第1章 記憶

「光り輝く子・・・アウラ・・・」
静かな聖堂の中に男の声が響く。
「これが、噂の『聖堂の亡霊』か・・・」
噂というのはここ、『NAVEL OF LAKE』で逆様の男が居るという噂だ。なにやら未だにつぶやいている。
「モルガナに会うためには・・・」
こいつには俺が見えていないのだろうか・・・
ピンポ〜ン・・・
画面の左上に新着のメールが来ましたという文字が浮かぶ、それと共に男の姿が揺れていく・・・そして、消える・・・
「データのバクか?・・・それともイベント用の消し忘れか?」
ともかく、ここに居てもなにも起きそうに無い。落ちてメールを見ることにした。


     第2章 再会

やっぱ来てないか・・・
心の中で舌打ちする。
ここ、水の都マク・アヌはΔサーバーの拠点とも言える街だ。
久しぶりの来てみたが・・・β版の時よりも画像処理などが向上しているように感じる・・・ただ久しぶりだからそう感じるだけだろうか・・・
「あそこに行ってみるか・・・」
あいつも来ない事だし・・・久しぶりに行ってみるのも良いだろう・・・
「えと・・・これは・・・」
雑誌に書いてあるとおりなら、ここにワードを入れるはずなんだが・・・
?版と違いアルファベットではなく日本語だ。
「おや、キミは初心者かい?」
後ろから声をかけられる。流石とも言うのだろうか・・・ボイスチャットは何の違和感も感じない。
「まあ、そうだな・・・」
後ろに振り向きかな答える。そこにいたのはの剣士だ。
「ケニー!!」
俺はそこに居た剣士を見て少し驚く。相手の剣士も驚いたようだ。
「おっ、リアンじゃないか!」
「久しぶりだな・・・」
彼、ケニーはβ版時代のパーティ仲間だ。
「なんだ?お前、ワードの入れ方がわからないのか?」
「まあな・・・どうもβ版の時とはかってが違うようだ」
俺の言葉を聞いてケニーは肩をすくめる。
「レベルだけ高くて、ゲームの仕方がわからないのか・・・傑作だな」
「そういうなよ、なんせ初めてなんだ」
これまた俺の言葉を聞いてクックックと笑う。
「まあ、立ち話もなんだ。おれのホームに来いよ」
「じゃあお言葉に甘えて・・・」
ケニーはこっちだと言うと俺を先導してホームに向かった。


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