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第2部 | ![]() |
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2016年5月12日~13日 |
陸前高田市立気仙中学校 | ||
岩手県陸前高田市気仙町は、震災で津波による大きな被害を受け、震災直後はがれきが散乱していたが今はほとんどが撤去された。そんな中、陸前高田市立気仙中学校は今取り壊しの作業を待っている。3階建ての校舎は全壊してしまい、全校生徒の7割が自宅を失い、現在も仮設住宅で生活している。子ども達は隣町にある廃校を利用した仮校舎に通学している。 | ||
現場を見た私たちは、想像を絶する屋上を超える高さの津波とその被害の大きさに声も出ない。「絆 未来へつなごう夢と希望」 「ぼくらは生きる ここで このふるさとで」 「陸前高田市立気仙中学校生徒会」の文字を見て、心の中で「頑張れ!」と言うしかなかった。取り壊さず後世に残しておいて欲しいと思うが・・・ | ||
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奇跡の一本松 | ||
岩手県陸前高田市気仙町の高田松原跡地に立つ松の木のモニュメントである。 太平洋につながる広田湾に面した高田松原(以下「松原」と略記)は、350年にわたって植林されてきた約7万本の松の木が茂り、陸中海岸国立公園(現三陸復興国立公園)や日本百景にも指定されていた景勝地であったが、2011年(平成23年)3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による津波の直撃を受け、ほとんどの松の木がなぎ倒されて壊滅した。しかし、松原の西端近くに立っていた一本の木が津波に耐えて、立ったままの状態で残ったことから、この地震と津波(東日本大震災、以下「震災」と略記)が陸前高田市のみならず広く東日本の太平洋沿岸地域一帯に甚大な被害をもたらした中にあって、この木は震災からの復興への希望を象徴するものとしてとらえられるようになり、「奇跡の一本松」や「希望の松」などと呼ばれるようになった。 震災後、この木を保護する活動が続けられたものの、根が腐り枯死と判断された。その後に震災からの復興を象徴するモニュメントとして残すことになり、幹を防腐処理し心棒を入れて補強したり枝葉を複製したものに付け替えたりするなどの保存作業を経て、元の場所に再び立てられている。この作業には多額の費用が投じられたこともあって、保存の是非を巡っては賛否両論が巻き起こった。 |
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一本松茶屋駐車場に車を止めて、標識に従い、高台造成工事中の工事車両が行き交う中を一本松まで歩く。津波被害の大きさも感じられるウォーキングコースだ。一本松からは先ほど見た気仙中学校が気仙川の対岸に見える。 一本松はレプリカではなく、本物だったらもっと感動するだろうな。 一本松茶屋で買い物をして、宿の大船渡温泉へ向かう。 |
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一本松茶屋で購入したよもぎ大福餅とリンゴジュース | ||
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宿・大船渡温泉 | ||
大船渡湾を一望できる絶景と癒しの宿 | ||
露天風呂で出会った人は、復興工事の関係者だった。この宿は復興関係者の宿泊者が多いようだ。宿から見える大船渡湾は美しい。ここは高台にあるため、津波の被害はなかったようだ。 夕食は外でイタリアン料理を堪能する。 写真はロビーからの夕方の眺望。翌朝、ここに野生のカモシカが現れびっくりポン。 |
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イタリアン料理 「ポルコ・ロッツ」 | ||
震災直後でライフラインが停止するなか、大船渡市内でイタリアンレストランを営む山﨑純は、集められるだけの米と汲んできた水でおにぎりを握った。避難所に食事を届け続けた山﨑のもとには多くの仲間たちが集い、やがて毎日約2000食もの食事を届けるまでになっていた。2011年3月11日から市内のすべての避難所が閉鎖する日まで「被災者の自活が可能になるまで食事をつくり続ける」を目標にして活動。自身も2011年10月5日、センターにレストランを再開。市内の漁業、農業、飲食業、製造業者たちと連携し、継続的に発展していくまちづくりを目指している。 | ||
愉快なマスターとの会話、美味しい料理、弾む旅仲間との会話、久しぶりに飲んだワイン・・・至福の時間を過ごす。 傷んだメニュー黒板は、被災地で連絡版として使用されたらしい。 |
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陸前高田市立図書館 | ||
被災した図書館が再建されるまでの間、ログハウスの仮設図書館が運営されている。突然の私たちの訪問であったが、スタッフの方々が親切に対応して頂き、色々な苦労話等情報交換が出来た。遠く大府市からの訪問に驚かれていたが、私たちの「おおぶの民話」の電子紙芝居の紹介もできた。たまたま居合わせた市会議員の方から、復興の姿が一望できる場所を紹介されて行くことにした。普門寺の五百羅漢も是非とのお勧めだった。市役所にも寄って欲しいとのことであったが、時間がないため丁重にお断りした。被災者の方々は多くの人に関心を持ってもらえるのが嬉しいようだ。 | ||
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子ども図書館ちいさいおうち | ||
がれきの中の子ども達に安全な場所を提供し、平穏な日常感覚を取り戻し、くつろいだ環境の中で読書を楽しんで欲しいとの願いで設立。 陸前高田市に公共図書館が出来るまで、運営・管理を続けます。(専任司書は公益財団法人東京子ども図書館職員) この事業は特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォーム、東日本大震災復興支援財団から助成を受け、公益財団法人東京子ども図書館、伊藤忠記念財団他、多くの方々からご支援、ご寄附を頂きながら陸前高田市教育委員会と連携し、運営・管理しております。 |
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図書館の隣にあるトレーラハウス。ここも突然の訪問であったが、女性スタッフ二人から親切に対応してもらい、情報交換が出来た。小さな部屋だがうまく活用されているのに感心する。インターネットで「おおぶの民話」の電子紙芝居を紹介する。遠い大府市からの訪問を大変喜んでもらえたのが嬉しい。 | ||
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下和野団地2の屋上から復興工事展望 | ||
市会議員の方に紹介されて、立派な被災者向けの7階建て団地の屋上から復興工事状況を展望することができた。まだ高台造成中であり、街並みが出来るまでには相当先になりそうだ。またこの場所から、復興できた街並みを見たいものである。イオンの移動販売車が来ていて、お年寄りが買い物をしていた。 下写真の中央右寄りの海岸に昨日見た奇跡の一本松が立っている。 |
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普門寺の五百羅漢 | ||
普門寺は同じ名のお寺が大府にもあり、「おおぶの民話」にも出てくる。 寺院の参道に五百羅漢があったが、説明の看板はなく、まだ新しいようだ。人間から動物まで色々な顔面が面白い。 お寺と三重の塔が立派であった。 |
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陸前高田市とお別れ、花巻市に向かう | ||
道の駅 みやもり | ||
岩手県の内陸部と沿岸部を結ぶ国道283号の中間で、旧宮守村の中心に位置している。 また、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」をイメージさせ村のシンボルとなっている「めがね橋」の上流に位置し、周囲には総合運動公園「銀河の森」や役場、郵便局等があることから、観光客だけでなく住民も利用できる環境にある。 情報交流センター「ふれあい情報プラザ」では、市内で生産される農産物や東北一の生産量を誇るわさび等の特産品を販売するとともに、市内観光地までの経路などのご案内をする。 また、休憩コーナーはドライバーが24時間利用することができる。お土産としては、特産であるわさびやわさび加工品(たっそべ漬、わさびみそ、わさび粕漬等)などがある。 |
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レストランで昼食、「どば蕎麦」を食べる。名前の由来を聞いたら、「どばっ」と盛り付けてあるからとのこと。少しがっかりして、豪快に盛り付けられていた蕎麦の写真撮影を忘れた。遠野はわさびが特産、わさびが必要な料理には、生わさびがついて、すりおろして食べるので美味。 | ||
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宮沢賢治記念館 | ||
宮沢賢治の詩や童話、教育、農業、科学と多彩な活動の世界に親しんでもらうための施設。開館以来賢治を愛するたくさんの方が来館し、その数は年間20万人を超える。宮沢賢治記念館では賢治の愛用品、原稿など賢治ゆかりのものの展示のほか、ビデオやスライド、図書資料などで賢治宇宙にアプローチすることができ、イーハトーブの世界を感じ取れる。 | ||
地元出身の宮沢賢治の人気であろう。さすがに平日にもかかわらず修学旅行生と思われる学生を含め、来館者は多い。展示品は撮影禁止。 | ||
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いわて花巻空港でレンタカーを返却し、16:10発FDA356で17:25に名古屋空港へ。良い天気で富士山や山々がきれいに見えた。「座敷ワラシ」に守られて全員無事帰宅出来た。 | ||
座敷童子(ざしきわらし)は、主に岩手県に伝えられる精霊的な存在。座敷または蔵に住む神と言われ、家人に悪戯を働く、見た者には幸運が訪れる、家に富をもたらすなどの伝承がある。柳田國男の『遠野物語』や『石神問答』などでも知られ、『遠野物語』の17話・18話および『遠野物語拾遺』87話に「ザシキワラシ」または「座敷ワラシ」の表記で話が掲載されており、17話には「この神の宿りたまふ家は富貴自在なりといふことなり」「ザシキワラシは座敷童衆なり」と記述がある。近年では、座敷わらしに会える宿として岩手県の「緑風荘」「菅原別館」「わらべ」などがテレビ番組や雑誌に取り上げられることでも知られている。 | ![]() |
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