第5章 碑文

『あなたが、先日見たモンスター。あれによりプレイヤーが意識不明者になったのはご存じか?
この、情報に興味があるのなら『主人を待つ犬』の前までご足労ねがいたし・・・』
これが、俺の元に来たメールだ。
確かに情報には興味がある。だが、送者名が気になる。
・・・・黒のビト・・・・ヘルバの副官だったはず・・・
ヘルバは黄昏の碑文に出てくる闇の女王だ。
黄昏の碑文の物語はおおまかに言うと光の王リョースと闇の女王ヘルバ手を組み禍々しい波に対抗する。
その中で伝説の夕暮れ竜探索のために半精霊の人間と人間が旅に出ると言う話だ。
黒のビトはヘルバの副官として碑文に登場する。
とりあえず、渋谷駅に向かうか・・・
駐車場に降り、車に乗ると渋谷駅に向かって走らせた。


     第6章 情報

渋谷駅の前にはハチ公の像がある。ハチ公は主人を待ち、死んだことで有名だ。
ここだと、思うけどな・・・
たしかにここは待ち合わせには目立つし便利だ。俺のほかにも何人もの人が待ち合わせだろう。
だが、待って小1時間・・・だれも来ない・・・違うのか?
心配になる。
そこに、ある観光旅行客がやってくる。どうやら外人の観光旅行らしい。英語でなにやらハチ公のことを説明している。
まあ、英語だから詳しいところまではわからないが・・・
そこに、上野と言う言葉が耳に入る。
「上野?そこにもあるのか?」
説明が終わりバスに戻ろうとするガイドに話しかける。先ほどの上野の部分を聞いてみる。
「はい、ありますよ。上野の上野科学博物館に剥製があります。ハチ公のお墓は青山墓地にありますよ」
流暢な日本語でガイドは教えてくれると観光客と共にバスに乗った。
そうか・・・青山墓地か・・・
近くの駐車場に停めてあった車に乗ると青山墓地に向かって車を走らせた。


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