新田小学校本館について
新田小学校本館(北館)は、2009年7月から工事が始まり、2010年3月28日に竣工しました。
「新田小学校本館 南面」
本館には、日本古来の伝統を重んじ、現存する最古の小学校建築とされる
「開智学校」をモデルにした「登龍門玄関」が設置されています。
「親子龍」 本館「登龍門玄関」を飾る「立川流彫刻」の作品です。
「立川流」は、江戸幕府御用の寺社彫刻で、長野善光寺、京都御所、静岡秋葉神社本宮、
諏訪大社上社、豊川稲荷、山車では亀崎の山車、高山の山車などが代表的で、
現在多くのものが国や県の文化財に指定されています。
「開智学校」 校舎設計:立石清重 登龍門彫刻:原田蒼渓(立川流) 国重要文化財
教育県といわれた長野では、明治9年4月、この国の未来を担う子どもたちを思い、
「登龍門」が「立川流」の彫刻師たちによって作られました。
「登龍門」とは、古代中国の『後漢書』に由来する諺で、
「成功に至るために乗り越えなければならない難しい関門」のことです。
「流れの急な龍門という河を登りきった鯉は龍になる」という伝説があり、
「鯉の滝登り」ともいわれ、こどもの日の鯉幟(こいのぼり)の風習はこれを起源としています。
「開智学校と新田小学校の比較」
基本的なスタイルは、ほとんど同じですが、構造は耐震のために厚みが増しています。
また、彫刻作品も開智学校にならって数多く設置されています。
「龍」 上:開智学校 下:新田小学校
開智学校では一匹の「尾巻き龍」ですが、新田小では「親子龍」となっています。
親子・地域の「絆(きずな)」を大事にしたいという願いが込められています。
「鳳凰(ほうおう)」 玄関上、ベランダの壁に左右対でついています。
古来より、天下に素晴らしい人物が現れる吉兆とされている「鳳凰」です。
日本の正統な伝統芸術の粋をつくした建築として、誇るべき校舎が完成しました。
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