中1の秋の日
10月に入って、長かった夏もようやく終わりになった。
秋は自分が生まれた季節であり、四季の中で一番好きだ。
冷たくなった風に、昔の事を思い出した。
中学1年の時に親しくしていたのは、同級生のK君だった。
以前から顔は見知っていたが、同じクラスになったのは初めてだった。
K君の家は裏筒井町にあり、私の家から歩いて5分位だった。
庭の隅の甕で鯉を飼ったり、空き瓶に砂を敷いて鈴虫を飼っていた。
釣りが趣味で、木を削って自作した浮きを見せてくれた。
大工さんが作ってくれたという木製の小物入れを大切にしていた。
そういう暮らしぶりが、私には懐かしい感じがした。
K君とは話が会い、私としては珍しく良く話をした。
中間テストが終わった日、2人で学校の土手の雑木林を歩いた。
秋晴れの日で、テストが終わった開放感で心地良かった。
家に帰って、その頃始まった民放のテレビ小説を見ながら、次は何のプラモデルを買おうかと考えていた。
そんな何でもない日々が本当に幸せだったと、このごろ思う。
2年生になる前の春休みに、K君は北区へ引っ越して行った。
少し経って、友達4人と一緒に新築の家に遊びに行った。
わずかな時間の隔たりだったが、K君は何だか遠くなった気がした。
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