泌尿器科情報局 N Pro

症例033-2

解説

尿失禁を主訴に来院した高齢男性です。前立腺はそれほど大きくありません。

UDS

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1. 記録状況
Pves、Pabdともに良好に記録されています。途中で腹圧が上昇していますがこれは体位を仰臥位から立位に変えたための上昇です。Pdetはうまくサブトラクションができており、問題なく評価が可能です。

2. 蓄尿期
Capacity 320ml
Compliance 良好
DO なし
尿意 FD 120ml ND 155ml SD 320mlであり、ほぼ正常パターンです。

3. 排尿期
Qmax 記録できていません。
PVR 不明です。
Pdet Pdetの最大値は60smH2O程度です。
腹圧 体位変換による腹圧の変化の他に、排尿をしようとして何度も腹圧をかけて排尿を行おうとしています。

ノモグラム
QmaxはUDSでは不明ですが、UFMの15ml/sを代わりに使用して判断してみます。

排尿筋収縮力 N+
閉塞度 II

UDSサマリー DO- DU- BOO±

経過
タムスロシン(ハルナール)、フラボキサート(ブラダロン)で経過観察となりました。
1年後(現在から7年前) 手術を希望して再診あり。失禁の改善が得られない可能性は高く経過観察を勧めました。
今回、再度尿失禁を主訴に手術を希望して来院されました。

膀胱エコー

残尿200ml

前立腺エコー

前立腺は46mlと計測されていますが、前後径が大きく取り過ぎで、もっと小さいと思われます。

残尿を呈する前立腺肥大症と判断されたようでUDSが予定されました。

UDS

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