大唐西域異伝 〓第二章・八回〓 |
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金剛輪の術。それは自らに襲い掛かる者の戦意を焼失させ、腕力を下げる術方だった。 私達がそれに気づいたのは、大きなダメージを受けた後の事だった。 文字通り涼鈴の干将陽剣も歯(刃)が立たず、悟空の攻撃も大したダメージを与える事が出来なかった。 私は、私には当然出切る事も無くて、ただ、二人の回復に付くだけだった。 微力ながら二人の戦いに助力する事が出来て、嬉しいのだけど、 回復だけとは言え、このままの状況が続けば私の術法力(精神力?)もいずれ尽きてしまうだろう。 三蔵さん、こんな時はどうしたら良いの…? 戦いの行方を見守りながら、私は今目の前で繰り広げられている戦いを稚拙ながら考察してみた。 えっと、悟空と涼鈴の主力は打撃で、独角児の主力も打撃攻撃。 悟空と涼鈴の動きはすばやいけど、独角児の動きは2人には追いついていないみたい。 と言う事は、独角児の攻撃を避けながら攻撃をすると言うのは…ああん、ダメよ、攻撃は効かないの! 術法は… あ… そっか。その手があったんだ。 不意に頭の中に、単純で明快な答えが浮かび上がってきた。 「悟空! 涼鈴! 術法を使って!」 そう、力がダメなら頭を使えば良いのよ。うん! 「そ、そうね!」 2人は独角児との間合いを広げるとそれぞれの印の形を取った。 涼鈴は金の印。悟空は火の印。 そしてそれぞれが得意とする、最強術を唱えた。 ・・・うん、予想的中!! 燃え盛る火と鋭い金の術力に押され、独角児は防御体勢に入った。 どうやら術法を抑える術は知らないみたい。持っている術法も金剛輪だけな様子。 さぁ、反撃開始なんだから!
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††小さな言い訳。†† なんだか戦闘が鬼の様に長くなってしまいました。 うわー、もう戦闘は終るはずだったのに〜。 独角児は牛魔王の手下だから扱いを良くしなきゃ〜、 というのが裏目に出たようです。もう終ります。ええ、次こそは先に進みたいです!! |
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