前方カメラ&後方カメラ切換え
(前方カメラ時シフトRで自動後方)
LABORATORY-CARCAMERA1-CARCAMERA2
2005年11月7日更新
・企画・設計編
アルファード(トヨタ)の後方視認性を考えてバックカメラを取り付けることになりました。
ただ、説明書どおりにカメラをつけても普通の車となんらかわりがありません。そこで、フロントにもカメラをつけることにしました。映像を映し出すモニターはPanasonicのナビを併用します。
ただ、2つのカメラの信号が同時にモニターに入ると混信してしまうのでどちらか一方のカメラ信号が入るように回路を作らないといけません。そこで、今回はリレーを使用して回路を作成しました。
このような制御はマイコンをつかった方が安価で応用が利きますが、理解が難しく初心者には不向きなので比較的分かりやすい電磁リレーを使って配線をするだけで制御が可能となりました。
*ここでの回路図はシフトのR(バック)信号線がプラスコントロール車の場合のみです。(トヨタ・日産等)
*製作される場合は自己責任でお願いします(^v^)
●製作内容
全体回路図
動作概要
@走行中・徐行中にフロントの映像を見たい場合はロッカスイッチをONにする。
(プラス12Vの電気がフロントカメラの電源に行くと同時に、リレーAのA接点を介してモニターのR入力信号にも電気が流れる。したがって、フロントカメラの映像信号が送られ、モニターは表示が切り替わりフロントの映像が映る。)
AロッカスイッチをOFFに戻せば、通常のナビ画面に戻る。
(スイッチを切るとカメラには電気が送られず、モニターのR入力もなくなるため通常のナビ画面になる。)
BシフトをR(バック)にするとバックカメラが作動する。
(シフトのR信号(12V)がかかると、リレー@が作動しリレー@のA接点が閉じバックカメラに電源が入り、モニターのR入力信号にも電気が流れる。したがって、モニターにはバックの映像が映る。)
CシフトをR(バック)以外にすると通常のナビ画面に戻る。
(リレー@に電気は流れなくなり、A接点は開いて、カメラには電気が送られず、モニターのR入力もなくなるため通常のナビ画面となる。
Dフロントを見ているときにR(バック)になったら? 自動でバックカメラに切り換る。
(R(バック)をしないときに通常閉じているリレー@のB接点が、R(バック)すると同時に開き、フロントカメラへの電源が絶たれる。したがって、バックカメラの電源は入るが、フロントの電源はなくなるために2つのカメラが混信することなく切り換る。)
リレーとは?
今回リレーを使用した一番の目的はDの自動で切り換る回路を作るためです。
電磁リレーは、接点部と電磁コイルからなり、その電磁コイルに電流がながれると電磁石となり、電磁力によって可動鉄片を吸引し、これに連動した接点を開閉するもののことを言います。
電磁リレーには、押しボタンスイッチと同様にA接点(メーク接点)、B接点(ブレーク接点)があります。
A接点は電磁石により鉄片が吸引されているときにだけ電気を通すもの。B接点は、鉄片が吸引されると接点が離れるもの。つまり、A接点とB接点を兼ね備えているリレーは、電磁石により接点が吸引されているときにはA接点が通電し、その間B接点は電気が遮断されていることになります。その反対で、電磁石の磁力がなくなると、A接点は遮断され、B接点が通電します。
言葉だけでは、初めて聞く人には難しいとおもいます。簡単に言うと、手動で行なうスイッチ操作を電気でやってしまいましょうというものなんです。下の図を参照して、言葉と照らし合わせてみてください。
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模式図(ダメな例)
上図のように赤い×の点でナビのR入力信号線をつないでしまうと、下記の状態がおきる。
いま、シフトがRに入り電気が青い矢印(→)のように流れます。そうすると、バックカメラの電源が入り、映像を映し出そうとするのですが、緑の線を通ってフロントカメラにも電気が流れてしまいます。このような状態になると、両方のカメラが映像信号を送り出そうとして混信してしまうことになります。これだと、リレーを使用して切換え回路をつくる意味がありません。しかし、これを少し改良するとこの症状を改善することが出来ます。
模式図(良い例)
上図のように配線することによって、ダメな例のような事象は起こらない。
配線図をたどっていけば、どのように電気が流れるか分かると思います。今回は、この模式図どおりに配線してみます。
問題・疑問点
これで、電源回路は完成だと思われます。気になるのは、映像の信号線の分岐です。普通に、線を分岐しても大丈夫なのでしょうか。おそらく、映像信号の線は同軸(一本の線に2種類の線が通っている)になっており、それを上手につなぎ合わせる予定なのです。これは、やってみないとわかりません。
今回使用する材料
・リレー5極B接点付×1
・リレー4極A接点のみ×1 (回路図ではB接点のものを使っています。)
・ロッカスイッチ2極×1
・配線コード×適宜
・ギボシ端子×適宜
・平型端子×適宜(スイッチ・リレー部)
・分岐タップ×分岐場所
[上記メーカー:すべてエーモン工業 車用品店等で手に入ります]
・バックカメラ[Panasonic]×2