--no.13814--2014年02月28日(金曜、7時40分、--
27日は、亀崎古文書。
12時46分、雨の中、T字路。
コンビニに寄り、昼食。
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送別会の案内が、机の上に配られていた。
この日、ガイドの行事と重なる。
俺は、ガイドの方が二年ほど長い・・
が、どちらを主に考えるか・・ひょっとしてこちらか。
20年は凄い。俺はまだ、数年か。
20年やればあんなにできるかな。
それにしても、未だ若いはず・・では、相当若い時から始めた様だ。
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扨、本題。挿絵が有るが、これは、大蛇ではなく、次の一家の様だ。
大蛇では、家の中の話は無かった。
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大蛇もまだ数点気になる所があるが、一応終わる。
蛇骨というのがある、この場合、頭の骨で、秘宝なんだが、多くは、イルカか何か。
鯨は考えられない。が、酒の桶なら大きいはず、すると鯨だ。
馬之助は親がある・・つまり、寛平は親が居ない。独り者。
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一家の話は、これからだが、元禄の頃はまだ、戸隠へ物見遊山でもあるまいか。 次回で、怪談は終了の予定。
=====d20140227古文亀崎.mem=============

大蛇
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たるに、ちがひなし、おのおのは、早々、茲を去り給へ、とくとくと、
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いへば、馬之介は寛平が力を助け、とどまらんといふ、寛平、頭
を、ふり、足下(そこ)の義心は浅からず、といへども、二人にても、一人
にても、迚も、伏す事、覺束なし、かならず命を失ふ、
べし、貴所は、家に老たる親のあれば、死をとどまり
親につかえ給へ、あれあれ、浪の動々たるは、大蛇の出る
なるべしといふうちに、黒雲、かの、巌頭に起り、稲光すさ
まじく、月の二ッならびしごときは、眼のひかりにや、腥き
気をはきかけ、近より、来るにぞ、壮力の村男も寛平を
捨て、逃帰れば、馬之介は、止らんと、いへども、寛平頻りに
とどむれば、止む事を得ず、一群に立帰り十町余り過て
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跡をかへり見れば、雲中、頻にものおそろしき、ごとく
のもの空中にひらめき、大雨、しのをつき、いかずち、天地
を、うごかし、大樹、大石を、とばす、みなみな、か?ふして、家に
帰り、戸ざしをかため、一とかたまりに、なり、ちぢみゐたりしに
其夜の亥の刻ばかりに、やうやう、風やみ、雨はれて、物?
ややしずまりぬ、さてとも、誰有つて、立出て、見る?の
もなく、夜明るをまちしに、ほどなく、東もしらみけれ
ば、馬之介、しょうやを初め、百姓、大勢、かりもよふし、件の
巌をこころざし、行て、見れば、真黒なる、帯のごとくのもの
巌を巻て、死し居たり、頭は酒を醸す桶のごとし、胴は
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数百年経し大樹のごとし、忿怒の相はむかし物語の
鬼のごとし、咽に剣をつきつらぬかれ、血は、泉のごとく
流れわたりたり、扨、寛平はと、尋れば、茲に片足、かしこ
に、片腕、首は叢に、くひちぎられ、ながら、土を噛て、死
しぬ、その働の剛しと見へて、突たる?の杖は大
蛇の胴に打込、鱗を打やぶりぬと、見えたず、みなみな
魂をひやし、寛平が勇を賞す、是より、湖中の漁
舟、四方に通ひ、村民、心を安んじ、一国の愁をはらひ
まことに寝を安くせしも、ひとへに、寛平?功なり
喰ひちぎられし、からだを、あつめ、此ごとく塚に築
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末代に美吊を残しぬ、馬之介の子孫は、今ものこりて、
其家に蛇骨もかの太刀も持つたへしと語りければ
我も舌ふるひして、その沼はいずくぞと、問へば、則
見え、わたりし、水中なりと、聞、望て、見れば、今まで
水けふり立、水色藍のごときに、心おくれ、僧に
いとまをつぎて、帰りぬ、かの寺にて聞しまま、しるし
侍るにぞ。
    一ッ家
元禄のころ、津打政二と云、肌脱、あり、 一年、妻を
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具して、上方におもむくとて、木曽街道にかかり
信濃の善光寺に、詣て、序なれば、戸隠山へ詣んと
いふ、妻とばめて聞ば、是より、五里の道、殊に難所
なるよし、亦、かさねて、折もや、あらんと、止れば、政二
かしら?をふつて、いや、さにあらず、われ、としごろ、歯の痛、
つよく、こうせきも、もれて、見物に通し、かねしを、嘆き
戸隠山、九頭竜、大権現へ、いのり、梨の実、断物にせしに
応現、あらたに、歯の痛、夢のごとくに去りぬ。是に依て
御礼ながら、詣るなり、と、妻をともなひ、五里の道を
たどるに、山坂の難所、馬も駕も通わず、行くと、なやみなやみ
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路、はかどらず、ようよう、一つの野らに、出しに、雨そぼ
ふり来り、前後をわかちかね、日もはや、昏に及びければ
宿をもとめんと、野守が住家もなく、いかがせんと、
見ゆるに、はるかの山際に、烟のほのかに、立のぼれ
ば、是を力にたどり付、内のようすを見れば、年の頃
四十あまりの、むくつけなる、男、囲炉裏の前に草
鞋、打てゐたり、家のさま、いぎたなく、むさげなり、欣二
妻にむかひ、今宵は茲に明かすべし、よしや、野《なが
清水きよからぬとも、かかる処に、やどるも旅のならひ
なり、と、門口によりて、一夜を乞ふ。奥より、三十あまり
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女、立出、二人を見て、肝をけして、いかが、して、此処へ、来り給ふ
や、茲は、人の通はぬ所にして、道には、狼、蟒蛇多し
中々、人倫の来るべきようなし、いざまず、内へ入、つかれを
やすめ給へと、ねんごろに、云ひきれば、欣二は、戸隠山へ、
参詣のよし、并に、道に迷ひし事ども、物語りて、
一宿を乞ふ、女房は、庭の夫へ、しかじかのようすを、告、宿を、
かし申さんと、云へば、草鞋をうちいし男、ただ、うなずく
ばかり也、女房は二人に、むかひ、夫にうけ給いるしに
おとめ申せと、申せば、一夜を明させ給へと、いふに、力を得
足などを、あらひ、一間に、いたりぬ。女房は欣二にむかひ
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御覧のごとく、わが夫は、唖にて、人語をなさず、人の言
をも、聞分ねば、只、まねごとにて、通する、ばかり也と、云にぞ、
欣二ははじめより、只ならぬ、顔色と見うけしと、心に笑
その夜を明しぬ。夜もほどなく、明はんれしかど、野中
に霧、下り雲とじ、雨、そぼふり、いと物淋し、女房に
戸隠への、道を問へば、此処よりは、至つて、近し、去りながら
難所は今にての所より、なを、さらなりと、いふうち、唖の
亭主は欣二が妻に、ゆびさし、又、左右の手を高く上
て、山の形をして、又、手をふりぬ、女房、打ち笑、あわれ
戸隠山へは、女を上げ申さぬよし、されば、参詣はならぬ
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