スロットカー
スロットカーというのは、溝の付いたコースを走らせる自動車模型のことだ。
これが最初に流行り始めたのは、私が小学2年頃だった。
朝の子供番組で、レースのスタートシーンが何度も流れていた。
何かのイベントの告知だったと思う。
それを見ていて、すごく欲しくなった。
スロットカーの金属製シャーシは、いかにもメカニカルな感じで、普通のおもちゃには無い高級感があった。
親にねだったら、珍しくすんなりと買ってもらえた。
ロータスというフォーミュラカーの完成品だった。
まあ、自分では組み立てられないと思ったからだろう。
家から歩いて10分くらいの代官町に、富士サーキットというレース場があった。
8レーンほどあって、私が行ったことのある中では一番大きなコースだった。
友だちと初めて行った時は、友だちの車がうまく走らなかった。
コースの溝にはまる部品のサイズが合わなかったからだ。
店の人が「最近多いんだよね」と削ってくれた。
料金は、一回5分か10分ほどで50円だったと思う。
その頃の私にとっては高かった。
そんなにうまく走らせられなかったし、スロットカーを持っているだけで満足だった。
走らせるのには熱心ではなかったが、その後もスロットカーを買ってもらった。
2台目は青色のスポーツカーの完成品、3台目はタミヤ模型のポルシェカレラ6だった。
タミヤのポルシェは、近所の模型好きの上級生に作ってもらった。
結局、自分で組み立てた車は一台もなかった。
富士サーキットは、最盛期には隣に小屋を造って2つ目のコースを置いていた程にぎわっていた。
でも、スロットカーのブームは、長くは続かなかった。
3年ほどで寂れて、閉店してしまった。
その後は長いこと空き家になって、噴水式のジュースの販売機だけが店の前に置いてあった。
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