泌尿器科情報局 N Pro

症例021-2

解説

以前より前立腺肥大症を指摘されていた、頚髄症術後の尿閉患者さんです。導尿離脱を希望して受診され、UDSが行われました。

UDS

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1. 記録状況
EMGは例のごとくうまく記録されていません。Pves、Pabdは細かい基線の揺れがありますが呼吸性の変動で、どちらもきれいに記録できています。サブトラクションも良好に得られています。

2. 蓄尿期
Capacity 220ml
Compliance おおむね良好
DO 蓄尿後半で尿意をともなうPdetの上昇を認めます。TerminalDOがあると判定します。
尿意 FDからND、SDまでPdetの上昇によって短時間に出現しています。TerminalDOでよく見られるパターンです。

3. 排尿期
Qmax 排尿はごくわずかで、ほとんど検出できていません。
PVR ほとんどが残尿となっています。
Pdet 最大50cmH2Oまで収縮力が得られています。
腹圧 最大で20cmH2O程度の上昇がみられますが、圧が低いこともあるのか、排尿に対して有効には働いていません。

ノモグラム

排尿筋収縮力 DOによる膀胱内圧上昇ですので、正確な排尿筋収縮力ではない可能性がありますが、ノモグラムでの判定では排尿筋収縮力はVWに判定されます。下部尿路閉塞 閉塞度はIIIに判定されます。

UDSサマリー DO+ DU+ BOO±

治療方針を考えてください。