2017・4


  2017年公示地価! 住宅地の下げ止まり鮮明に!

   全国平均(全用途)は2年連続プラス
    投資マネー郊外・地方へ!
   富動産か負動産? 格差時代の到来!

 

 2017年の公示地価は全国平均で2年連続のプラスになり、住宅地は9年ぶりの上昇に転じました。前回の上昇局面はリーマン・ショックを機に2年で終わりましたが、さて今回は?



【今年の公示地価は?】


住宅地0.022%の上昇!
 2017年の公示地価(1月1日時点)は、全国平均(全用途)が2年連続で上昇。住宅地は9年ぶりに上昇に転じ、プラス0.022%と小数点以下3位表示で下げ止まりをアピール。
 景気の緩やかな回復や低金利を背景に、先に上昇した商業地に続き、住宅地も底入れ基調が見えてきました。都心では価格高騰でマンション販売が鈍化し、住宅地の上げ幅は縮小傾向。

<変動率、地域別にみると>  単位%( )前年
住宅地 商業地 全用途
全    国 0.022 (▲0.2) 1.4 (0.9) 0.4 (0.1)
三大都市圏  0.5 (0.5)  3.3 (2.9)  1.1 (1.1)
東京圏  0.7 (0.6)  3.1 (2.7)  1.3 (1.1)
 名古屋圏  0.6 (0.8)  2.5 (2.7)  1.1 (1.3)
大阪圏  0.0 (0.1)  4.1 (3.3)  0.9 (0.8)
地方圏  ▲0.4 (▲0.7)  ▲0.1 (▲0.5)  ▲0.3 (▲0.7)
地方中核都市  2.8 (2.3)  6.9 (5.7)  3.9 (3.2)








現状の活用状況ではなく・・・
 

<公示地価=土地取引価格の指標>
◆国土交通省が毎年3月に公表する1月1日時点の全国の土地価格。
   (今年は2万6,000地点が対象)
◆評価対象の土地の効用が最高度に発揮できる建物を想定した上で評価する。






ここ数年の地価動向は?
 

<地価は本当に底入れしたのか?>
09年 08年秋リーマンショック直撃、すべての都道府県別変動率がマイナスに。
10年 総下落、上昇地点は最少の7地点のみ
11年 東日本大震災(評価は震災前) 住宅地・商業地ともに下落幅縮小。
上昇地点193地点に増加
12年 全体では下落幅が縮小。上昇地点は546地点に増加。
一方、被災地は震災の影響大。
13年 下落幅3年連続で縮小。上昇地点は2008地点に増加。
住宅地、愛知と宮城で上昇!
14年 下落幅4年連続で縮小。
3大都市圏は6年ぶりにプラス転換、過半数の地点で上昇!
15年 下落幅5年連続で縮小。
商業地7年ぶりに下げ止まり!地方中核都市が一段の伸び!
16年 全国平均(全用途)で8年ぶり上昇。
緩和マネー浸透で、大都市・商業地に伸び!
低金利が下支えで下げ止まり!    
17年 全国平均(全用途)2年連続のプラス。
商業地に続き、住宅地が9年ぶり上昇に。





「札仙広福」で商業地アップ
 人口100万人超の政令市で札幌、仙台、広島、福岡の4市は上昇率が3.9%アップと、前年の3.2%を上回っています。地方の中核都市に人口が集中する傾向に加え、訪日外国人の増加を見込んだ商業施設の開発が上昇要因に。







商業地上昇率トップ5は大阪!
 大阪市の商業地の上昇率は5.0%と2年連続で全国トップ。地点別では昨年に続き、道頓堀や心斎橋など大阪市中心部の中央区の地点が上位を占める中、北区の地点もトップ5入りし、いずれも30%超の大幅アップに。






バブル期抜き、史上最高更新!
 公示地価の全国トップは11年連続で東京・銀座4丁目「山野楽器銀座店」の1uあたり5,050万円(1坪あたり1億6,694万円)で前年比25.9%の上昇。バブル期を抜いて公示地価の史上最高額を更新しています。







全国平均、4割地点でまだ下落?
 全国(全用途)平均は0.4%プラスで2年連続の上昇ですが、上昇地点の割合は37.2%にとどまり、41.4%の地点が依然として下落。地価回復の勢いはまだ弱く緩やかなようです。

<上昇・横ばい・下落地点数の推移>
  全 用 途 
上 昇 横ばい 下 落
全 国 2017年 9,314
(37.2%)
5,357
(21.4%)
10,352
(41.4%)
2016年  8,100
(35.0%)
 4,560
(19.8%)
 10,425
(45.2%)
東京圏 2017年  3,964
(59.6%)
 1,409
(21.2%)
 1,274
(19.2%)
2016年  3,387
(58.1%)
 1,317
(22.6%)
 1,128
(19.3%)
大阪圏 2017年  1,234
(37.3%)
 1,070
(32.3%)
 1,004
(30.4%)
2016年  1,130
(38.4%)
 920
(31.2%)
 896
(30.4%)
名古屋圏 2017年  1,014
(55.3%)
 509
(27.8%)
 310
(16.9%)
2016年  915
(56.6%)
 409
(25.3%)
 294
(18.1%)
地方圏 2017年  3,102
(23.4%)
 2,369
(17.9%)
 7,764
(58.7%)
2016年  2,668
(21.0%)
 1,914
(15.1%)
 8,107
(63.9%)










【公示地価の個別事情】


 都道府県別平均では?
 住宅地で埼玉県、広島県が新たに上昇となった一方、神奈川県が前年の上昇から横ばいに。商業地での上昇は、前年と同じ顔ぶれでした。

<住宅地の上昇>
 宮城、福島、埼玉、千葉、東京、愛知、広島、福岡、沖縄の9都県
<商業地の上昇>
 北海道、宮城、福島、埼玉、千葉、東京、神奈川、石川、愛知、滋賀、京都、大阪、兵庫、広島、福岡、沖縄の16都道府県






 各圏域ごとに見てみると?
 

<東京圏> 都内23区すべてで上昇!
 商業地、住宅地ともに4年連続で前年超え、上昇地点は商業地で8割超、住宅地で5割超、商業地、住宅地ともに都内23区すべてが上昇。中央区の商業地は9.8%と大幅にアップ。千代田、中央、港の3区で住宅地が5%以上の伸び率に。 
<大阪圏> 商業地首位で、住宅地横ばい
 商業地は4.1%で4年連続の上昇。大阪府は都道府県別の上昇率で2年連続首位。訪日外国人客の急増による市内中心部のホテル出店増が上昇要因。道頓堀1丁目フグ料理店の上昇率は41.3%で全国トップ。一方、住宅地は京都の0.8%、大阪0.5%、神戸0.2%と横ばい状態に。
<名古屋圏> 商業地・住宅地ともに上昇縮小
 商業地は上昇の牽引役だった名古屋駅東側の高層ビル建設が一服したが、2027年のリニア中央新幹線の開業で駅西側の再開発が見込まれ、上昇要因は当面続く。住宅地は戸建て志向の強い名古屋ではここ数年の上昇で、中間層が購入できる価格の上限に近づいているようです。
<地方圏> 全体は下落縮小。地方4市は上昇
 商業地は▲0.1%で25年連続ダウンでも、下落率は縮小しゼロに近づき、上昇地点は全体の4分の1に。地方中核4市は9割地点でアップし、上昇率は三大都市圏より高い。住宅地は▲0.4%で、同じく25年連続の下落。上昇地点は2割強に。







 工業地も9年ぶりにプラスに!
 大型物流施設の立地が相次ぎ、地価を押し上げており、工業地も9年ぶりに上昇に転じました。首都圏でまとまった用地は少なく、物流施設に特化した不動産投資信託(REIT)や外資系ファンドの取引意欲は強いようです。

<圏央道周辺は今年も大型施設が>
 工業地の上昇率トップは埼玉県入間市の工業団地で10.3%。首都圏中央連絡自動車道(圏央道)入間インターチェンジに近接するので、物流用地の需要が強い。大和ハウス工業が1月、約1ヘクタールの土地で物流施設の建設に着工。圏央道周辺では、今年も10万坪超の物流施設の供給が予定されている。








 投資マネー郊外・地方へ波及!
 地方の中核都市では交通インフラ整備や再開発で利便性が高まり、地価が上昇。低金利もあり、三大都市圏より割安で比較的高い利回りを確保できるとして、投資マネーは地方へ波及。





 上昇地点の個別事情!
 

要    因 所 在 地 地価と上昇率
交通インフラの整備・再開発事業等の進展
札幌市内の市電が延伸で回遊性向上 札幌市中央区大通駅
(商業地)
3,350,000円/u
15.5%
北陸新幹線開業と金沢駅周辺整備 石川県金沢市金沢駅
(商業地)
 
540,000円/u
20.0%
 
名古屋駅周辺の大規模事業等の進展 名古屋市中村区
(商業地)
 
2,000,000円/u
29.0%
 
博多駅周辺の再開発地下鉄延伸の期待 福岡市博多区博多駅
(商業地)
2,170,000円/u
26.2%
 
高度商業地等での店舗需要の高まり
銀座地区の繁華性・収益性がアップ 東京都中央区銀座
(商業地)
 
24,900,000円/u
29.0%
 
道頓堀地区の旺盛な店舗・ホテル需要 大阪市中央区なんば駅
(商業地)
4,000,000円/u
41.3%
 
中心商業地における大型店舗の集積 広島市中区
(商業地)
 
2,620,000円/u
12.0%
 
大規模物流施設の立地需要の高まり
圏央道整備の進展と物流施設需要 埼玉県入間市
(工業地)
 
84,400円/u
10.3%
 
東京外環自動車道整備と物流施設需要 千葉県船橋市
(工業地)
 
76,500円/u
8.5%
 
観光・リゾート需要の高まり
リゾート地域の別荘地需要の増加 長野県軽井沢町
(住宅地)
 
13,500円/u
3.8%
 
観光地近隣の四条通りの新規出店需要 京都市東山区祇園四条
(商業地)
 
1,550,000円/u
29.2%
国内外観光客の増加で新規出店需要 沖縄県那覇市若狭停
(商業地)
 
226,000円/u
9.7%
 


















【今後の地価動向は?】


 二極分化が鮮明に!
 20%を超える上昇を示す地点も多いことから「バブル」を指摘する声もありますが、全国の大半の地点が上昇していた「バブル景気」の頃とは違い、地価の二極分化が進行しています。








2年目に突入した地価上昇?
 都心部の地価高騰が過熱状態ではないかとの懸念もありますが、全国平均でようやく上昇の兆しが見えてきた現状の地価と、バブル期ではかなり様相が異なっています。

<かつてのバブルとどう違う?>
  バブル期
1988年
ミニバブル
2008年
2017年
全国の地価上昇率 21.7% 1.7% 0.4%
上昇地点数の割合 85% 47% 37%
商業地の最高価格 3,850万円 3,900万円 5,050万円
住宅地の平均価格 136万円 58万円 55万円






 バブル期の東京圏65.3%!
 1988年の公示地価は全国平均(全用途)が前年比21.7%上昇で、東京圏は何と65.3%のアップ。当時は転売を目的とした投機が全国に広がり、地価も全体的に上昇。一方、今年は4割地点が下落で、近接する地域でも利便性によって、上昇と下落が混在しています。







不動産神話から実質需要へ!
 1980年代のバブルや2007〜8年のミニバブルを牽引したのは投資・投機マネーでしたが、今回はREITなどの投資対象になりにくい場所でも、実需を背景に地価が上昇しているのが特徴。半面、「地価は下がらない」という不動産神話のもと都心から地方まで高騰したバブル期の勢いはありません。




 再開発が地価押し上げ!
 新たな交通機関の整備や、再開発が行われている地域の高い伸びが全体を押し上げているのが今の上昇局面です。

<仙台市の新駅周辺、住宅地上昇トップ>
 住宅地の上昇率で全国1位は仙台市若林区白萩町で12.3%上昇。2015年に市営地下鉄東西線が開業し、新駅近くに新築住宅が急増。若林区で住宅地上昇率2位から4位までを占める。




 富動産と負動産の格差時代!
 東京23区の住宅地の平均価格は1uあたり55万円で、バブル期の4割ほど。今後の人口減少もあり、地価上昇が全国各地に波及するとは考えられません。「不動産も資産になる『富動産』とマイナス資産になる『負動産』に選別が進む格差時代の到来」との専門家の声も。

<高級住宅街も高齢化で下落率1位>
 住宅地の下落率1位は千葉県柏市大室地区の▲8.5%。1980年代に分譲した典型的な郊外のニュータウンだが、住民が高齢化、さらに最寄り駅から車で10分かかり、つくばエクスプレス沿線のマンションに需要が流れ、売り物件が増加。






 地価の調整局面は間近?
 「この先、地価は若干調整する可能性がある」との分析も。マンションの販売不振による住宅地価格への影響や、商業地ではオフィスビル価格などの大幅上昇で収益率が低下し、投資意欲が後退する可能性を指摘。

<不動産融資に変調の兆し?>
 不動産業界向け融資は昨年、前年比15%増で過去最高の12兆円。しかし、今年に入り、不動産ファンド運用会社の2割が銀行の新規融資姿勢が「やや悪化」と回答。









     




       
職場の安全管理と従業員の健康管理体制のチェックポイント
 労災防止対策や従業員の健康管理は従業員自身を守るためですが、同時に健康被害やうつによる離職を防止し、職場環境を改善して企業を良くすることにもつながります。


労災リスク、把握できてますか?
 企業には労働災害から従業員を守る“安全配慮義務”があります。このためには、職場の潜在的な危険性や有害性を見つけ出し、対策する“リスクアセスメント”が有効です。厚生労働省の「労働安全衛生調査」によれば、2015年中にリスクアセスメントを実施した事業所は47.5%でした。
 一方で実施していない事業所は、その理由を、危険な機械や有害物質がない(60.9%)、知識を持った人材がいない(22.3%)、労災が発生していない(18.5%)としています。

<実施したリスクアセスメントの事例>
機械の危険性 59.6%
交通事故 55.8%
熱中症の危険性  49.2%
腰痛の恐れのある作業 39.2%
高所からの転落  37.1%
化学物質の危険性や有害性  27.5%


安全衛生教育&予防対策
安全衛生教育で従業員の理解を!
 職場のリスクを従業員に理解させて労災防止につなげる“安全衛生教育”を実施した事業所は、全体の約8割。内容は、作業に使う機械の事故防止教育、化学物質の有害性に関する教育、腰痛予防対策、事故時の応急措置、交通事故防止教育など。
腰痛の防止対策
 医療・福祉、運輸業、鉱業、採石業などは腰痛になるリスクが高い業種で、離職理由になるケースもあり対策は重要です。重量物取扱業務の自動化や介護機器の導入、腰部保護ベルトの使用、腰痛体操やストレッチの実施、取り扱い重量の制限などの予防策が実施されています。
★タバコの受動喫煙防止対策
 タバコの煙対策も安全衛生管理の一環。建物全体が禁煙や敷地内禁煙、喫煙室を設けるなど、全体の9割が受煙防止対策に取り組んでいます。積極的に取り組まなくてもビル全体で制限があるなどのケースも多いのでは?
特殊健康診断の実施
 鉛、有機溶剤、石綿、粉塵などを取り扱う有害業務がある場合、業務ごとに定期的に特殊健康診断を実施することが必要です。



過労死につながる長時間労働の防止!
 現行36協定を結べば残業時間は青天井ですが、改正法案が提出され、2019年4月からスタートする見込みです。以後は法的強制力があり、違反企業には罰則も科されるため、残業時間オーバーの法人は、勤務体制の見直しを始めておきたいところです。
原則、月45時間(年360時間)
 ただし、繁忙期は1ヵ月の上限を100時間未満
 過労死ラインである月100時間残業を容認するのはおかしいと批判の声もある一方、現状に比べれば一歩前進という見方もあるようです。
人手不足の運送業と建設業は5年間猶予
 5年後、運送業は月80時間(年960時間)、建設業は月60時間(年720時間)までとする。


 
<脳・心臓疾患に関連が高いとされる残業時間の目安>
★発症前1ヵ月45時間超の残業
 (発症前1〜6ヵ月平均で月45時間超の残業)
★発症前1ヵ月間に100時間超の残業
★発症前2〜6ヵ月平均で月80時間超の残業
 他に発症前1週間以内の継続した長時間労働 等



メンタルヘルス対策も忘れずに!
2人に1人が“強い”ストレスを感じている。
 仕事で強いストレスを感じている従業員の割合は55.7%。具体的には、仕事の質・量(57.5%)、対人関係/セクハラ、パワハラを含む(36.4%)、仕事の失敗、責任の発生等(33.2%)、役割・地位の変化等(23.9%)。
メンタルヘルス不調が多い業種は?
 うつなどのメンタルヘルス不調でひと月以上の休職、退職が多い業種は、“情報通信業”、“宿泊業、飲食サービス業”、“医療、福祉”の順。
ストレスチェックで現状把握と早期の防止
 2015年12月から、ストレスチェックの実施が企業に義務付けられています。ストレスチェックでは、◇従業員本人が自分のストレス状態を把握でき、自ら面接を受ける等で早期対処ができる、◇職場の問題把握と改善のきっかけ、◇うつによる離職防止、などが期待できます。
 現在従業員50人未満企業は努力義務ですが、一人でも不調者が出れば、本人への対応や人手不足など職場の混乱は避けられませんので、試験的に実施してみる余地もあるかもしれません。
 チェック実施、報告書作成、データ保管などがパッケージになった外注サービスがいろいろ登場しているようで、気になる費用は1人当たり数百円から。