泌尿器科情報局 N Pro

下部尿路機能障害と下部尿路症状

機能、疾患、障害、症状

尿をためたり出したりする働きを総じて下部尿路機能(LUTF:lower urinary tract function)と呼びます。病気=疾患によって、この機能が低下しうまく機能しなくなることを下部尿路機能障害(LUTD:lower urinary tract dysfunction)と言います。そして下部尿路機能障害のために患者さんが具合が悪いと感じる症状の事を下部尿路症状(LUTS:lower urinary tract symptom)と言います。下部尿路機能を排尿機能と言い換えたり、下部尿路機能障害の事を排尿障害と言ったりすることがありますが、排尿という言い方だけだと尿をためる意味を含んでいるのか含んでいないのかがわかりにくいため、このサイトでは極力、排尿機能や排尿障害という用語は使用しないようにします。とはいえこのページ左のメニューにも”排尿障害の理解”という表現があるように、排尿障害という表現は下部尿路機能障害の意味だけではなく、排尿に関係する問題全般という広い意味で非常によく使用されています。

下部尿路機能と下部尿路機能障害

尿をためる事を蓄尿と呼び、尿を出す事を排尿と言います。そして、尿をためる機能を蓄尿機能、尿を出す機能を尿排出機能と呼びます。尿排出機能の代わりに排尿機能という用語を使用する場合がありますが、排尿機能という言葉は蓄尿機能の意味を含んで使われることがあるため、このホームページでは尿排出機能と言う用語を使用します。そして尿をためる事に問題がある事を蓄尿障害、尿を出す事に問題がある事を尿排出障害と呼びます。尿排出障害の代わりに排尿障害という用語を使用することがありますが、同様にこのサイトでは極力、排尿障害という用語は使用しないこととします。

下部尿路症状

排尿に関係する症状を下部尿路症状と言いますが、この下部尿路症状は蓄尿症状、排尿症状(尿排出症状)、排尿後症状の3つに分類されます。

蓄尿症状

蓄尿機能が低下したために発生する症状であり、頻尿や尿失禁などが代表的な症状です。ただし、尿排出機能の障害によっても蓄尿障害が出現する場合があり、症状だけから障害を特定することはできません。

排尿症状

尿排出機能が低下したために発生する症状です。力まないと排尿できない、排尿に時間がかかるなどの症状があります。ただし、蓄尿障害のために排尿がしにくい場合などもあるため、症状だけから障害を特定することはできません。

排尿後症状

排尿後の症状をいい、残尿感や排尿後尿滴下などがあげられます。残尿感の病的な意味はほとんど解明されていません。排尿後尿滴下は尿道に残った尿が排尿後に流れ出るものであり、軽度のものを含めるとかなり多くの方が経験します。