--no.13472--2014年01月10日(金曜、時分、--

右の図だが、そもそも古文書は右上から左下へ書く。
それを、左から貼り付けている。だから
個々は左から読んで欲しい。
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妖怪屋敷は此日から始まり、完結した。
科学的な内容である。現在のオカルト関係マスコミに読ませたい。
妖怪が居ると言われたが、それは盗賊で有った・・というだけ。
語句にやや、理解の困難さが、残る。
  司、吏、などだ。
ここに。鹿沼・・と言う浪士が出てくる。
浪士である。まともな武士でもない。それが、話を少し面白くしただけだ。
至極、全うな話だと思う。
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琴を弾く女が、西国の候の妾になる話が出てくる。
この音痴の話を聞いていて、何故か、樋口一葉を思い出した。
彼女は、和歌の吊人だったが・・殆んど関係無い。
それと、正月に、元気の里で、琴を聞いたのも思い出す。
琴の場合、音の高低とリズムだが、
琴の場合、半音上げるため、弦を抑える場合がある。
マサカそのことでもあるまい。では、師匠が音程を始める前に合わせれば良い。
琴のねじめ・・
では、テンポが遅れるのか・・
この文、次回に又、完結後話したい。
=====d20140109古文.mem=============
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と、云ひあへりと、かの国に、かよへる人の語りき
   妖怪屋敷
志摩の国の境にいつの頃、人の住たるともしれぬ
荒屋敷あり、むかしより、妖怪ありと云伝へて
人さらに住まず、或時、更司たる人、申されけるは
何国も、王土ならずといふ事なし、などか妖怪
の住めばとて、其儘にうち捨おく事や、ある
と、至極、剛なる者を尋られしに、そのころ去
大家の浪士、鹿沼早太といふものあり、折ふし
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伊勢参宮して、此処へ、来りければ、司の選しに
あづかり、かの荒屋敷の怪物を見届に遣しぬ
早太は、かの屋敷に到り座敷に大燭台を
点じ、四方の角々までも、残りなく、見へ、透くやう
にして、中央に座し居たり、司はなを、心得なく
や、ありけん、かくし目付十人ばかり、此中?の
あたりにしのばせ、早太が身のうへに大事あらば
打て、出べしと、云ひ、付たり。此者ともかた唾
をのんで、夜の更るを待かけしに、丑みつの頃
座しきにはげしくもの音、しげるまま、すはやと
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はせつけ、戸をひらきて、見れば、早太が首はころ
りと、落て、坐中、朱になつて、死居たり、誠に
狐狸のしわざにも、あらず、天狗の所為な
らんとて、此趣を立帰つて、司に、訴へしに
司、よくよくと考へ、夫にて、妖怪の根元、知れたり
とて、大勢引つれただちに、かの座敷へいたり
て、燈火、明らかにして、おつ取巻、則、此屋敷
を、めつた、むしようにとりかかり、かたはしより
こぼちけるに、おびただしく、家鳴しげける
下々のものは、いかがあらんとためらひけるに、し司
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短兵急に打こぼてと、下知ありし所、うちより
大の男、大太刀、真向に、かざして、切て、出るを
茲にとりこめ、かしこに追つめ残らず召捕
ける、盗賊以上八人迄住居してぎり、上残
罪に行はれぬ、すべて、古やに、怪しきものあり
といふとも、其処へ、壱人して、行くべからず、一両
人も組合て、鉄砲など携へて、行く事にや
多くは、ぬす人の所為にて、化物やしきと云ひ
ふらし、人の住ざる、やうに、なして己が居所とす。
狐狸のたぐひなどは、人間に対し、及ぶ事に
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あらず、みなみな、悪賊の仕業なり、おそるべし、々
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   女の髪の怪
世の女の性は、ひがめるものなり。まのあたり
見つ聞つして、おそろしと思へる人の語に
こしを、そがまましるすぞ。都の町に真しほと
いへる琴の師あり、世に聞ゆる妙手にして
門弟あまた、つどひける。茲に同じ軒なみに、橘
半吉といへる、医師あり、ひとり娘に勝とて
ことし十三あまりなれども、顔かたち美しく
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遠山の眉、柳のこし、ころたちなば、いかなる
いや高き方への、宮つかえさせんと、真塩をたのみ
琴をならはせける、真塩も隣家と云、たらちねの
ねんごろにたのまるるに、心をいれて、指南いた
しける、されどもいかなる前世の縁にや、此娘
ものおぼへあしくして、跡より来る子供に
先をこされかるか、ある春の初さらへに大勢
の中にて、此娘の琴のねじめ、あしきと聞へ
としも相応なるに、さりとは、ふつつかぞと諸人の
いふなるに、娘は顔をあかめ、宿に帰しが、風の
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心地にて、うちふしぬ。両親、愛子の事なれ、
まくらもとによりて、朝までもきげんよく、師
のかたへ、行たりしに、帰るとそのままに、打ふし
たるは、仔細ぞあらむと、尋しかば、娘はかほを
あげ、有りし事どもを、言葉をかざり、申け
れば、親は大きに、はらだち、真塩をうらみ、??
なれば、ひとしほ、たのみ、折として、物とらせ
などするも、娘が、業の上達せん、とてぞ、おもふ
故なるに、大勢の中にて、はじをあたへし
何事ぞやと、我娘の器用ならざるをいはず
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うちうらあむ。ふた親の心ぞ、愚痴なりける。
時二娘が髪、おのれとほぐれ、空に立のぼり
又は、うねり、蛇のごとくにぞ、見えける、妬のほど
ぞ、おそろしけれ、明れば、早々、真塩がかたへ
人をやり、娘が稽古を休ませけるぞ、うたて
かりける、かかるたぐひ、世にも多く侍るにこそ
扨、この勝女は、十五才の時、西の国の候にめされ
妾となり、年をかさね、ときめきければ、ふた親は
豊なる身になりける、されば、金銀には、人のなず
みやすく、おのずと、橘氏を町内にて、うやまひ
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ければ




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