--no.13728--2014年02月13日(金曜、時分、--

古文書亀崎、13日。
一日早いが、義理チョコ。
まさか、俺だけとは思えない板だ。
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着いたのが、遅め・・でも無いと思うが・・
次回用の資料が机に有った。
3部で、その事はまだ全く未処理また頁を変えたい。
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で、今回分。
瀧の原の神体
仇なる伽羅
の、2つ。
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瀧の原の神体・・だが、大木と間違えたが、それはウワバミだった。
という話・・でも、逆に実は大木が正解・・という方が面白そう。
江戸時代の暇つぶし話として、追求しないでおこう。
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伽羅の話。
蘭奢待は信長が切った・そして、要らんと言った。と記憶している。
茶道具と香道の信長の趣味の偏りが面白い話なんだが、
古文書は、単に嫉妬深い女の話らしい。
これも、江戸時代の脚色と考える。
次回には結末がでる。
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=====d20140213古文亀崎.mem=============
   瀧の原の神体
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くらし、其長さは、いつくまでやら、かぐりなし
茂太平、連にむかひ此木はまことに長さいか程
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あれるや、かかる木も、有れば、有るものかな、いで
手して、つもり、見んには《と、二人して、木の中と
思ふ、頃より、両方へ、一とひろ、二ひろと、かぞへ見
るに、一人は、十七尋、一人は十六尋とかぞへ、ける。
なれどもその先、いくひろ有やらん、しれがたき
といへば、みなみな、あきれて、少し、のぞきみ
あしく、足ばやに、立のき、道をいそぎ十町余も
行しに、夜も明、ほのかに聞ゆる、駅路の鈴、
家毎家毎に、烟たちければ、とある、茶店にも
あらぬ、民家の軒に、たたずみ、茶を乞ひ、扨
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今朝八ッの鐘を七ッぞと、聞たがへ、宿をで、、瀧の原
の御神へ、参詣致せしに、星かげに、さかし、
見れば、大木の伐たをしたる、体にて、あり、
その長さかぎりなし、あのごとくなる、木も有
ものにやと、くわしく、物語り、ければ、亭主、始終
を聞、大に、おそろき、扨扨、かたがたは、仕合なる
人かな、かの大木とおぼしきは、瀧の原大神
の神令なる、うわばみならん、夫を、見る人ハ
かならず、煩ふか、絶死いたすなり、折として、は
命をうしなふ者もありと、我々、当地に住めり
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夫ほどの、木の有るを知らぬ事なし、疑ひ
もなく、夫こそ、瀧の原のぬしなりと、語り
ければ、七人の者とも、肝を冷し、立出しとなり
   破几帳、巻之四終
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   破几帳、巻之五
  仇なる伽羅
大野修理之助晴長は、聞ゆる、色このみにて、婢妾
のかたちめでたきを、このむ、妻は郡主馬が娘にて
ならびなき、美婦なりといへども、いたって、妬
ふかく、常に酒の酌する、こしもと、茶の通ひ
の女まで、晴長が目を、とむると見れば、打たたき
して、さふさふ、憂目を見せ、又、晴長がまえに、
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に、恨みいかる、其、顔色のおそろしければ、修理も大
に、おそれ、妻のまへにては、女ばらに、艶(やさ)しきことばも
かけず、むつかしげなる顔にて、くらしける、そのころ
新参のこしもと、寄りとて、尼が崎の漁夫の娘
なりしが、大野が妻につかへて、心ばえ、やそ
しく容顔美麗にして、眼もとの情らしきに
なずみて、いつの程か晴長、数通の艷書をおくり
けれども、女は妻の妬みを、あそれ、あへて、返事を
だに、聞へさりしに、晴長、思ひに、にとへかね、たずねを
たのみ、さまざま、かきくどければ、女も岩木にあらざれば
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終ひに、梅の実のすきを見て、いろよく、返りて、
しければ、晴長、空へも上る心地して、かの女にまみ
えんろすれど、妻のまもり、きびしければ、むなしく
思ひこがれしが、ほどなく、其年も過、桃の花さく
やよひのころ、かの女、尼崎なる、親のもとへ
宿下りにまかりければ、晴長、よき折なりと、家
僕を召ぐし、鷹狩りに、出ると云ひ?し、尼崎
に、いたり、女に逢ふて、としころのつのる思ひ
を、語り、ふかく契りて、年頃の本意とげして
よろこび、あかぬ別れをかこちて、返りたる、扨、女は
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数々の土産を携帰り、明れば、早々、妻女の前に
出久々にて、父母に逢ぬるとその恩を謝したり
うつぶく妻女、つらつら、女が有さまを見て何げなく
きのふは、としころの恋、男とちぎりて、さぞ、うれし
からん、つつまず、申べしと顔色かわつて、見へしかば
女は、はっと、思へど、顔かたち、いやしきこの身、なんぞ
心をかくらんや、あるべき、あらぬ事ばし、のたまふ
な、と、云はくれば、妻女、さな、かくしそ、汝わがいとしと
思ふ、夫としつぽりと、あひぬるに、相違なし、遁れ
ぬ証拠を云ひ聞けん、わが殿の衣には、稀代の
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吊香をとめ給ふ、此香ハ、豊太閤の、信長より、給はりし
東大寺の蘭奢待なり、今下賤の汝が衣にその香
を、とめしは、まさしく、殿の肌をけがしたるもの也、速に、
申せ、包み隠すものならば、武士に云付、拷問させんが
いかに、いかに《と問かけられ、女も今は、かくすべきようなく、
晴長に、逢し事ども、潰に、云ひさして、只、泪にぞ、
と、語ゐたり、妻はさもありぬべし《と、うなずき、よく
つつまずに、申たり、その褒美を、得させん《と、前なる、
火鉢より、猛火のごとく焼たる、火箸を、とり出し、女
の咽にぐさと、貫きければ、あうと、玉ぎり、くるしげに
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