●「高速」が走っていた頃

 名鉄には10年前まで「高速」という種別が存在しました。
 今の表現ですと全車一般席の特急や快速急行に近いものでした。

 昭和52年
(1977)のダイヤ改正で登場し、平成2年(1990)のダイヤ改正で消滅した種別です。

 昭和52年以前の名鉄では座席指定特急と一般特急が存在していましたが、座席指定特急を「特急」に、一般特急を「高速」に分別しました。
 最初は名古屋本線をはじめ常滑、犬山、広見、各務原線で運用されていましたが最終的には名古屋本線だけとなりました。
 名古屋本線の「高速」は
SR車で運用されていましたが他の線区の「高速」はAL車などの旧型車の運用が多く釣り掛けモーターの音を唸らせながら、まさしく高速で飛ばしていました。

 当時
(1979)の「高速」標準停車駅は以下のとおりです。

【名古屋本線】・・・新岐阜 新一宮 国府宮 新名古屋 金山橋 神宮前 知立 東岡崎 豊橋 (一部停車駅として鳴海 新安城)

【犬山線】・・・岩倉 古知野(現江南) 犬山 犬山遊園 新鵜沼

【各務原線】・・・名電各務原 三柿野 各務原飛行場 新那加 新岐阜

【広見線】・・・西可児 可児川 日本ライン今渡 新広見(現新可児) 伏見口(現明智) 御嵩 

【常滑線】・・・太田川 尾張横須賀 大野町 常滑

 名古屋本線以外の「高速」はその後のダイヤ改正で急行へ降格されてゆきました。
 「高速」の由来は
1983年の「名鉄時刻表」によれば「高速急行」の略称だそうです。

 私は河和線沿線に住んでいたため、「高速」に乗る機会といえば常滑線の「高速」が大半でした。特に夏場は非冷房の
AL車を敬遠して太田川〜金山橋間でも当時200円の「特急座席指定券」を購入してパノラマカーや7700系に乗ったものです。

(文・写真:ND502氏)


(7500系(右側) 1986年 金山橋)


(5500系 1977年8月 神宮前)


(5500系 1977年8月 犬山橋)


(3550系 1977年8月 新広見(現:新可児))

 

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