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「はーい、和尚さん、知多の海はでっかくて、とてもよい景色です。」
「何をのんきなことを言っとる。この間も、そうやって、今に和尚さんよりも偉くなってやるなんぞと、大きな口をきいたそうな。さあ、早く降りてこんか。」
「はーい。」
隣村、加家村(かけむら)の観音寺の寺子屋(いまの学校)で、本を読んだり、文字を書いたりする勉強を義観和尚(ぎかんおしょう)から教えてもらっていた甚三郎は、頭の良いのと口が達者なのは抜群で、なまいきな、わんばく小僧だったようです。