せんかしの雑文

1986年のこと

私にとって、1986年は、生涯で最も幸福な年だった。

その前の年まで、精神的に長いトンネルをくぐっているような状態が続いていた。
それが終わって、やっと陽の当たる場所へ出られた感じだった。

年の初めにパソコンを買って、しばしば大須へ行くようになった。
大須のアーケード街は、独特の雰囲気があって好きだった。
街角には、当時はやっていた歌謡曲が流れていた。

その頃のパソコンは、実用性よりも趣味的な色合いが強かった。
こじんまりしたパソコンショップも多く、売り場に占めるゲームの割合が大きかった。
ゲームは、個人の力で作られた感じで、バラエティに富んでいた。
最近と比べると、皆がパソコンを楽しんでいたと思う。

秋に、運転免許証を更新するため試験場へ行った。
往きはバスで行って、帰りは散歩がてら歩いて帰った。
よく晴れた気持ちの良い日で、途中の公園の水辺に光があふれていた。
平針駅前の書店で、楽しみにしていたパソコン雑誌を買った。
あの頃は、当たり前のようにゲームのプログラムが載っていた。
それを自分で打ち込んで動かしたりしていた。

今でも、私にとってのパソコンは、便利な道具というよりも、楽しい遊び相手という感じだ。