ベトナム強化合宿報告

             ( 2013.3.10 更新 )


日本ペタンクブール協会企画のベトナム強化合宿が2013年2月6日から11日までの6日間行われ、愛知県より4名の方々が参加されました。
以下、その体験報告です。参考にしていただければと思います。




 合 宿 会 場   ペタンクコート         ペタンクコート
(後方の球体は宿泊棟ペタンクボールをイメージしたもの)



ベトナム強化合宿報告 
                               
江坂 正和

 合宿日 : 2013年2月6日〜11日 ( 5泊6日 )
 合宿先 : ハノイナショナルスポーツトレーニングセンター

 
 日本側 : 選手16名 ( 通訳のバオ君含む )、スタッフ3名、計19名
 ベトナム側 : ヘッドコーチ1名、コーチ2名、選手18名(高校生)


 合宿内容 : ヘッドコーチによる、投げ方などの指導及び試合形式による実技

 指導内容 :  @ 投げるリズムが速い (1.2.3、のリズムでゆっくり)

          A ホールの回転が弱い (しっかり指先までボールを滑らせる)

          B 座位はもっと楽に構える (形は人それぞれで良い)


 生徒のレベル: ティールは8割ダイレクトで当たる。(ポアンテは日本人と変わらないかな?)

 生徒の育成方法: ハノイ市内の小中学校から、素質のある子を集めて、育成している。

 この高校では、朝から夕方までペタンク、夕方からが授業。(国からの補助金もあるらしい)

 とにかく、国が力を入れているので、生徒たちは上手い、それ以上にコーチも上手い。


 所感
 @ 正月 (ベトナムは旧正月) の一番忙しい時にもかかわらず、対応してもらえた。

 A ジュニア育成の指導マニュアルが必要と感じた。

 B バオ君には大変お世話になりました。(通訳、弁当手配、買い物案内など)

 C 蚊取線香とホッカイロが役に立つとは (2日間夏、2日間冬)


 D 今後も交流を深め (次回は招待するなどして) 継続して行くことが大切と感じた。

 E 自分たちとのレベルの差、認知度の差を感じた。

 F 日本に留学の大学生が家に招待してくれ、アットホームな交流もできた。





ベトナム合宿を体験して
                                    水野 栄三

 自チームのボールが、ビュット手前10cm、ビュット右横5cm、またその横5cm の状況が出
来た。
 「相手ベトナムチームは残り1球、これで最悪でも点が取れる」と思った。最後の投球
者がサークルに入る。彼女は全くの自然体で構え、同じように投球する。「カーン」とよい音が
し、ビュット近くの右横ボールを弾く、そしてカロとなり、相手の得点になる。この凄い場面が
衝撃的で、今も脳裏に焼き付いている。

 これと同じ様に彼ら強化生 (10歳〜20歳) はいとも簡単にティールをすることができるので
ある。「ティールはいつでも当たる、たまたま外す」が私の対戦した一番の実感である。

 また投球されるボールは正常なバック回転 (スピン) が鋭く、ティールされたボールは弾むこ
となく、
ショートバウンドで「ズバー」と球を抜いていく。また投球後の姿勢 (フィニッシュ) も30
人程の強化生全員が一緒であり、乱れの無い大変美しい事も印象に残っている。

 「百聞は一見に如かず」が身に沁みた合宿でした。目からうろこが落ちた感です。


ベトナムのコーチ、強化生の皆様 「有難うございました」 。一緒に出掛けた角田監督はじめ、
コーチ、事務局、、そして選手の皆様 「有難うございました。」






ベトナム強化合宿に参加して
                               
阪永 吉廣

 ベトナムは初めてですが、暖かい国より暑い国のイメージで行ったが、滞在中はずっと寒く、
快晴という日もなく寒さで震え、ボールがうまく投げられない。


 2日目、ダブルスで、ベトナム育成ジュニアチームと対戦する。私は岐阜の八代氏と組む。
3戦し、1勝2敗。ベトナム女子チームメンバーと対戦し、8−8のスコアまで接戦だったが、
最後は私達のチームは1点を得ている形でボールなし。相手はティーラーが2球、最初のティ
ールで得点ボールが飛ばされ、2球目で2番手ボールを弾き飛ばされ、3点を取られてゲー
ムセット。しかし接戦でき、私のティールがもっと正確にできれば勝てたと希望も出る。


 3日目もジュニアチームと戦う。メンバーは埼玉県の泉 恵美子さんと3ゲームを行ったが、
0勝3敗。ファニーを含め、スコアは6点以下であった。私のポワンテで得点を取れないので、
泉さんの
ティール効果ナシにしていた。

次のトリプルスのメンバーは女性2人とで、ベトナムナショナルチームと対戦。1メーヌ目で
いきなり5点を取り、先行していくが、徐々に点を取られ9−10 の逆転にされる。

次のメーヌで1点取り、10−10、2点を取っている形で相手はボールなし、味方は私のボー
2球、あと1球で寄せれば勝利。ビュット前の相手ボールをラッフルティールで飛ばせば
自分のボールが残り、勝ちと思ったが、ここは相手ボール右側を通し寄せようと決断し、ポワ
ンテするがボールがそれ相手ボールを寄せ、1点にしてしまった。

味方の指示で寄せてしまったボールをティールの指
示。間を取り、1人考えたポワンテに成功
で11−10、失敗で10−11では次のメーヌで絶対に負けだナ。このメーヌが勝つチャンス
だ。
どんなボールを投げようかとイメージをした。ここは自分の得意のラッフルティールだが弱いボ
ールだと相手を寄せるだけ、強いラッフルティールをすれば相手を飛ばせて自分のボールは
残せると。

失敗して元々。負けたときにはメンバーに謝ろうと半分はヤケッパチになり、ティールすると
イメージ通りになり、3点取れた。女子のナショナルチームに勝てたと嬉しかった。

 これを見ていた山梨県の千野さんが「凄いティールをするね」と。それに応え「やけくそティー
ルです」。千野さん「やけくそティールですか。それはよい」。自分も思ったのが「中途半端はい
けない。これからのペタンクは、やけくそティールでいこう」と。


 <ベトナム育成ジュニア選手と対戦しての感想>

 @ フォームが柔らかい

 A ポワンテがボールを2個持っているから得点はこちらのものと思うと、確実にティールを
    し、得点にする。

 B ミリューの選手はさすがにうまいと感じた。寄せは必ず得点にするし、ティールも確実に
    打つ。


 <ベトナムの選手育成 (国家プロジェクト)>

 @ トレーニングセンターコーチが各学校に指導に行く。

 A 学校の先生が、学生の良い点を見つけ、推薦状と成績票をトレセンへ送る。(15歳〜
    19歳 学年ではない)

 B トレセンは各学校からの推薦者を集め、考査を行い、上位者をトレセンに入れる。

 C トレセンでは日中はペタンク訓育、夜は近くの学校で学業 (トレセンO Bはナショナルチ
    ームへ)
 D 維持費は国家とハノイ市民の寄付


    女子ナショナルチームの一人の話

    トレセンから体育大学を卒業し、ナショナルチームに属する。給与は2000 ドル/月当
    り 支給される。ちなみに25歳位の大卒者の給与は日本円で3万〜4万円。

    このように国家がスポーツ選手育成に力を入れ、ハノイ市民も協力している。(食費など)

 <トレセンコーチ談>

 @ アジア選手がフランス選手 (体格、体力、腕力が異なる) を真似ても上達は無理。

 A アジア人はアジア人の体格、体力に適した投法を見つける。

 B ペタンクを始めた人のよい点を見つけ、褒めてそこを伸ばす。

 C ポワンテが確実なものになったら、ティールは自然とできるようになる。

 D 投げ方のリズムは  腕の @バックスイング A振り Bリリース、手についても同じで
    @ボールを握っている指の根元の関節から@、A、Bの順でリリース。

 日本 (日本協会・県協会) でも育成方法と競技とゲームとを区別し、発展させる必要がある
 のではないであろうか。ペタンク選手の評価表を導入し、県協会は教育してほしいものだ。






ベトナム強化合宿に参加して
                                    古野 信子

 このたびのベトナム強化合宿募集要項に「当地の選手との交流を通して、選手個々の技術
習得、
国際感覚を磨く、そして合宿に参加した者が体験したことや練習方法等を日本に持ち
帰り、地域に広め、日本のレベルアップを図りたい」とありました。

 
 幸い私はフランス、ラオスなど海外のペタンクを体験していることもあり、これからは、世界に
通じるペタンクを地域に広める役割を担っていかなければとの想いで参加を決意しました。


 さて、合宿スケジュールの初日は、スポーツ指導者としての心構え、投法の個人評価の仕方
などの講義があり、その後は、タイコーチの指導や現地学生との試合で、大変充実した4日間
を過ごすことができました。


 ベトナムは、国策として組織的な選手育成に力を注いでいます。レベルの差は歴然としてい
ますが、日本が今後取り組むべき課題も見えてきました。


 愛知の参加者はシニアばかりでしたが、この企画に参加できたことを皆さん非常に喜んでお
られました。そして、この合宿で学んだことをどう愛知に取り入れるか、皆さんが真剣に考えて
みえることに感動すら覚えました。


 今後、若者の育成は勿論ですが、シニア世代を含む意欲的なペタンカーが、もっと参加でき
る多様な研修を企画していただければ日本のペタンク強化になると強く感じました。


 最後に、合宿中いろいろとお世話下さった皆様方に心より感謝申し上げます。



             ページの先頭へ