せんかしの雑文

おもちゃのお札

私は、幾種類かの夢を繰り返し見る。
だがそれも、最近は頻度が少なくなった。
その中で、今でも時折見る夢の内容は、こんな風だ。

買い物をしようとして財布を見ると、何だか変だ。
中身が、おもちゃのお札に変わっている。
お札の出来はすごく稚拙で、一目で偽物だと分かる。
私は、いつ入れ替わったのか、こんなものが通用するのかといぶかっている。
夢は、結末らしい結末もなく、不安な気持ちのまま終わる。

こんな夢を見る理由は、だいたい想像がつく。

幼稚園の頃、駄菓子屋でおもちゃのお札を買った。
板垣退助の百円札、岩倉具視の五百円札、聖徳太子の千円札だった。
普段の小遣いは十円玉で、本物のお札はめったに持てなかった。
おもちゃのお札でも、すごく価値が有るように見えた。

私にとって、お札の原点は、この時代のものだ。
その後、何度も、お札が新しく発行されるのを経験した。
そのたびに、何だかおもちゃっぽくなったと感じた。

それでも時間が経つと、違和感は無くなってゆく。
このちょっと不思議な気持ちが、夢の原因だと思う。