--no.013329--2013年12月20日(金曜、時分、--

まず、42頁に絵がある。これは内容から、
那須の怪物だろう
其の他、この日七頁を読了。
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諸星・・の後半・・と
那須・・の全体で、ある。
最後は俺の担当。
時間的に余裕。今年最後である。
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中間のマトメもすべきだろうが、師走はそんな気でもない。
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まず、諸星・・
火山と考えて良い。越前と飛騨の間に火
江戸時代、富士山も噴火している。
有っても良いだろう。
現代人は、車で、一定の場所の点と線は知っている。
が、江戸時代の人なら、相当奥深く分けいたかも・・
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那須の怪物・・。
雷さまが落ちてきた・・と言う始まりでない。
最初は、竹取物語が如く姫があり
次は源氏物語の若菜で、光源氏が女の苑を覗く・・が如し。
作者はこの2ッを念頭においているかも。
次は、熊が生まれ、姫が死に、退治に行くと、
雷だったとか・・
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ここらの流れを考えると、ほとんど落ち着きが無い。
読み物として、余韻は無い・・それが、読み物として、
肩が凝らないから還つて良いかも。
日光の民話でも調べるのも良いかも。
=====d20131219古文.mem=============
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巻之三
  諸星、深山に、見怪
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上に口、有つて、炎のごとく、なるもの、吹出すに、その炎、はるか
虚空へもえ上りて、消うする、又、同じっく、吐出すに、初のごとく
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だんだん、かのまなこの光り、すさまじく、すぐに、我方へ
近寄きたる、そのおそろしさ、喩ふるにものなし
某、敵して、かなふまじと、思ひしゆへ、そうそうに、かの
谷をよじ登りて、はるが、遠く逃さり、一、二町も行て、
かの方をかへり見るに、空のあかるき事、暗夜に
篝をたくがごとし、某、行過るに、したがひ、だんだん
かのひとりも、うすらぎしか、いかなるものや、ふしぎ
なる事に思ひ、其夜、亥の刻過に一宿をもとめ
里の者に右のよしを、かたるに、かのもの申すよう
その変化は見ず候得ども、なるほど、かの辺にあたり
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毎夜一二度つつ狼煙のごとく光り、見え候と語りぬ
是、誠に稀有なるものなりと、咄せしかば、一座
の諸人、こころえぬものかな《と、いずれも、ふしんし
きるとなり、山みみず、陰蛇のたぐひなるべし
深山、幽谷には得しれぬものも有とかや
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    那須ノ怪物
昔事(むかし)下野、二荒山の麓に室平次兵衛といふ
ものあり。代々、有徳なるものにて、田畑、多く買い
持、金銀を貸し、利に利をまし、年を積もり、繁昌
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しれるより、家人、多く出入の者、多、おのずから郡
司のごとく、敬ひ、且、太刀、弓、鑓、を大主より免(ゆる)され
其辺りに、肩をならべるものも、なかりける。深窓に
やしなひし、娘に忍とて、器量はつめい、いかにも、稀
なる、風俗にて、近郷に、吊だたる豪家より
むかへとらむ《と、云、はれけれども、思ふに、まかせざれ
ば、打すぎぬ。頃しも、弥生すえ、つかた、都の花には、おく
れ、ながら、折しり顔に、咲みだれ、散も、はじめぬ。
いとさくら、いと愛らしど、庭前に幕うたせ
氈をはしらせ、酒さかな、かずかず、ならべ、琴三弦の
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興をまし、女ばかりの気さんじに、なまめき笑ふ
ところへ、年のころ、十六七と見えし、角前髪の
若衆、黒繻子、袷に、黒ビロウドの帯を、しめおな
しき、袴を着、庭の切戸より、入来り、おめる色
なく、座につき、「わらわは、此あたりの、御寺の聖
につかふまつるものなり。御庭の外を通りしに
御爪音のおもしろきに、心うかれ、ふと、立より
侍る。あわれ、一曲をしらず、聞かせたまへ《といひけ
れば、侍女、端女をはじめ、「こは、あいらしき少年の
おのぞみや《と姫にすすめて、しらべをととのう
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其後、酒さかなをもうけ、少年をまてなしぬ
姫も少年のうつくしきに、なずみこし、もとの
媒にて、つゐに、露の手まくらに、つもる雫
が川島の水、もらさじ。《と、ちぎりける。それより
夜毎にかの少年、姫の閨へかよひければ、いつ
しか、ただならぬ身となり、五ッ月を経て、産み
だしけるを、両親、立よって、見てあれば、熊の子
のごとき、真黒なるまのなり、大きに、おどろきたち
さわぐ内、いつちへか、飛さり、かたちはみへずなりぬ
此ありさまに、姫はおどろき、玉の緒も絶えて
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死うせぬるぞ、是非もなし。 平次兵衛、大きに、いかり
是、またく、妖怪のわざなりと、侍女ともに、かの
少人の来たる方角を、問へば、庭より南の方の
木樹の松をこへ、来たるよし、申に付、郷中の若者
を大勢あつめ、南の山中を尋るところに、とある
岩穴より陰々たる、白気、立のぼれば、妖物こそ
此処にあなりと、鉄砲をするべかけ、かの穴へ
打つづければ、穴中より、その体はまくろに
して、たけ一丈余のけもの、人を見て、飛びかかり
引きさき、あるひは、くらひ付、大に、なやませれば
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平沢兵衛、わが子の敵と一声さけび、鑓をもって
咽を突けば、つかれてひるむを、若者ども、折かさ
なり、づだずだに、切りころしける、扨、穴にいりて
見れば、以前、少年に化して、来たりし時の
衣朊、帯、袴まで、残らず、脱捨て、ありしと。
何といふ毛ものぞと、人々、うちより博学なる
人に、問へば、しばしうち見て、これぞ、二荒山
に、住といふなる、雷獣なり、もろこし、夫風(ふふく)の
楊道、和田、中にて、雷の落けるを、打つ、かたち豕
のごとしと、語りければ、さある、ものにても、あらん
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と、云ひあへりと、かの国に、かよへる人の語りき
   妖怪屋敷

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