懐かしい文殊山へ、友と登る
2013年9月27日(快晴)
(福井県)文殊山  標高365m
越前五山の一つとして知られている文殊山は、養老元年に泰澄大師が開山して以来、信仰の山として親しまれている。山上には三つの峯があり、北から室堂(小文殊)、大文殊(本道)、奥の院(大汝)と呼ばれている。市街地が近いことや、さまざまな登山コースがあるので大人から子どもまでが楽しめるハイキングコースとして親しまれている。春のカタクリから始まり椿、こぶし、桜、つつじ、秋の紅葉まで四季を通じて飽きることのなく小鳥たちの種類も豊富だ。現在、大文殊の本堂には文殊支利菩薩を、奥の院堂(通称、大汝)には正観世音菩薩を、室堂(通称、小文殊)には阿弥陀如来像(三尊とも泰澄大師の自作であると伝えられる。)が安置されている。文殊山は角原からの眺めが富士山に似ているところから別名「角原富士」とも呼ばれ、西行法師が当地を行脚した時に越に来て富士とやいはん角原の文殊が岳の雪のあけぼのと詠んだ。文殊祭は毎年4月25日。
文殊山の思い出
高校卒業まで文殊山の麓の村で、毎日山を眺めながら過ごした懐かしい故郷。小学生のころから毎年4月25日に開催される文殊祭が楽しみで、何回か登った思い出がある。山頂には小さな屋台も出ていたように思う。高校時代にはあまり登った記憶がないが、祖父母や叔父に連れられて、蕨取り、松茸取り、栗拾い、あけび取りなどに出かけた。今も取れるのだろうか?
中学時代は片道約4Kmの道のりを歩いて通学した。下校時、文殊山を眺めて、あそこの麓まで歩かなくてはならないのだと憂鬱になることもあったが、そのおかげで足腰がずいぶん鍛えられたようにも思う。
今回、約60年ぶりに高校時代の友人と山頂を訪問する機会を得た。絶好の天気に恵まれ、当時の登山ルートとは違うルート(私が昔登ったルートは廃道になっていた)を友人のガイドで、楽しい山登りになった。二人で山頂から絶景の福井平野を眺め、友人が準備してくれた昼食を食べながらの楽しい会話は、思い出の1頁に追加された。
腰痛を心配しながらの山登りだったが、11時過ぎに登山開始して15時過ぎに無事下山、心地よい疲れが残った。
登リ口案内
コース 時間 コースの特徴
角原コース 〔約40分〕 大文殊に直行する最短コース。
二上コース 〔約50分〕 福井市街地に近いこともあり人気コース。
大村コース 〔約1時間〕 急な坂道がなく誰でも登れる楽々コース。今回の下山ルート
大正寺コース 〔約50分〕 文殊山南側からは一番の人気コース。今回の登山ルート
南井コース 〔約40分〕 奥の院への最短だが最初は急峻。
四方谷コース   〔約1時間30分〕    急なのぼりの後は尾根伝いに奥の院へ直行。
2台の車でまず大村コース登山口駐車場へ。1台をここに駐車し、もう1台の車で大正寺コース登山口駐車場へ。ここから登山開始。「文殊山を彩る花たち」や「遊歩道案内図」の説明版が整備されている。
杉木立の中をしばらく歩く
各ルート合流点には標識が整備されている
鉄塔が立つ尾根に出る。福井と鯖江方面が少し望める。
木漏れ日の中を歩く、風が抜け心地よい
小文殊に到着。ここは僅かに記憶に残っている。文殊山祭りにはここに屋台が開かれていたように思う。
室堂前に樹齢数百年の大きな杉が一本そそり立っている。その昔、この杉の木の上に天狗が住みついていたと言われ、「天狗杉」と呼ばれている。ここから大文殊まで往復する。
大文殊に向かう。途中、角原コースの合流点がある。
「第3カタクリ群生地」と「紅葉絶景地」の看板がある。
カタクリの花は4月、紅葉は11月頃が見頃らしい。
所々に木の名称や「文殊山城跡・堀切」の案内板がある。ここも紅葉絶景地らしい。
大文殊に到着。石仏群が出迎えてくれる。本堂の屋根は台風で破損したのかブルーシートで覆われていた。
絶景の福井平野を眺望、弁当を食べながら会話が弾む。心地よい風が吹き抜け、至福のひととき。
平成24年11月14日「落雷炎上の杉」 雷の威力を思い知る。
少しだけ別ルートで下山
途中展望台から福井方面と鯖江方面を展望する。ここでコーヒを飲みながら小休憩する。
上段:福井方面 下段:鯖江方面
小文殊に戻り、ここから大村コースを下山する。
七曲り坂を抜け、二上コースの合流点を通過
下段中央写真は昔登ったルートと思われる帆谷への道だが、荒れているらしい。
ツチノコ坂、古墳坂を通り抜ける。
クマ、イノシシにも出会わず、大村コースの入口に無事下山する。
お寺は文殊山・楞厳寺(りょうごんじ)
カタクリ、椿、桜の花が咲く頃、紅葉の季節にまた再訪することを約束し、友と別れる。