『徒然草』
小学生の時に読んだ木登り名人の話。
弟子に木の枝を切らせた時に、高い所にいる時は何も言わず、軒先ほどの高さまで降りて来た時に、
気をつけろと注意したというやつだ。
この良く知られた話が、『徒然草』からの物だと知ったのは、中学生になってからだった。
それまでは、古典といえば難しくて取っ付きにくい物だと思っていた。
この様な共感できる話の載っている『徒然草』が、とても身近に感じられた。
700年も前の人の思いが、素直に伝わって来る。
高校生の時、『徒然草』の本を買って読んだ。
その頃の私にとっては、全てが面白い話という訳ではなかった。
それでも、いくつかの話は印象に残った。
一番好きなのは、次のような話だった。
仁和寺の法師が、岩清水八幡宮へ参拝に出かけた。
他の参拝者たちが山の上へ登って行くのを不思議に思ったが、ふもとの神社でお参りをして帰ってきた。
実は、岩清水八幡宮の本殿は山の上にあったのだ。
この法師はそれと知らずに、ふもとだけで済ませてしまったのだった。
わずかなことにも先達は欲しいものだというのが、作者の感想だ。
いかにも有りそうな事で、思わず笑ってしまう。
今なら、ガイドブックやインターネットで下調べするところだが。
素直に周りの人に尋ねなかったのは、法師としてのプライドだろうか。
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