず、御新造
とく帰りたまひて、われに仰けるは、旦那のとく
帰たまふ、出迎ひ、たてまつれ、我は、先へけへりしとの
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