魚釣りの思い出
初めて川に魚釣りに行ったのは、小学4年頃だった。
近所の子供たち5人で、中川区の戸田川まで出かけた。
1歳年上の友達は父親が釣りをしていて、いらなくなった釣竿を私にくれたりしていた。
その子が場所を知っていて、みんなを連れて行ってくれた。
前日にえさのミミズを、名古屋駅前まで自転車に乗って買いに行った。
空き缶に入れて軒下に置いていたら、夜のうちに逃げてしまっていた。
ミミズなんて何も考えていないと思っていたが、逃げるべき時は分かっていたのかと感心した。
仕方ないので、建中寺の総門前の湿った土を掘ってミミズを取って持っていった。
栄からバスに乗って1時間位かかった。
今はもうそんな路線は無いだろうが、乗り換え無しで行けたので迷うことは無かった。
田舎道をしばらく歩いて、川に到着した。
それほど広い川ではなく、両岸の堤は草が茂っていた。
小さな橋の上流で、思い思いに場所を決めて釣っていた。
私は1匹も釣れなかったが、近くにいたおじさんは、吸込みという仕掛けと練り餌を使って、面白いくらいたくさん釣り上げていた。
その後も何度か川や池に釣りに行ったが、私は結局一匹も魚を釣ることは出来なかった。
釣りについて何も知識が無かったから仕方が無かったかもしれない。
まあ、ぼんやり浮きを見ているだけでも楽しかった。
中学1年の時に、『釣り入門』という本を買った。
川釣りから海釣りまで、イラスト付きで分かり易く解説してあった。
私は、ほとんど暗記してしまうくらい何度も読み返した。
冬の日、外出から帰って、夕食の支度が出来るまで、コタツに入ってこの本を読んでいる時、私は本当に幸せな気分だった。
知識だけは一人前になったが、実際の釣りはあまり上達しなかった。
実践よりもマニュアルや入門書の方が好きなのは、この頃からずっと変わっていない。
|