死生観
十代の頃から、漠然と疑問に思っていた。
人は死んだらどうなるのだろうとか、なぜ自分は生まれてきたのだろうとか。
まあ、大抵の人は普通に経験する事だろう。
その疑問の答として一番腑に落ちたのは、唯識論だった。
『ノストラダムスの大予言』で知られる五島勉の『カルマの法則』を読んだのだ。
人は輪廻転生を繰り返しているという考えは、その頃の私の心情に良く馴染んだ。
その後は、現実の生活にかまけて忘れていた。
歳を取って、残された時間が、今までの人生よりも確実に短くなった。
最近は、また時々考えることがある。
色々な事への執着が減ったせいか、考え方は少し変わった。
人間の体の細胞は、数年の周期で新しい細胞に入れ替わっている。
人が生まれて死んでゆくのも、同じ事だと思う。
細胞が入れ替わっても、自分は自分だ。
それと同じ様に、構成する個人が入れ替わっても、種としての人間は維持される。
古い個体が新しい個体と交替するのは、とても自然な事だ。
人の生き死にに、それ以上の意味はいらないと思う。
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