私の本棚
 
「佐原 真の仕事」全6巻のシリーズの最終卷である下記の
本が私の本棚に揃いました。6卷とも本棚に並んでいるの
でなく、私の傍の畳の上に乱暴に積みされております。
内容を読んだというより、まだ斜めに見たといったほうが良
いかと思います。これから徐々な消化していきたいと思って
おります

考古学と現代」 
著者 佐原 真
編者 金関 恕 春成秀爾 
発行所 岩波書店 
6巻とも、いずれも佐原氏の卓越した外国文献、関連諸学への広い
視野に基づかれた内容で、わかりやすい言葉と明快な文章で構成
されております。
この「考古学と現代」の後半部分である「考古学を楽しくしよう」の項は、
是非遺跡関係者が読んでいただきたいと思いますし、また具体的な
提言については実行していただきたいと思います。
数多くのキーワードが出てきます。
「市民の言葉で考古学」、「市民100人の中の99人に理解してもら
える考古学を」「今と結びつける解説・展示」等々、どうしたら考古学を
より楽しんでもらえるかを具体的に語っておられます。
私も遺跡に付随した遺跡博物館を見ました。ほとんどのところが、立派
な土器をデーンと飾っております。何々型式でまた時代は何時頃の等
の説明がついておりますが、多くの方は一瞥するだけで素通りではと
思います。
美術館ではないはず。発掘担当者の自慢話が展示されているみたい
です。
土器は、当時の生活用品では。これらをどう利用して彼らが生活をして
いたのか等の解説があれば、もっと皆さんが関心を持たれるはずです。
この本に書かれております提言は、私のガイドにも参考になります。
当初、ガイドを始めて頃は、難しい言葉を使っておりました。
「土坑墓」、「掘立柱建物」等、遺跡が初めての方は多分理解できな
かったと思います。
今は、「土坑墓」は、地面に穴を掘ったお墓、「掘立柱建物」は高床式
建物として紹介しております。
ただ、「来られた方100人中99人に理解してもらえるガイド」は、とても
出来そうにありません。

 
   
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