おやじの輪でつなごう

 リレーメッセージ (No'10)  

第10走者 おやじの会 井上恒星

「子供らを被害者に 加害者にもせずに

  この街で暮らすために まず何をすべきだろう。」

(Mr.children 11th album「シフクノオト」「タガタメ」より)

 非行少年の更生施設で仕事をしています。そして、そこで出会う少年たちの姿を目の当たりにする度、「何でこんなことになるまで、周りの大人達は、手を差し伸べてやれなかったのか?」と、時折、悲しい思いに苛まれます。

 施設に入ってくる時は、髪の毛を金色や赤色に染め、精一杯いきがっている彼らも、各々が肩に背負った「苦しみ」や「悲しみ」を、自らで脱ぎ去っていくと、そこには、驚くほど素直な少年の顔が現れてきます。

 けれど被害者の側からすれば、そんな彼らの取った行動は、許しがたい行為そのものであることは、揺るぎない事実です。しかし、ある意味では、そこにいる彼らもまた、身勝手な、身近な大人たちの「被害者」であることには違いないのです。

 親が、自分の子供を育てる時、そのモデルになっているものは、その多くが自分の親の姿であろう。自分が、子供の頃に、どのように親が接してくれたか、どのように愛してくれたかが・・・。先日までブレイクした、TVドラマ「僕と彼女と彼女の生きる道」で演じた子供の愛し方をしらない父親像、テレビCM「自分の子供なのに愛し方がわからない。まず、子供を抱きしめてあげて下さい。」(公共広告機構)の母親像のように。

 こんな時代だからこそ、私たちは、子育ての悩みや情報を共有し、たくさんの大人達の目を借りて、将来のある子供達を育てていかなくてはならないのではないでしょうか。

 「子供らを被害者に 加害者にもせずに この街で暮らすために できることから行動していければ。」私の中の「おやじの会」は、そんな会でありたいと考えています。

 次回は、第11走者 横須賀中学校区「おやじの会」会員の蟹江さんにバトンをお渡します。