せんかしの雑文

取らぬ狸

私が働き始めた頃、預金の利率は今よりずっと高かった。
利率の良いものは、年8%以上もあった。

この利率なら、まとまった額の預金があれば、かなりの利息が付く。
当時の私は、利息だけで車が買えるようになりたいものだと夢想していた。

それから何十年経って、やっと少しは預金が出来るようになった頃には、 利率は限りなくゼロに近づいていた。
銀行からもらえる利息なぞ、子供の小遣い程度にしかならない。

楽して金儲けが出来るほど、世の中甘くないということか。
昔の私が夢想した事は、完全に取らぬ狸の皮算用だった。
それどころか、いずれは貯蓄税が出来るかもしれない。
虎の子の預金は、やせ細るばかりだ。