泌尿器科情報局 N

尿潜血(尿検査で血が混ざっている)とは

健康診断や人間ドックの尿検査で異常を指摘されることがあります。検診で指摘される尿検査の異常は尿たんぱくと尿潜血が代表的です。尿潜血とは目で見ては分からない程度の血液が尿に混ざっている状態を言います。一方、目で見て尿が赤くなっていることが分かる場合は肉眼的血尿と言います。つまり血尿は尿潜血と肉眼的血尿に区別されます。肉眼的血尿は目で分かるほど出血が多いので何かの病気が見つかる可能性がとても高いので早めに受診が必要です。一方、尿潜血では病気が隠れていることもありますが、必ずしも病気ではないのに検査で異常となっているだけのこともあります。

尿潜血の頻度

検診によって多少差がありますが、尿潜血で異常を指摘される人は少なくありません。男性よりも女性の方が異常を指摘されやすいと言えます。

図1 血尿陽性者の頻度(年齢層別) 出典:血尿診断ガイドライン2013

尿潜血でみつかる病気

尿に血が混じる原因は、尿を作っている腎臓の病気や尿の通り道の尿管や膀胱の病気、他に尿の出口に近い産婦人科の病気などがあります。尿潜血で異常となる家系や、年齢によって尿の出口の近くの粘膜が弱くなって血が混じる場合など、心配の無い場合もよくあります。しかし頻度は少ないですが、腎不全の危険がある腎臓病や、癌が原因となっている場合もありますので、尿潜血を指摘された場合は、一度検査を受けておいた方が安心です。

尿潜血で行う検査

心配の程度に応じて検査を選びます。たばこを吸っていたことがある人、40歳以上の男性、出血が多い場合、尿の調子が悪い場合、などでは癌の危険性が少し高くなるので、膀胱カメラをおすすめします。膀胱カメラは多少の痛みがある検査です。危険性がそれほど高くない場合には、エコー検査(超音波検査)、詳しい尿検査など、まずは痛くない検査を行います。また腎臓病の検査として血液検査をおすすめすることがあります。これらの検査で異常がある場合には、さらにくわしい検査をおすすめします。

検査で異常が無かった場合

今回受けた検査で異常が無かった場合、現在は病気が無い可能性が高いと言えます。ですが、病気がとても小さくて見つけられなかっただけの場合もありますし、将来病気ができないとまでは言えませんので、その後も検査を受けることをおすすめします。病気の危険性の高さに応じて、毎月から1年ごとまで検査をおすすめする間隔が違います。もし目で見て尿が赤くなったときは肉眼的血尿ですので早めに受診をしてください。