『ねぇ、司くんこれからどうするの?』
忍者タイプの双剣士PC、楚良が1人の呪文使いPC、司に問いかける。
『うん、どうしようか・・・、ねぇ、カイト。』
司がもう1人の双剣士タイプPCのカイトに問いかける。
『え、ぼく!?困ったなどうすると聞かれても・・・。』
カイトは困ったようにうつむいている。
そこでカイトは思い付いた。
『よし、それじゃあさ。カオスゲートからランダムで行こうよ。サーバーはΣサーバーだといいんじゃないかな?』
カイトはランダムで行く事を勧めた。
『僕ちん別にそれでもいいよ。』
楚良は気軽に答えたが司はまだ答えてなかった。
『ねぇ、司もそれでいいよね?』
カイトが司に問いかける。
『あ、うん、ごめんぼーっとしてた。』
司はカイトにあやまったが何か変な気分がした。
『それじゃあ行こうか。えとワードはっと・・・。選ばれし 彼女の 錬金術か。よし、行こう。』
こうして3人はフィールドへと繰り出していった。
そして、着いた瞬間に目の前に魔法陣があり、すぐに発動してしまった。
魔法陣から出てきたモンスターはリッチ3体だった。
運の悪い事にリッチは魔法耐性をもっており、しかも動きが早いというのだ。
『まずい、司、みんなの魔法防御力を上げて。』
カイトが叫ぶ。
『そんな事する必要ないよん。』
楚良がそう言った瞬間に動いた。
『バビュン』
楚良が動いた瞬間に3体のリッチは倒れた。
まだ魔法陣が発動してすぐだったので3体がまとまっていたから早く終わらせる事が出来たのだった。
『やっぱり楚良ってすごいね、すぐにモンスターを撃退しちゃうからね。』
カイトが感心の言葉を放つ。
『やっぱりそう思う?だって僕ちん本当にすごいもん。』
楚良は自慢げにカイトと司に言う。
『うん、そうだね。それじゃあダンジョンに行こうか。』
そう言ったカイトはプチグソの笛でアクアグソを呼び出してプチグソサーチを使いダンジョンへと向かった。
そしてダンジョンの中に入った。
カイト達はダンジョンに入るとすぐに妖精のオーブと快速のタリスマンを使い奥へと入って行った。
『どうする?』
カイトは楚良に訪ねたが楚良の答えはこうだった
『うん、とりあえずアイテム神象まで行ってアイテム取ってさっさと帰ろうね。』
ということで3人はアイテム神象の部屋の前まで行ったのだが、ここで3人に思いもよらない敵が発生した。
敵の名前はザワン・シンという昔フィアナの末裔が倒した攻略不可能と言われていたイベントのモンスターである。
『どうしてこいつがここに?』
カイトは一瞬でこいつがザワン・シンだと言う事に気付いたがその驚きは隠せなかった。
『一瞬見ただけでよく解ったね。』
楚良がカイトにたずねた。
『昔、バルムンクに聞いたんだ。Ωサーバーにかなり強いモンスターがいてオルカと2人で協力して倒したって。』
カイトは簡単に答えたがすぐにモンスターが攻撃してきたがカイトは瞬間的にかわした。
『ちっ。楚良、やつの後ろに回り込んで攻撃して。司はみんなのステータスを上げ終わったら呪文で攻撃してくれ。』
カイトはリーダーらしく2人に命令をくだした。
『『よし、わかった。』』
2人ともカイトの命令をちゃんと聞いて戦闘スタンバイをしていた。
『キミ、いらないから死んじゃえ。夢幻双舞。』
楚良は攻撃をしかけたがダメージはほとんど皆無だった。
『バカな、攻撃がほとんど効かないなんて。』
カイトは攻撃があまり効いていない事に気付き思わず口走ったが、
次の瞬間、見なれないものが現れて敵を攻撃し始めた。
『なんだ、これは?』
その物体は鉄アレイみたいな形をしているが色は金色で真ん中には小さな指輪のような物が組み込まれていた。
『これは・・・、ガーディアン。』
司が答えたと同時にガーディアンは真ん中の指輪のようなものからレーザーのような攻撃をくりだしている。
しかも、かなり大きなダメージをあたえている。
『これならいけるかも。』
カイトの思い通りもう死ぬ寸前までいったのだがそこでガーディアンが消えた。
『どうして消えた?』
『ガーディアンの使える回数がなくなった。』
『それなら仕方ない。もう少しで倒せるから頑張ろう。』
しかし、カイトの考え方とは裏腹に中々ダメージがあたえられない。
『うん、どうしたらいいのかな?』
楚良は一応考えているみたいだが、反面楽しんでいるようにも見えた。
『見ていられないわね、爆・炎・剣。』
三人が四苦八苦していると突然モンスターが倒れた。
『ん?どうしたんだ。』
どうやらモンスターを倒したのはカイト達ではなく他のPCだったようだ。
『久しぶりね、カイト。』
カイトは驚いていた、なぜならその声の主は・・・。
『どうしてここにいるの?ブラックローズ。』
『何よ、私がここにいたらいけないみたいな言い方しちゃってさ。』
『いや、そんな事はないけど・・・。』
『だったらいいじゃない。別に迷惑な事もないでしょ。』
ブラックローズは言葉でカイトより勝り、カイトの横を通って行った。
『悪いけど、アイテム神象のアイテムは私が貰うわよ。』
簡単に言うブラックローズにカイトは。
『え、どうして?戦っていたのは僕達だよ。』
『あんたね、最終的にあいつを倒したのは私じゃない。よってアイテムを貰う権利は私にあるはずよ。』
『うっ、言われてみればそうかもしれない・・・。』
カイトは少し悲しそうな顔で答えていたがブラックローズは容赦なく。
『それじゃあ私が貰うわね。』
と、それだけ言い残すとアイテム神象の部屋へと入っていった。
そして、カイト達も後から入るとブラックローズが何やら文句を言っていた。
『ちょっと、何よこれ。どうしてこんなのが宝箱に入ってるわけ。』
何が入っていたのかと覗き込んでみるとそこには・・・。
『どうして宝箱の中にチャイナドレスとナース服が入っているんだ?』
カイトが疑問に思っているとブラックローズが独り言をいいだした。
『確かにレアかもしれないけどさ、これはないんじゃない?どうやってこんなもの装備するのよ。』
確かにこれは装備しにくいアイテムだった。でもどうして今回はこんなものが入っていたのか未だにわからない。
『ねぇ、ブラックローズ。どうしてここのアイテム神象にはレアアイテムが入っているって知っていたの?』
『どうしてって、あんた知らずにここに来たの?各サーバーにイベント掲示板が展示されていたのよ。
ザワン・シンを倒したらかなりのレアアイテムが手に入るってイベントがここであるってね。』
もちろんカイトはおろか司も楚良も全然知らなかったようだ。
『それじゃあ、僕達が偶然ここに来たのは何だったんだろう?』
カイトが独り言を言っていると楚良が。
『うん、本当に偶然なんじゃないの?』
『そうだよね。中身もわかった事だし帰ろうか。精霊のオカリナ。』
カイトが精霊のオカリナを使った瞬間に3人はダンジョンから脱出した。
その後ブラックローズはカイト達が帰った後、
すぐに精霊のオカリナを使いフィールドから脱出し、タウンに戻るとミストラルを呼び出した。
『ねぇねぇ、何かよう?』
『あんたにこれあげるわ。』
ブラックローズはさっき手に入れたレアアイテムをミストラルにあげた。
『え、本当にくれるの?ありがと<^_^>。
今日のイベントは行けなかったんだよね、子どもが泣き止まなかったからさ<T_T>。』
『そう、それじゃあよかったわ、またいらないレアアイテム手に入れたらあげるからね。
私、今日はもう落ちるよ。バイバイ。』
『うん、バイバイ<^_^>。』
ブラックローズとミストラルは2人揃って今日はログアウトしたらしい。
そのころカイト達は。
『あの・・・、僕今日は落ちるね。また誘ってね。ばいばい。』
『うん、バイバイ。』
そう言うと司はログアウトした。
『僕も落ちるね、ばいばい、カイトくん。』
楚良もすぐにログアウトしたようだった。
そしてカイトがログアウトしようとした時突然声をかけられた。
『やぁ、カイト。久しぶりだね。』
その声の主はワイズマンだった。
『どうしたのワイズマン?』
『今からダンジョンに行かないか?今日はザワン・シンが出てくるイベントがあるんだ、今から一緒に行かないか?』
予想もしなかった事を言われたが
カイトはザワン・シンを自分のパーティーとブラックローズが倒した事を告げるとワイズマンが。
『何を言ってるんだ。
今日、ザワン・シンは何度も復活してそのたびにアイテム神象にレアアイテムが入っているんだ。』
それを聞くとカイトは力が抜けたようにふにゃふにゃと地面にへたれこんだ。


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