シフトタッチ(更新中)

“ギヤチェンジのタッチを決めるモノとは?”

チェンジペダルの荷重を大まかに分解すると下の3要素になる。
1.チェンジペダルの位置を決めている「リターンスプリングの反力」
2.ミッションのシフト位置を決める「カムを廻す力」
3.対象とするギヤを動かす「摩擦力」

1.2.3が合成された荷重がチェンジペダルのタッチをとなり、図で表すと
概ね下図のようになる。


とは言っても、シフト機構はメーカー毎に千差万別。いや、車種毎に違うと言っ
ても過言ではないくらい種類がある。

 まずは、一般的なシフト機構の構成部品の説明から、


1.シフトフォーク:ギヤを左右に動かす。5速ミッション、6速ミッションで
          は3個必要となる。
2.シフトカム:サインカーブ状の溝を持ち、溝にシフトフォークのピンが嵌っ
        ており、回転してギヤの移動量と移動順序を決定する。
3.カムプレート:カムローラによりシフトカムの位置決めをする
4.カムローラ:カムプレートの位置を決める
5.トーションスプリング:カムローラをカムプレートに押しつける
6.レバー:シフトカムを廻す
7.リターンスプリング:チェンジペダルを中立点に戻す
8.チェンジペダル
その他にピンとかトーションスプリングとかの小物部品があるが省略。
(尚、これらの名称はメーカー毎に異なる)

下手な絵を描くより、最近出た雑誌から、


ウーン、このシフターはボク好み、特にカムプレートの形状が良い。

なぜこの形状が良いかというと、「節度が良さそうである。」から、、、。

「節度」ってナンでしょ?

節度」はカムプレートの形とカムローラの押しつける力とから決まります。
図で表すと、

谷付近
ドッグ抜け始め
又は

ドッグ入り終わり

山付近
ドッグ抜け終わり
又は
ドッグ入り始め


 Fa:トーションスプリングがカムローラをカムプレートに押しつける力
 Fb:カムローラがカムプレートの斜面を押す力

節度(シフトタッチ)に重要な関わりを持つのが「カムプレートの斜面を押す
Fb」と「Fbとカムプレートの中心点Oとの距離」で、それを掛けた数値がカ
ムプレートを廻す力(トルク)となる。

ちょっと判りにくいので、カムプレートが左に廻る時を例に説明する。

(1)

(1)チェンジペダル踏み初め
・カムプレートに作用するFbの向き
と長さに注目

(2)

(2)シフト前半(後期)
・カムローラが押し上げられてFa
大きくなり、それに伴ってFbも大き
く(長く)なって点Oからの距離が離
れていく。
 言い換えると、チェンジペダルの
荷重が大きくなる。

(3)

(3)シフト後半(前期)
・カムローラがカムプレートの山を乗
り越えるとFbはカムプレートを廻す力
として働き始める。
 つまり、チェンジペダルの荷重が無
くなる。

(4)

(4)シフト後期
・カムローラは谷へ降りてくるので
Fa
は小さくなり、それに伴ってFb
小さく(短く)なって点Oからの距離
が近づく。
 言い換えると、カムプレートを廻
す力は小さくなる。


(2)から(3)に移る時、ペダルの荷重が「フッ!」と抜けて、所謂「スコン!」と
ギヤが入った感じになるのが「節度」のあるミッションと言える。

ならば、(3)のFbが大きくなるようにすれば良いかというとそう簡単ではない。
(3)のFbが大きくなるようすると、(2)の状態のFbも大きくなってしまって、とて
も重いチェンジになってしまいイタチゴッコになる。

<続く>

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