現実と仮想の世界
野生動物にとって、世界は唯ひとつだけだ。
彼らにとっては自然界がすべてで、そこで生き延びるのが目的となる。
環境に適応出来なければ、生存は許されない。
人の場合は、だいぶ様子が違う。
現実の社会に適応出来なくても、いきなり命を失うことは無い。
それが本当に幸いな事であるかは、別問題だが。
自分を振り返ってみると、現実にうまく対応してきたとは言い難い。
私が生まれ持った資質は、現実の中では有効でなかった。
思うようにならない現実よりも、仮想の世界の方が親しい存在だった。
本、雑誌、プラモデル、パソコンなどを媒介にして仮想の世界に入り、
精神活動の大部分をそこで過ごした。
現実世界から見れば、とっくに淘汰されているべき者かもしれない。
カタツムリのように精神の殻の中で過ごして来たが、私なりに幸福だった。
他人から見れば、意味の無い人生だと思われるだろうか。
弱い者は一瞬たりとも生き残れない自然界の有り様は、残酷な様だが理に適っている。
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