せんかしの雑文

継ぎ当て

先日、ケーブルテレビで見た古い映画で、女の人が破れた靴下を繕う場面があった。
昨今では、余り見かけなくなった光景だ。
そういえば、昔はよく母親が繕い物をしてくれた。

私が小学4年頃、ジャンパーのひじの部分が擦り切れてしまった。
母親が継ぎ当てをしてくれたのだが、私はそれが気に入らなかった。
破れたままより、かえって目立つように思えたからだ。
子供心に、自分が貧乏であると宣伝しているようで嫌だった。

だから、友達のお姉さんにそれを指摘された時も、適当なことを言って誤魔化した。
今から思うと、そんな自分の態度が、継ぎ当て自体よりも恥ずかしい。

物が乏しくても、繕い物をしてくれる人がいるのは、幸せな事だった。
有って当たり前だと思っていたものは、本当は周りの人たちのおかげだったのだ。
それを大切なことと思わず、求めなかった私の生き方は、間違っているのだろう。