9月のひとりごと

06/09/15(金) 海ゆかば

 

古代史は小説よりも論文だろうと思い「古代の王朝と人物」(松尾光著)を図書館で借りた。私の切れ切れの知識が一本の糸のように繋がっていくのが良い気分だ。

大伴旅人・家持で有名な大伴氏は、そもそも宮門の警護を担当する軍事伴造として台頭し、朝鮮半島出兵がきっかけで一時凋落したが、再び壬申の乱で大海人皇子側について復興した。

海ゆかば水漬く屍 山ゆかば草むす屍 大王の辺にこそ死なめ かえり見はせじ

万葉集にある家持の歌は、家持個人のというより、大伴氏の先祖代々の家訓としての意味合いもあるという。家職の誇りが良く現れている。

これに荘厳な曲をつけられて第二次大戦中に国民歌として放送された。戦後も戦争関連の番組には必ず流れた。今となっては暗く忌まわしいイメージしかない。

分けの分からない小学生の私はこの曲をなかなか良いと思っていた。歌詞の意味も良く分からず口ずさんでいた記憶がある。周囲の大人はなんと思っていたか知らない。幸い張り倒されたことはない。


06/09/12(火) 久しぶりのテニスですっきり

 

久しぶりにいい汗をかいた。1ヶ月なんやかんやでテニスも水泳もできなかった。体の調子が今ひとつだったのはいい汗をかかなかったからだ。足がじんじんし、キーボードを打つ手が震えているが、すっきり老廃物が出た感じでいい気分だ。

今日は、オープンスタンスで腰のひねりをきかしたストロークの練習。ライジングも打て強いボレーが深く入ったときに有効。私は久しぶりで足がもつれていた。しかし、たとえ球の行方があさってを向いていても、まねごとをしているだけで腰の周りの余分なものが取れていく感じがした。えっと今日のコーチのお言葉。右ストロークは左の肩越しに、左ストロークは右の肩越しに。構えは力を抜き、球を打つ瞬間と打った後に力を入れる。

振り替え券がたまる一方なので、週に2回ずつにしても半年は裕にある。どうしたものか。とりあえず、火・木でがんばってみよう。


06/09/10(日) 残暑のしつこさにうんざり

 

惜春という言葉はあるが、惜夏という言葉はないだろう。もう、9月も半ばになろうとしているのに、なんだろうこの暑さは。8月の暑さと9月の暑さはちがう。8月は思いっきり暑くてよい。海に山に、野球に図書館通い。スイカにとうもろこし、風鈴に花火。夏休みの終わり近くの寂しさも、まとめて書いた絵日記もそれはそれでいい。許せないのは、9月に入ってからのこの暑さだ。

2学期に入った。子どもたちは全員顔を揃えた。ありがたいことだ。夏休みがもっと続けばいいと思っていた子は以外に少なく、始業式を待っていた子が多かった。期待に答え今週はフルで授業体制に入る。しかし、この暑さ。このご時世、家にクーラーがない子はいないだろう。だが教室は30度以上なのだ。ちょっとひ弱な子は暑気あたりで体調を崩す。

そういう私も体調を崩してしまった。金曜日は足が象のようだった。顔もむくんですごいブスだった。とにかく水分をたくさんとって早くやすんだ。汗をかいたら、熱も下がった。土曜日はゆっくりのんびり過ごした。

万葉集つながりで、井上靖の「額田女王」、永井路子「美貌の女帝」を読む。どちらも、今ひとつだった。たぶん資料が少ないせいだと思うが、時代が十分描かれていないのと視点が主人公の女性側の一点だけなので物語に幅が出ないのだ。とくに後者は登場人物が昼メロのような台詞を吐くのでとても大宮人の話だとは思えない。小説より、史実だけ追ってある文献か、または、史学的根拠にたった論文の方が面白いと思う。ただ、難しい用語は私には無理なので、青少年向けというか、初心者向けの日本古代史が読みたい。

読書に疲れると、編み物をした。来週同僚の若い先生が結婚するので、お祝いに大げさでないちょっとしたものをあげたかった。最初はレース編みのドイリーをと思って、レース糸を買いに手芸屋さんをのぞくと、麻の糸の小物コーナーがあった。若い人にはこのほうがナチュラルで良いかなと思い、鍋つかみを編むことにした。材料だけ買っておいたのだが、時間がなかったのだ。やっと取り掛かれた。始めてみるとざくざくとすぐ編める。生成りの糸で四角く模様部分を作り、周りを赤とワイン色の混じった糸で縁飾りをする。かわいくできた。一枚30分ぐらいだ。結局4枚作り、上手くできたのを2枚プレゼント用で、後は家の台所にぶら下げた。残りの糸で丸いのを一枚作って、これは鍋敷きにすることにした。

夕方ものすごい雷と夕立。前線が通り過ぎたのか、その後は過ごしやすくなった。明日はもう、秋になっていますように。