幼稚園の思い出
入園式の後の写真撮影の場面を覚えている。
良く晴れていて、眩しくて目を明けていられない程だった。
そんな明るい中でも、私は不安に沈んでいた。
私が通っていた頃は、慈友会幼稚園と言っていた。
今は建中寺幼稚園と名前が変わっている。
場所は今の建中寺公園の北東辺りで、土塀に囲まれた中にあった。
鍵型に配置された教室と講堂は、全て木造の建物だった。
まだこの辺りが公園として整備される前で、建中寺の境内だった頃の名残があった。
私は、ずっと幼稚園になじめなかった。
歌やお遊戯や絵や、その他すべての事が嫌でたまらなかった。
途中、長い期間、休んだこともあった。
幼稚園での思い出は、あまり良いものが無い。
一番はっきり覚えているのは、こんな風だ。
休み時間が終わって下駄箱で上履きに履き替えていると、お調子者の子供がふざけて私に飛び掛ってきた。
その唐突な行動に腹を立てた私は、その子を振り払った。
床に倒れたその子が泣き出したのを見て、クラスの皆が私を取り囲んで非難しだした。
私は、自分は悪くないのにと思いながら、悔しくて泣きながらその場を離れた。
もし私がもっと賢い子供だったら、内心はどうあれ、体裁を取り繕ってやり過ごしただろう。
この国では、あらゆる場面でそれらしく振舞うことが求められる。
それが出来ない不器用な私は、最も子供らしくない子供だった。
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