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義観和尚がいいました。

「甚三郎よ、お前は、学問を何んだと心得とるか。そもそも学問というものは、人の道を学ぶためのものだぞ。お前のようなわんばく小僧は、学問をする資格がないというものじや。」

「すみません、和尚さん。これからは気持ちを入れかえて、しつかり勉強します。」

 思いの外、甚三郎は素直です。そして和尚さんにたのみました。

「おいら、勉強がしたいんじや。しっかりやりますから、もっともっと学問させてください。」

「うん、その気持ち、忘れるではないぞ。世の人を幸せにするために、一生懸命に勉強するのじゃぞ。」

 こうして、平洲は、世のため人のためになる学問の道に進むことを心に誓ったのです。