12月のひとりごと



05/12/31(土) 大晦日

とうとう、今年が終わる。最後になって体調を崩してしまった。ストレスが知らない間にたまっていたのだろう。そろりそろりと年越しの準備をした。夕食に間に合うように息子1が帰ってきた。いつもの食欲がない。彼も体調を崩しているようだ。風呂に入ってすぐに床に着いた。

今年は紅白をまじまじと見た。昔の紅白とはちがった。なんだかとりとめがない。まさしく今の日本の姿なんだと思う。そして、番組は佳境に入り、私にとって注目の山崎まさよし。まあ、なんとナイーブな。ギターを弾く手が震えているではないか。それでも、最後までちゃんと歌い終えた。そして、歌い終えるとほっとした笑顔を一瞬だけ映し、あっけなく次の歌手に画面が移る。

年越しそばを用意する。なんだかんだ、あっという間の一年だった。なんとか乗り越えた。来年は順風満帆とはいかないだろう。でも、最後に山崎まさよしの歌が聴けてよかった。この人のように、自分以下でも自分以上でもなく、ありのままに生きて行こうと思った。


05/12/30(金) ブランド

洗濯物を畳んでいた。息子2は着るものにこだわりがある。別に高いものではないが、手袋一つにしてもセンスがいい。下着は着ないでTシャツを着る。気に入ったものしか着ないからよれよれになっている。これもそうだ。薄手で深緑に白いボーダーラインが入ってる。シンプルだがちょっとしゃれていて着易そうだ。どこの製品かと思ったら、ウンガロだった。やられたと思った。確かに質がいい。

身の回りには物が溢れている。下着を選ぶにも何を選んでいいかわからない。となれば、やはり、気に入った物のブランドを見る。私にも気に入っている下着がある。何度でも着たくなる。薄手の綿で、デザインカットが地味だが体に合っていて、縫製もきちんとしている。タグを見たら「カドリールニシダ」という会社だ。あんまりいい製品なので、主人にこの会社がいいと勧めた。もし、通販があったら、多少高くても他の製品も購入したいと思う。しかし、小さい会社らしくそこまでの販売に踏み込んでいない。ネットで調べていると最近「クロエ」というフランスのブランドの下請けに入ったらしいことがわかった。大きい会社の下のに入った方が安定した業績が上げられるのだろう。しかし、クロエの下着と私の持っている下着とは大違い。あんな派手な馬鹿高い下着はまっぴらだ。なぜ、自分の会社の理念を貫かないのだろう。自社のブランドを少しずつでも大きくしてしていって欲しいものだ。

ブランドとはなんだろう。製品に対する信用みたいなもの、水戸黄門の印籠だ。確かにブランド物は質がいい。しかし、ブランド名は商品の値段に含まれているのだろう。私たちはそのお金まで払わされている。私は小さい会社の確かなブランドを応援したい。


05/12/27(水) ガッツ

13回目まで数えた。やっと電話が鳴り止んだ。またうとうとする。5分ほどしてまた鳴る。エイやと意を決し階下に降りる。父からだった。寝ていたのか。どこか悪いのか。今日は休んだのか。昨日の夕方にも電話をしたがいなかったと、立て続けに怒鳴るようにいう。こちらから送った歳暮が届いたのだ。雪のことを尋ねると、1mぐらいだという。雪降ろしなど無理はしないようにというと口調が穏やかになる。皆元気だそうだ。年末の挨拶をし、あっけなく電話が切られる。ほんとに聞きたかったことを聞きそびれてしまった。

父には風邪だとごまかしたが、胃痛だ。昨日は学校に行ったのだが、午前中は2月にやる「おこしもの」づくりの教材研究。材料費のことと計画の不十分なことで教務と少しもめた。が、結局なんとかなりそうで、みんなで楽しみながらおこしものはおいしく出来上がり、他の先生方にも食べてもらった。昼はいつもの喫茶店でランチ。午後からは学年会。それだけなのに、4時頃から急に胃の右上辺り肋骨の下が痛み出した。なんというか、肉離れしたような、ひっくり返ったような痛みだ。直ぐに直るだろうと思ったが、そのうち、ちょっと大きく息をするだけで痛むのだ。胃に穴でも開いたのだろうか。久しぶりの職場でストレスがあったのだろうか。

学校を出てから、三越のキタムラに修理に出してあったバッグを取りに行く。買って2週間で手の付け根部分の飾り紐が取れかかったので直してもらったのだ。それが、1月たっても2月たっても連絡がない。今日しか行ける日がないので前から予定しておいたのだ。店員に告げ椅子で待つ。だいぶ経ってから、バッグをわたされる。確かにこの商品だが、なんだか、新品のように見える。確か、付け根部分を補強してくれるはずだったがなんともなっていない。ひとこと言いたかったが、これで結構です。と言って引き取った。たぶん修理代が高くつくのだろう。キタムラのバックはもう買うのをよそうと思った。

電車の中でも胃はさらにおかしくなり主人に迎えに来てもらった時はほっとした。夕べは昨日の鍋にカニを足してやっと帰ってきた息子2もいっしょに食べた。私はスープととうふだけにした。けさは冷ご飯を入れて雑炊にした。固形物はしばらく食べたくない。小さい頃から体が弱く、へたれである。文字通り「ガッツ」に欠ける私である。今日は何もせず、のんびり回復を待とう。


05/12/18(日) 初雪

朝は近所の子どもの声で目が醒めた。時計は9時を回っていた。もう日が高いのだろう、雨戸の隙間から光が射していた。今日は雪が降るとは聞いていたが、晴れているのだろうか。恐る恐る雨戸を開けてみると、目に刺さるような眩しさ。なんと一面の雪景色それが朝の陽光に反射して美しく輝いている。傍に寝ている夫に知らせる。階下の雨戸も全開にし部屋いっぱいに陽光を入れる。

故郷の北陸地方は大雪だそうだ。私の子どものは一晩に30センチぐらいは平気で積もっていたものだ。そして、空はいつも灰色だった。昨日の天気予報で雪が降るとは聞いていた。しかし、この明るさはなんだろう。まるで、春の雪だ。表日本の幸せを思う。

昨夜はお義父さんから電話があった。特に用はなかったらしいが、「寒いのう」ということが言いたかったらしい。古い水道管が破裂することがあるから、水を出しておかなければいけないという。こちらは新しい住宅地なのでそんな心配はいらないと答えておいた。寒いときは一人暮らしは心細いだろう。私たちと一緒に住みませんかと勧めても、そんな狭いところには住みたくないという。

年をとったら、都会暮らしがいいか、田舎暮らしがいいか。一人になったら都会のマンションで、デパートめぐりとカルチャーセンター通いも良いかなと考えていた。だが、最近のマンションのいろいろやっかいな事件を目の当たりにするとやはり、田舎暮らしのほうがよいかもしれない。田舎の小さな昔風の家で、周りに小さい畑があり、蒔でお風呂を沸かし、時々近くの海で魚をとり、たくさん採れたら干物にしておき、雨のときは繕いものと編み物と読書、週に3日はテニスと水泳とエアロビクス。月1回は登山とダイビング。時々おいしいお菓子を作り、息子の家に持っていってやろう。近所づきあいはほどほどにして、遊び仲間は作っておきたい。そうそう、山羊を一頭飼ってそこら辺につないでおこう。名前は雪ちゃん。ハイジの山羊にちなんで。

今日は一日寒かった。晴れていたのは朝だけだった。家の中なのにダウンジャケットを着て大掃除に取り掛かった。で、3階を整頓していたら、昔のファンヒーターが見つかった。主人が灯油を買ってきてくれてやっと、暖房にありつけた。エアコンが壊れ、昨日まで我が家はコンロの火だけしかなかったのだ。めでたしめでたし。


05/12/17(土) 年の瀬

昨日は忘年会だった。帰りは10時を過ぎていたが駅は人が多かった。どこかの駅で人身事故があったそうでダイヤが遅れていた。年を越せるかどうか切羽詰っている人もいるのだろう。今日は一段と冷え込みが厳しい。容赦のない年の瀬である。


05/12/11(日) 日光東照宮と男体山 

主人の会社関係の日光の保養所が当たったので、出かける。何もこんな季節に、しかも、学期末の忙しい時に行かなくてもと思ったが、せっかくなので、行ってきた。男体山にも登る気だったので、一応山の用意もして出かけた。

一日目は東照宮拝観。なんともはや豪勢な建築物だった。徳川家の財力は良くわかったが、なんだか俗っぽくて、有り難味はなかった。いくらお金をかけても伊勢神宮の足元にも及ばない。2日目、中禅寺湖の湖畔、男体山の登山口付近の保養所あたりは一面の雪。しかし、山靴とスパッツは用意してきたので、雪山気分でなんとか5合目までは登った。雪はくるぶしぐらいで歩きやすかった。登り始めたのが9時だったので、11時になったところで降りてきた。ちょうど、ハイキング程度の山行だったが、気持ちよかった。

来るときに、首都高速が渋滞していて大変だった。運転はずっと主人任せ、私の運転技術ではとても抜け出せそうもないから。帰り道は、男体山の登りの途中で会った地元の人のに聞き、日光から西の沼田に出て関越道から帰ることにした。ところが、しばらく走るうちに雲行きが怪しくなりたちまち吹雪となり、行く先の山道は真っ白。念のためにはいてきたスタッドレスタイヤが良く働いてくれた。アウトバックの評価も上がった。


05/12/3(土) 冬支度 

カーマで花の苗が安かった。クリスマスっぽい寄せ植えを作ってみた。真ん中に小さなモミの枝のようなものを2本、手前にスプレー葉ボタン、真ん中にミニシクラメン、その後ろの方に南天のような葉で匍匐性のあるもの。鉢は庭にころがっていたもの。確か「幸福の木」が植えてあった。私は根気がないので、鉢物を買ってきても、花壇に植えても、ことごとく枯らしてしまう。「緑の指」どころか「茶色の指」である。さて、今回の鉢は年を越せるだろうか?

もう一つの冬支度は布団カバーである。私たちの羽毛布団は特別な大きさなので既製品のは売っていない。手作りするより仕方がないのだ。これまで使っていたのがとうとう破けたので、作り直した。生成りのと大きなペンシルチェック柄を組み合わせた。足りないところははぎ合わせ、開口部は胸の辺りで、紐とボタンで留めるようにした。ボタンは今までためてあったもので形も色もとりどり。10個並んでいるとなかなか面白い。こうやって、考えながらものづくりをするのは楽しい。同じことの繰り返しはつまんない。毎日楽しみながらのんびり家事をしたいなあ。 


05/12/1(金) 紅白 

びっくりした。山崎まさよしが紅白に出るそうだ。彼は確かに歌手ではあるが、そのありようは紅白の対極に近いと思っていた。彼が紅白に近づいたのか、紅白が彼に近づいたのか。私は高校生ぐらいから、ここ何十年もまともに見ていないが、今年は正座して見ることになるかもしれない。年末に旅行を計画していなかったのも虫の知らせかもしれない。(なんと大げさな)願わくば、山崎らしい演出をして欲しいものだ。何を歌うのだろう?できたら、年末にふさわしく「コイン」をギター一つで歌って欲しい。

胸の真ん中に何も掲げず
手をかざす誓いも何もなく
一人ぼっちで歩いていると
なぜか水辺にたどりついている

澄んだ水の底に
沈んだコインは誰の願いだろう
気づいたら君の名前を呼んでいる