屋久島行ったがいぜ

学生時代のWV仲間5人で夏休みに屋久島に行った。

メンバー紹介

K:このツアーの仕掛け人。電話かけまくり交渉上手。大台に乗る。

M:温泉大好き。長湯。冷静現実派。酒豪。取り合えずビール。

J:この夏既に登山3回。筋力抜群。明朗快活。何処でも寝られる。

W:専攻体育オールマイティ。心配性。宝塚命。おみやげ買いまくり。

S:一人だけ愛知県。向こう見ず。方向音痴。ダイビングで真っ黒。

 

1日目   

富山空港

JとWは出発1時間前に着いていたらしい。

 
羽田空港 Sが落ち合う。久しぶりの顔を見て大泣きする(うそ)。とにかく無事に合流できてめでたし。  

鹿児島空港

南国らしい空気だ。さて,どうしようか。とりあえず,観光案内に行きタクシーで名所巡りをすることに決定。空港の食堂で黒豚の豚カツを食べる。  

桜島

桜島へ行くか,市内の名所巡りをするか意見が分かれ,タクシーの運転手さんに訊いて,桜島へ行くことにした。空港からぐるっと東回りに行く。供花が絶えないりっぱな屋根がついたお墓や,黒酢の瓶がびっしり並んで居るところを眺め,穏やかな錦江湾にそって島に近づく。大正の大噴火で大隅半島と陸続きになったところから入る。視界が広がると今まで見た山と全然違う山容が現れた。樹が育たず,浸食された筋が波のようにはっきり分かる。猛々しく荒涼とした世界だ。心配した雨は全然降らず,南国の日差しが照りつけるが,山頂にかかった雲はなかなか取れない。
市内観光 フェリーで鹿児島市内に戻る。道が広く,建物が大きい。こぎれいな路面電車が走っている。鶴丸城址に登り市内を見渡す。錦江湾からすっくと聳える桜島が絵に描いたようなよい姿だ。頭の雲も冠のようで威厳がある。鹿児島の人々は朝な夕なこの姿を眺めているわけだ。この地に日本を引っ張ってきた数々の偉人が育ったのも頷ける。
ホテル 市内では有名どころのホテルらしく広々とした部屋だった。二つの部屋に別れたのでベッドをくじで決める。かわいそうなKは補助ベッドになった。寝返りを打つ度にきしんだそうだ。食事は近所の居酒屋に繰り出したっぷり飲みたっぷり食べて満足。ああ,明日のことはまだみんな分かっていない。  

 

  2日目

ホテル 台風の影響で予定したフェリーは欠航。飛行機の第1便に空席があるとのこと。朝食も採らずひたすら空港へタクシーをとばす。  
鹿児島空港 見てみて,これが屋久島行きの飛行機だよ。大丈夫かな?しかし,これがあったからなんとか屋久島へ行けたんだよね。間に合って良かった。もう,台風は明日には北の方へ行きそうだから,帰りは大丈夫だよね?・・・・・。
屋久島空港 空港へ着いたら大勢の人がカウンターに並んでいる。フェリーが欠航なので,帰りの便をとっているのだ。お気の毒に。明日は大丈夫だよね?・・・  
ヤクザル 日程がとれなかったので,タクシーで行ける「紀元杉」を見に行く。途中屋久ザルがひなたぼっこをしている。小さくて目が優しい。赤ちゃんがたくさんいた。Jが近寄っても逃げていかない。餌をやるのは厳禁。下は帰り道で遊んでいたオスザル。こうやって,行き交う車のボンネットに乗って遊んでいる。タクシーの運転手さんと顔見知りらしい。カーブのところで降りて,ちゃんと白線の外側で待っていて,上ってくる車が来るのを見ているそうだ。
屋久杉ランド

標高1000メートル。寒いくらいだ。小雨が降ってきた。私たちは80分コースをゆっくり歩いた。沢がすごくきれいだ。ランドというからには,子供向けの遊園地を連想しません?とんでもない。整備されているがりっぱな登山コースと考えていいだろう。私たちはなんにも持っていなかった。やはり,靴,ナップザック,水,食料は必携だろう。誰一人非常食も持っていなくて,バス停の売店にはジュースしかおいてなかった。

帰りのバスまで3時間もある。タクシーを呼ぶことにしたが携帯が使えない。しかも,公衆電話が故障しているそうだ。しかたがないのでタクシーが来るのをひたすら待つ。そういえば,朝御飯も抜きだった。よほど哀れに見えたのだろう,駐車場の係員のおじさんが,差し入れをしてくれた。5人で仲良く分け合って食べた。ナビスコクラッカーおいしかったです。助かりましたありがとう。おかげで,遭難せずに済みました。やっぱり,「屋久杉ランド」という名称は良くないというのが,準備不足を棚に上げた5人の下した結論だった。タクシーがやっと来たら朝と同じ車だった。さっきの親切な係員の人に手を振ってほっとしてホテルに向かう。途中ヤクシカも見送ってくれた。


ホテル

ここのホテルは屋久島一だそうだ。6階までの吹き抜けになっているロビーに巨大な屋久杉の模型が飾ってあって,どういう分けか費用が書いてある。なんと7200万円!あとで気が付いたが,縄文杉の樹齢「7200年」に掛けてあるのだ。どうなんでしょう?ま,しかし,温泉に浸かり,優雅にディナーを楽しんだ。が,しかし,またもや,予定は狂った。台風は居座り,明日のフェリーは欠航らしい。どうやって抜け出よう。Wは今日も洗濯をする。私も靴下が足りない。

 

 

3日目

ホテル

勤務先に謝る者3名。どうやら仕事は何とかなりそうで,開き直りレンタカーを借りることになった。ホテルの延泊は事情が事情だけに値段を割り引いてくれた。勝負は明日のフェリーの席を確保できるかである。電話はいくらかけても話中。やっとつながったと思ったら,明日の午後3時の便しか取れなかった。これでは,帰りは真夜中になりそうだ。台風はどこに居るのだろう。ここは穏やかなのに。しかし,ホテルの窓から見える海はまだ波が高い。  
白谷雲水峡

レンタカー2台で白谷雲水峡へ向かう。途中空港へ寄るが,空席待ちが300人ぐらいで,やっと20番台だった。昨日に懲りて途中のスーパーでおにぎりを買う。鹿児島のタクシーの運転手さんお薦めの焼酎があったがすでにホテルで違うのをおみやげに買ったので止めておく。運転手はMとK。Mは勤務校が山裾なので慣れているのかどんどん飛ばす。途中崖崩れしているところが何カ所もあり冷や汗。道ばたに巨大な岩が落ちている。申し合わせたように同じ大きさ同じ形である。長さ3メートル幅2メートルぐらいの卵型なのだ。恐竜の卵を連想させる。そうだ,屋久島は恐竜がぬっと出てきてもおかしくない雰囲気がある。雨が多く植物の生長がめったら早いそうだ。この屋久杉を見てみよ!見上げてもてっぺんが目で追えないのだ。


屋久杉自然館 かわいいデザインの建物で,中は屋久杉のことが楽しく学習できるようになっている。隣の茶店でおいしいおだんごを食べた。  
植物園 屋久島特有の植物がいっぱい。そろそろ疲れてきた。  
海中温泉

もう,レンタカーの時間が迫っていたが,なんとかたどり着けた。すんごい景色が良い。薄く透き通りさきっちょに白いレースの縁飾りをつけたような波。とてつもなくきれいだ。そして岩に囲まれた海岸に遠目に見える人は裸の男性ばかり。注意書きには水着禁止とある。女性はどうするんだろう?とうとう入らずに眺めただけだった。

 
ホテル 幹事のKは旅行会社の人やら職場にやら電話かけまくりで携帯の電池がなくなる。この島にはドコモショップはないだろう。がしかし,ガソリンスタンドで充電させてくれた。そして,充電器をただで貰えたそうだ。みんな親切だなあ。いよいよ明日は正念場。どうしても,空席をとらなければ。明日は4時起き。朝食は弁当に替えてくれるそうだ。  

 

 

4日目

ホテル

荷造りをし,お弁当を受け取ってタクシーに乗り込む。まだ,真っ暗で星が見える。しかし,ホテルのロビーは人がいっぱいだ。どうやら,これから縄文杉に向かう人たちがバスを待っているようだ。徒歩で往復9時間かかるらしい。次回こそは挑戦しよう。タクシーの運転手さんにウミガメの産卵の話を聞いた。産卵を見るツアーもあるらしい。ダイビングもできるようだし,島の西側の海岸にも行ってないし,今回はほんの下調べだ。今度は主人も連れてこよう。

 
安房港 今日のフェリーの第1便の空席をとるために早起きしたのだ。港に着くと私たちは7番め。私たちの前の人たちは昨夜から並んでいるらしい。私たちのあとにエプロンをつけた普段着のおばさんが並ぶ。話を聞くと弟さんが鹿児島で緊急手術をするようだ。夜が白々と明けて扉が開いた。乗船する人が多く集まってくる。空席待ちの人が呼ばれる。なんと,5番で終わりだった。昨夜から並んでいた人は「金メダルをとったように嬉しい」とガッツポーズだった。私たちは急遽空港へ向かう。
屋久島空港 第1便は空席待ち10番台で終わった。私たちは20番台だった。この分だと2便に乗れるかもしれない。2便がぎりぎりだった。それに乗りさえすれば富山まで乗り継ぎ便に乗れるのだった。あのおばさんの姿がさっきまであったのに見えない。港にまた戻ったのかもしれない。ひたすら待つ。第1便が出発する。おばあさんと小さい子どもをだっこした孫娘らしい人が別れを惜しむ。おばあさんが目頭を押さえる。実家の祖母を思い出す。屋久杉のおみやげも買い待合室でこっくりしていると,突然呼ぶ声。もう2便の搭乗手続きが始まったのだ。そして,空席が2席だけ確保できた。それで,どうしても明日帰らなければならないMと行き先が違う私を優先にさせてくれた。どうも,いろいろありがとう。みんな元気でね。と二人だけ列に並んでいると,追加番号がアナウンスされ,結局5人そろって乗ることができた。バンザイ!
鹿児島空港 精算をし,ビールで乾杯。ラーメンを食べる。実に美味しかった。定年後はハワイのトレッキングをするとKが宣言する。幹事お疲れ様。来年は近場にするよん。計画ができたら連絡するね。今回はありがとうみんな。楽しかったよ。  

*写真をクリックしたら大きくなるよん。主人曰く,「みんな昔のままおばはんになっただけじゃないか」

おばはんはよけいだけど,みんな昔と変わらないのはほんと。