情報技術検定2・3級
情報技術検定は主にコンピューター内部の構成について学ぶものです。最初は数の表現と演算の基礎。
私たちが日常使用している数値は、0〜9の10個の数字を用いた10進数です。しかし、コンピュータで使われている数値は0と1の2個の数字を用いた2進数です。例えば、電球が点灯している状態を“1”,点灯していない状態を“0”として、“1”と“0”の2値で表されます。
10進数・2進数・16・8進数の比較 10進数 2進数 16進数 8進数 0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
150000
0001
0010
0011
0100
0101
0110
0111
1000
1001
1010
1011
1100
1101
1110
11110
1
2
3
4
5
6
7
8
9
A
B
C
D
E
F0
1
2
3
4
5
6
7
10
11
12
13
14
15
16
17
2進数から10進数や16進数から2進数への変換などいろいろあります。基礎をつかめば、それほど難しくありません。
次は、論理回路と論理式。
コンピュータでは取り扱う情報(信号)を高い電圧(5V)と低い電圧(0V)で表しています。
高い電圧(5V)=>“1”または“H”
低い電圧(0V)=>“0”または“L”
この“0”と“1”を接点のON,OFFやパルス波などに対応させることにより、いろいろな演算を行なう回路を論理回路と読んでいます。
論理回路には、AND(論理積)・OR(論理和)・NOT(否定)・NAND(否定論理積)・NOR(否定論理和)・EX−OR(排他的論理和)があります。それぞれ、論理式とMIL記号などがあります。論理回路により、1,0の信号を計算します。その計算結果と経過をリアルタイムに表すのがタイムチャート。まあ、この論理回路を複雑に組み合わせて、基本となる回路を構成しているわけですね。
さあ、お次はコンピュータの構成と働き。
コンピュータはいろいろな機能をもつ装置が結びついてシステムを形成しています。
コンピュータの機能は、一般に「算術論理演算機能」,「記憶機能」,「制御機能」,「入力機能」,「出力機能」,の五つに大別して考えられます。これらの機能に対応して五つの装置群があります。それぞれの装置は単独の装置として、あるいはいくつかの装置がまとまって1つの装置としてコンピュータを構成しています。
また、コンピュータには、パーソナルコンピュータ(パソコン)から大型のシステムに至るまで様々な規模のものがあり、それらは特性も異なり、機器構成も異なるが、その構成要素はほぼ同じです。
基本構成があり、その上で動くのがソフトウェア。ソフトウェアの知識。
コンピュータを使っていろいろな処理を行なうには、ソフトウェアが必要です。ソフトウェアには、オペレーティングシステム(OS)と呼ばれる基本ソフトウェアや利用者が作成するプログラムなどがあります。プログラムの作成にあたっては、問題の処理手順を検討し、流れ図を作成します。そのプログラムにも、制御プログラムや処理プログラムなどがあり、処理プログラムの中には言語処理プログラムやサービスプログラムがありますね。そして、ソフトウェアにかかわってくるのがアルゴリズム。プログラムを作成するうえで最も重要なことは、「問題の分析」と「問題解決の手順」を考えることです。この問題解決の手順をアルゴリズムといい、問題の分析をしたものを順番を考えながら整理し、図で表したものが流れ図(フローチャート)です。プログラムの作成には、BASIC、C言語、FORTRANなどの様々な言語があり、それぞれ特性と記述方法などが変わってきます。
プログラムの作り方
@問題の分析・検討
↓
A問題解決のための手順を考える(アルゴリズム)
↓
B流れ図の作成(フローチャート)
↓
Cプログラミング←←←←←←←←←←←←←←
↓ ↑
D実行 ↑
↓ ↑
E動作確認→(結果はよいか)→エラー(バグ)→↑
↓
F終了
エラーの種類にはプログラムのエラー・シンタックスエラー・処理手順のエラー・論理エラーがあります。
コンピュータ制御。
いろいろな機器の制御には、コンピュータが使われることが多い。コンピュータ制御にはセンサ、アクチュエータなどの機器が用いられます。制御方式には、シーケンス制御とフィードバック制御があります。
例えば、全自動洗濯機はどんな制御をしているのかというと。
スタートボタンを押す
↓
給水
↓
洗う
↓
脱水
↓
給水
↓
すすぎ
↓
脱水
をきめられた時間で行ないます。これをシーケンス制御といいます。
また、エアコンやファンヒータなど、予め設定した温度(目標値)に向かってファンなどを制御します。これをフィードバック制御といいます。
ネットワークとマルチメディア。
非常に多くのコンピュータが、世界中に張り巡らされたネットワークで結ばれている。コンピュータで処理できるデータも、文字や符号だけでなく、音声・図形・静止画および動画などを取り扱うマルチメディアとなりました。
上記に書いたものは、各カテゴリ別の冒頭です。一つ一つモノスゴク奥が深いです。2級まででしたら、基本的な概要を覚えておけば大丈夫です。数値の計算は必ずできるようにしておきましょう。
*ポケコン・電卓の使用は不可です。
3級検定の内容 1.コンピュータの役割および機能と構成
2.数の表現と論理の基礎
3.プログラムの作成手順と流れ図の基礎
4.プログラム言語の基礎
(BASICまたはC言語の選択)
5.コンピュータの応用試験時間
50分
配 点
100点
2級検定の内容 1.数の表現と演算
2.論理回路と論理式
3.コンピュータの機能と構成
4.プログラムの作成手順と流れ図
5.プログラム作成能力(BASICまたはC言語の選択)
6.コンピュータの応用試験時間
50分
配 点
100点
発行者 題 編者 価格 コロナ社 新訂 2級情報技術検定試験 演習問題集
-BASIC・C言語・FORTRAN-社団法人
全国工業高等学校長協会 編1100