思い出の映画館
家を出て筒井町通りを通って建中寺へ。
これが私が小学生の頃、遊びに行く時のパターンだった。
途中、総門に向かう角の右手に映画館があった。
この場所に映画館があったということは、今では信じ難い。
私が生まれるよりも前、この辺りはとてもにぎわっていたそうで、その名残だったのだろう。
当時の筒井町通りは、今より狭かった。
映画館の建物は、通りから少しスペースを取って建てられていた。
高さは、周りの2階建ての商店より少し高いくらいだった。
映画館の入り口近く、建物の南側にガラスの枠があり、その中に上映中の映画のポスターや写真が貼ってあった。
遊びの行き帰りに、よくそれを眺めて通った。
近所にあったといっても、それほど頻繁に映画を見に行った訳ではない。
わずかな記憶を頼りに、ここで見たと思うものを書き出してみる。
名前と公開された年はネットで調べた。
子供だったので、アニメや怪獣映画が主だった。
わんぱく王子の大蛇退治(1963年)、海底軍艦(1963年)、
モスラ対ゴジラ(1964年)、三大怪獣地球最大の決戦(1964年)、
ガリバーの宇宙旅行(1965年)、サイボーグ009(1966年)、
大忍術映画ワタリ(1966年)、宇宙大怪獣ギララ(1967年)。
他に、四谷怪談とかさねが渕の二本立てを見たことがある。
これらは過去に何本も作られているようで、何年のものなのかは特定出来なかった。
家族と一緒に見た翌日、友達が見たいというのでもう一回見たことを覚えている。
一場面だけ記憶に残っているが、どんな映画だったかは分からないのもいくつかある。
アニメで、青い恐竜と赤い龍が戦っているところ。
丸い鳥かごのようなものの中で、オートバイがぐるぐると走り回っているところ。
二人の男が力比べをして、一人は貨車を殴りつけて穴をあけてみせ、もう一人が貨車を殴るとその勢いで列車が走り出していくところ。
これらは、誰かに連れられて訳も分からずに見ていたものなのだろう。
この映画館が無くなったのは、私が小学5年生頃だったと思う。
取り壊された後は、少し寂しく感じた。
水道がまだ止められていなくて、近所の上級生がその水の流れを使って、箱庭のようなものを作って遊んでいたのを覚えている。
最近では、映画はテレビで見るだけだ。
見終わった後、時間を返してくれと思うことが多い。
封切られた時に大々的に宣伝していたものでも、大抵そういう感じだ。
ケーブルテレビでやっている古い映画の方が、見終わった後の気分が良い。
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