解説 名鉄パノラマカー
-1961年7月号「鉄道ピクトリアル」の新車情報より-

「鉄道ピクトリアル」記事 私見・現状 解説
9.旋回式前照灯

 灯体そのものが斜に回転することにより、地上からは光の強弱(明減)となって見え、注意を喚起することができ、急カーブでも有効である。
 特に踏切の多い所や危険な場合使用し、行違い直後の危険に備え減光中でも旋回スィッチを入れると自動復帰する。
 上部2灯が固定のため電車運転士の目が疲れることはない。
 後部は電動式により自動的に赤色になり、危険な時は旋回もできる。

10.トランジスター・ホーン

 トランジスターを用いた電子音楽を増幅して、電気ホーンにより勇壮なメロディーを流し、駅接近や踏切通か時に電車に注目を集めるものである。
 全電子式のためSE車のチープ式に比し探守に手数を要しない。

11.結び

「レールファンの電車」として人気のあるバノラマ・カーについて、その概要をご紹介し、内容的に一般の水準を抜いた近代的技術を結集した車であることをお伝えした。
しかしまだまだなすべきことは多いので、皆様のご指導、こ支援によりさらに新しい構想を開発し、御期待に沿いたいと念願している。
 最後にこの画期的なパノラマ・カーは、皆様方多くの人々の御後援に対し、誌上失礼ながら厚く御礼申し上げる次第である。
(名古屋鉄道車両部計画主任)


(旋回式前照灯とオイル・ダンパー)

 前照灯から赤い後尾灯に切り替わる光景は、終着駅などでよく見かける。また、「減灯」も夜、駅ですれ違う際見かけるが、「灯体そのものが斜に回転することにより、地上からは光の強弱(明減)となって見え、注意を喚起することができる」仕掛けがあることは知らなかったし、実際見たことがないですね。
 「赤色旋回」も出来るんですね。今は信号設備が進歩したため、後続車が追突なんてことはまずあり得ませんので、今となっては必要ないかも。

「電気ホーンにより勇壮なメロディーを流し」このことは、説明不要ですね。

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