--no.14023--2014年03月28日(金曜、時分、--

亀崎古文書。三河記。
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今回は歌が2つ出てきた。和歌だ。
この人、芭蕉の様な、俳句では無い。
思うに、武士は俳句より和歌の方が上品だと考えているかも。
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和歌はわからんが。。引っ掛けているのか俺。
余りうまいとも言えない。
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が、さすが武士。教養はあるようだ。
でも、町人娘を見下しているようにも思える。
又ハ、町人の逞しさを喜んでいる様にも思える。
売り鯛と買い鯛・・がどうも、同等にも見える。
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人物として、西行、宗祇、これは旅人。
歴史としては、鎌倉幕府の人物。
源氏の江戸幕府の人間が、比較すべきは此れなんだろう。
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孝謙天皇なんか、動して知っているのか。
それとも、此処に来ての新しい知識のような気がする。
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大久保加賀守は、関係無いと考える。
ただ、小田原城下を通るからだけだろう。
今後、静岡の府中辺りを通過する頃、何と言うかが楽しみでもある。
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=====d20140327古文書亀崎.mem===========
三河記
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   西行の心に題して
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   心なき身にも哀は虎御前
     過行、人の跡の弔ひ、
時移りたり、ちと小急きに、小磯の里、和田
義盛、千畳敷、茲(に)朝比奈が、切り通し、六道
能化の、地蔵尊、姥婆の子供も、とぐろめて
とんぼふ返りは、此あたり、鴻(国府)の新ん宿、梅沢
の、鮟鱇汁も、しらぬのも、一ッ杯吸て、千鳥足、
ふらり〃と、小ゆるぎの、浜は茲ぞと、押切村
ふり切り袂、袖しが浦、足もかろかろ、足柄道、本郎
祐信、屋敷跡、蘇我中村は、是より右、直にはわずか
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二十丁、廻れば三里、三ヶの荘、生所もしらず、宿もなき
彼の山姥が、秘ぞう子の、金時山のこつかと、伊豆の
大島、海上に、見ゆるは、佐川の、歩行渡り、冬は土橋を、掛
渡す、お登なれば、右方、お下りなれば、左りのほう、ういろう
虎屋、トウちん香、御存ないとは、申されまい、提灯塩から、
小田原宿、城主大久保、加賀守にて、十壱万三十石余、領
せらる、左りは、あたみ海通り、総門過て、地蔵尊、是が
うなにおふ、箱根山、深山おろしに、風祭の里、長奥
山、浄泰寺の山門は、三百余段の、石岩岐、石垣山は、
右の方、小田原陣は、太閤の、御陣所なりと、聞及、三枚
橋を打渡り、早くも茲に、早雲寺、北条五代の墓
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所あり、昔文亀二年の、秋の頃、宗祇法師の、此寺に、
はかなき吊のみ、残りけり、扨、めずらしき、紅葉の、
拾三間に、はびこりし、寺は小寺の、正眼ん寺、茲も
立場の茶々一つ、湯本の町の、挽ものみせ、見せては
買せにや、おつかさんも、商なひ上手、福住や、娘もよつ
ほど、よい細工、先へ伊豆やも、よい娘、むすめむすめと、
沢山な、中にはあばた、川端の、里を過れば、畑の茶
や、お駕籠も、茲に、橘や、お大吊にも、しられたる、あや
かりものの、茗荷やの、娘は梅花、しらしぼり、とろり
と付て、油屋の、是も吊取の、娘こまち、油こいのも、打
交り、さあさあ、お休なされませ、抑、此畑と、申は、箱根山
の、中腹にして、谷あいの、一と邑、茶屋が家居も、打数
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寄も、女子も綺麗に造り松、庭は自然の、山なれ
ば、杣を伝ふて、瀧水の、末は麓へ、遣水の、流れの身
より、人あいも、よし足引の、山道も、余程きたれば、
いざひと休み、いたそふかと、それお茶上げよ、おた
ばこ盆、鯛の煮つけと、小鯛のなんば煮、まずまず
酒一つ、あげまし鯛、御鯛つくなら、ちとお広に、おなり
鯛なら、お枕を、お目鯛とて、立さわぐ、やれ、鯛そふ
な、まあまあちつと、静にし鯛、そこでおままも、たま
わり鯛、酒ももうひとつ、もらはたい、あとで
勘定もきき鯛と、いへば、あいあい鯛てい、はやい事で
は、ござりませぬと、あいくるしいはも、世わたりや、御客も、
いふも、世をわたる、心一ッを、さまざまに、有為転変の
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世を感じて、かく侍りぬ。
     売鯛と、喰鯛心、隔れど、落れば
       同じ畑の下水
と、認め仕上、また下りにと、挨拶し、是より先は、
猶、坂道も、かわし、馬かごやめて、歩行べし、
さいかち樫の木、猿すべり、瀧子口とて、難所あり、
老がたいらの甘酒を、一ッ杯呑で、又ええつさ、汗汲
流す白水坂、是より、大坂下り坂、八町平ら、権現坂
此坂おりて、右の方、湯場へ行道、権現道、そもそも
箱根、権現は、彦ほほ出身の尊、孝謙天皇、天平宝
字の、御造立、箱根山、本福寺、金剛院と申なり、

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