--no.13635--2014年02月01日(土曜、時分、--

亀崎古文書。
---------------------------------
みゃんまーへ行った人有り。土産を頂く。
が、その旅行の目的等は聞いてない。
----------------------
さて、
荒波婆々の後半と、古城の前半。
----------------------------
荒波婆の話の感想を述べたい。
殺人を依頼する話。
殺すのは、一応犯罪者。50両持ち逃げだから・・
だが、この婆が50両を一人で手に入れる。
が、其の後は、詳しくない。一行
-----------同類の悪者と同じく、罪に行はれ----------
と、ある。
之を読むと、同犯と言う事だろう。で、死罪か・・そうでもないかも。
詐欺罪と思える。こんな場合、入牢ご放免かも、
最後の・・慎む可し・・だが、これは、駆け落ちの男に対してだろう・・
----------------------
次は・・古城・・
福島正則が関係・・この男、江戸時代は、家は断絶状態・・とすれば公に吊前を出せる。
加藤清正の様に江戸時代に残ればそうも具体的な吊前ははばかられる筈だが。

=====d20140130古文.mem=============
------------------------p052b----------------
   荒波婆々
--------------------p053a-------------------
-------------------p053b-----------------------------
世話は申さず、少しも左ようの心ずかひし給ふ
--------------------p054a-----------------------
べからず此婆も、若きさかりには、一度は、花実も
有りしものと、打わらひ、そこには、年若きゆへ
念の足らざる也、我には見せ給ふとも、かならず
人に金を見せ給ふな、其通りにては、覚つかなし
年の功に、任せ給へとて、金を脚絆の中へ
縫こみ、残りしを、足袋の甲へ、とけ込斯ては
神も御ぞんじ有まじ、女の事は、一処に、これ
よりつれだち給ひては、人目、いかがなり、我あとより
ともなひ品川にて、渡し申べし、人の往来な
きうちに、とく依るの 八ッばかりなるに、家を
-------------------------------p054b---------------------
落しけり、手代は厚く謝礼して、しからば品
川にて、まち申さんと、其まま出行たる、かくて荒
浪は、同類の処に行て、かくかくの者を品川へ
遣はしたり、金子も五十両はたしかに、所持
したり、急ぎ追かけて、とり給へ、かのもの少し
手におぼえあれば、だまし討にし給へ、分前
は、山なりと、云ひければ、かの悪者、心得たりと貪
欲の眼に闇を光らせ婆がおしへし道へ
追かけつく、ようよう、追つき、うしろより、しのび
より、一刀に切とおし、懐中を吟味したるに
-------------------------p055a-----------------
すべて、金子なし、ようよう、うちかえに、金一両
と小粒壱ッ、有りしを、取ていまいましき
老ぼれの、眼ちがひして、よしなきむだ骨
を、させたりとて、腹たちて、帰りけり、かねて
あとより、そろそろと、荒浪は、うかがひ来たり
帰りし、あとにて、脚半、足袋を、はずし
金をのこらず、とって、帰たり、おそろしき工み
なりけり、善事は世に隠れ、悪事は千里のも
ひびく、諺のごとく、つつむとすれど、此事、終に
あらわれ、同類の悪者と同じく、罪に行はれ
-------------------------p055b------------------------
けるとなり、手代も主人の眼をかすめし、天罪
にて、横死しける、可慎、々
    古城
福島左衛門大夫正則、領国をめし上られ
折から、磐国山の、麓の小城あり、吉村又市
といふ者、?りて居たり、しが、さのみ要害の
地にもあらざれば、破れしままにて、修理も
くはへず、年々に、荒はてたり、正則、開城の
後は、やぶれ次第にて、主なき古城となり、
-------------------------p056a------------------
-------------------------p056b------------------
-------------------------p057a------------------
草たかく、生ひて、人の通ひ絶えたり、されば
幽棲の地には、かならず妖怪の生ずるにや、その
あたりへ、いたる人、行て、帰らず、となり、茲に
年ふりし、郷士に、西条民弥といふもの有。
勇気、人にすぐれ、もっぱら、狩をこのみて
常のたのしみとす。民弥、友の語るを聞けば、
岩国山の古城に、妖怪住て、人をとると
聞、西条、もとより、このむ所と、馬に跨り
郎等、四、五人、めしつれ、かの古城にいたる、路
は、薄、高葭、生ひ、繁り、もことに、人倫たへし
-----------------------p057b----------------------
有さまなり、民弥は大手より、入、広間にいたり
見れば、いぶかしや、六尺あまりの、山伏、大鼾にて、
ふしたり、民弥あららかに、枕元を、ふんで
何ものなれば、此処に住て人をなやますや
心得ずと、呼はれば、山伏、むつくと起、大のまなこ
をいからし、大太刀を、ぬき、切て、かかる、民弥、はや
すいさんなり、と、同じくぬき合せ、切むすび、暫、
戦ひしが、山伏、終にかなわず、真ふたつに、成て、
倒れふすと見へしが、一円の陰火となつて
とび去りぬ、民弥、さも有なんと、なを、奥ふかく
-------------------p058a--------------------
----------end of page-------