4月のひとりごと

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05/4/29(金) 胸ふさぐ重き命を数えたて

事故が起きる。人が大勢死ぬ。ニュースが繰り返される。ぷっつりと切れた人生を露わにする。家族があり悲しみがある。その悲しみはどうすれば癒されるのか,天災ならあきらめもしよう,怒りのやり場が曖昧なだけ,憎しみに置き換えられる戦争より虚しいかもしれない。


05/4/25(月) 靴箱を一夜の宿に雛の夢

毎年この連休前はなにがしかのトラブルが発生する。さて今年もやって参りました,わんさかと。まず,主人の腰痛。昨日の朝はベッドから起き上がることができず,ご飯も食べずに寝込んでいた。今日は会社も欠勤する。病院に行くように薦めるが,どうせいつものことだと一歩も動かず。次は今日の子どものけが。幸い大事に至らなかったが気分がどんよりする。そして,最後に息子2。トラブルを抱え込んで来た。彼の上着の内ポケットから顔を出したのは拾ってきた雛鳥だった。大学の駐車場に落ちていたという。片方の足を側溝につっこんで助けたという。周りには巣は見あたらなかったというが,明らかに巣立ち雛だ。雛鳥は拾ってはならないのだ。これは常識だ。野鳥の会でも「雛鳥を拾わないで」キャンペーン最中だ。なぜ拾ってはならないか。ネットでここの文を読んでやり息子2を納得させた。だがしかし,今宵一夜は生かさねばならぬ。靴の空き箱に新聞紙をちぎったものを敷き詰め,割り箸で止まり木を渡し,お湯を入れたペットボトルを布で蒔き箱の下から暖め練り餌を作ってやり,綿棒でポカリスウェットを嘴に塗ってやった。そっと蓋を開けると自分の羽に顔を埋めて眠っていた。小さな命がそこに息づいているだけで家中の空気がちがう。


05/4/23(土) 暫くはライブもお預け新学期

昨夜は職場の歓送迎会だった。去られる方が多く一通りお話をするともう時間が来てしまった。2次会はいつものメンバーで喫茶店に寄る。埼玉で新卒の教師が自殺という事件。うちの職場の新卒の女の子はなかなかたくましいのだが,この一週間は帰宅すると化粧を落とすのが精一杯で風呂にも入らず寝てしまった日もあるという。そしてこの教師のことを新聞で読んだときには「一人だけ抜けがけしやがって」と思ったという。ことほどさように,新学期のこの時期は教師に取って仕事が際限なくあり,事務的なことにかまけていると,そばに控えるは生身の人間,一歩間違うと一年間苦労することにもなるので気が抜けない。今日は授業参観で,来週は家庭訪問が始まる。お酒はそう飲まなかったが疲れがどーんと足に来て,よれよれで駅まで歩いていく。途中いく組かのアマチュアミュージシャンが路上ライブをやっていた。そういえば,今日は山崎まさよしの地元のコンサートだった。チケをットはあったが,この会と重なってしまったので,知り合いの方にあげてしまったのだった。いつのまにかファンクラブの期限が切れたのに更新をせず,ラジオも聞かず,新譜も買わず,山崎のことは放ってある。今日のライブはどうだったのだろうか?


05/4/17(日) 青い空チョークで引いた2本線

澄み切った青空を,空港へ行く飛行機雲がまっすぐ伸びていった。初夏を思わせる日差しだった。やわらかな新緑の黄緑・桜の薄いピンク・菜の花の黄色。一年で最も美しい季節だ。なのに,なぜか心は満たされず,落ち着かず,明日が不安だ。のんびりしたい。

05/4/11(月) 芋虫が知らぬ間にチョウとなる

サイパンから帰ってから怒濤の日々だった。毎日が寝不足。別に夜遊びしているわけではない。異動が多かったせいでいつもに増して忙しい新学期と息子2と暮らす生活の変化だ。あんなに勉強嫌いだった息子2の変身には驚いてしまった。彼は手書きの分厚い手帳を持っている。そこに,スケジュールやら研究テーマやらラフスケッチやらが細かく書き込まれている。話をしていると実にたくさんの本を読んでいるのが分かる。しかも難解な哲学的な本だ。夜はラジオでイタリア語,電車の中は英語を聴いている。学校から借りてきたCDは,ジャズではなくてバッハの全集だった。これからどんなチョウになるつもりなのだろう。